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ニトロトルエンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ニトロトルエンのメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
ニトロトルエン (Nitrotoluene, NT) とは、トルエンのフェニル基上の水素がニトロ基で置換されている有機化合物です。
通常、「ニトロトルエン」と呼ぶ場合には、ニトロ基が一つのものを指します (ニトロ基が複数個の場合は、ジニトロトルエン、トリニトロトルエン...のようになります)。そのため、別名にモノニトロトルエン (Mononitrotoluene, MNT) 、メチルニトロベンゼン (Methylnitrobenzene) などがあります。
示性式CH3(C6H4)NO2、分子式C7H7NO2で表され、分子量は137.136です。置換基の位置によって3種類の位置異性体があります。具体的には、2-ニトロトルエン (o-ニトロトルエン)、3-ニトロトルエン (m-ニトロトルエン)、4-ニトロトルエン (p-ニトロトルエン) の3つの化合物です。
CAS登録番号は、2-ニトロトルエンが88-72-2、3-ニトロトルエンが99-08-1、4-ニトロトルエンが99-99-0です。
ニトロトルエンは3つの異性体とも、有機合成材料・有機合成中間体として使用されています。特に、4-ニトロトルエンは、4-トルイジン、2,4-ジニトロトルエン、2,4,6-トリニトロトルエン、p-ニトロトルエン‐o‐スルホン酸などの中間体に用いることが可能です。
それ以外では、2-ニトロトルエンは、染料中間体 (トルイジン、マゼンタ) に用いられたり、Pseudomonas (シュードモナス) 菌株ClS1の培養培地における窒素サプリメントとして使用されたりする場合があります。
また、ニトロトルエンを更にニトロ化することにより、爆薬の成分であるトリニトロトルエンを合成できます。
図1. 2-ニトロトルエンの基本情報
2-ニトロトルエンは、トルエンの2位、すなわちオルト位がニトロ基で置換されている化合物です。融点-4〜-3℃、沸点225℃、密度1.163g/cm3であり、常温では芳香を呈する黄色の液体です。pHは6 - 8、水への溶解度は0.65 g/L (20°C) です。
引火性のある液体のため、火災や爆発の危険性があります。消防法では、第4類引火性液体・第三石油類・非水溶性液体に指定されています。
図2. 3-ニトロトルエンの基本情報
3-ニトロトルエンは、トルエンの3位、すなわちメタ位がニトロ基で置換されている化合物です。融点14-16℃、沸点230-231℃、密度1.157g/cm3であり、常温では特徴的な臭気を呈する黄色の液体です。水への溶解度は0.419g/L (20°C)です。
引火性のある液体のため、火災や爆発の危険性があります。消防法では、第4類引火性液体・第三石油類・非水溶性液体に指定されています。
図3. 4-ニトロトルエンの基本情報
4-ニトロトルエンは、トルエンの4位、すなわちパラ位がニトロ基で置換されている化合物です。融点52-54℃、沸点238℃、密度1.392g/cm3であり、常温では淡黄色の結晶性固体です。水への溶解度は0.345g/L (20°C)です。
前述の通り、ニトロトルエンには3種類の位置異性体が存在します。どの化合物も研究開発用の試薬製品として、一般販売されています。
容量の種類には、5mL・100mL (2-ニトロトルエン) 、100g (3-ニトロトルエン) 、100g・1kg (4-ニトロトルエン) などの容量の種類があり、実験室で取り扱いやすい容量での提供です。室温で保管可能な試薬として取り扱われます。
ニトロトルエンは、トルエンを混酸でニトロ化することで合成できます。通常のニトロ化条件では、2-ニトロトルエン58%、4-ニトロトルエン38%、3-ニトロトルエン4%の比率で得られるとの報告があります。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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