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セミカルバジドについての概要、用途、原理などをご説明します。また、セミカルバジドのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
セミカルバジド (英: Semicarbazide) とは、尿素の誘導体の1つで、尿素のNH2基のうち1つがヒドラジノ基で置換されている構造の有機化合物です。
セミカルバジドの分子式はCH5N3Oであり、CAS登録番号は、57-56-7です。通常、塩酸塩の形で広く販売され、流通しています。セミカルバジド類縁体で、セミカルバジドの酸素原子が硫黄原子に置き換わった構造をしているものはチオセミカルバジドと呼ばれています。
セミカルバジドは薄層クロマトグラフィー (TLC) の発色試薬として用いられます。セミカルバジドをTLCプレート上のα-ケト酸に噴霧すると、紫外線照射下で結果を見ることが可能です。セミカルバジドは耐水性や耐黄変性に優れているため塗装の硬化剤としても使用されています。
また、セミカルバジドはアルデヒドやケトン、糖類と反応して結晶を生じます。セミカルバジドとケトンまたはアルデヒドの縮合反応によって生じるイミン誘導体を総称してセミカルバゾンと呼びます。
生じたセミカルバゾンの融点を測定することでセミカルバジドと反応したアルデヒドやケトンを同定することが可能です。そのため、セミカルバジドはアルデヒドやケトンの検出や同定に幅広く使用されています。
セミカルバジドは、有機合成原料として有用な化合物です。具体的な例としては、ニトロフラン系の抗菌剤 (フラゾリドン、ニトロフラゾン、ニトロフラントインなど) の合成中間体として用いられます。
図1. セミカルバジドの基本情報
セミカルバジドは、分子量75.07、融点96℃であり、常温常圧では無色の柱状結晶固体です。水やエタノールに易溶ですが、エーテルやベンゼンなどには溶けません。密度は1.29g/mLです。
セミカルバジドは、一般的には塩酸塩の形で研究開発用試薬製品や工業用化学薬品として販売されています。試薬製品としては、塩酸塩には5g、25g、100g、300g、500gなどの容量の種類があります。
室温で取り扱い可能として販売されることも、冷蔵保管として販売されることもある化合物です。塩酸塩以外には6wt.%ほどの濃度でシリカゲルとの混合物で販売されている場合があり、こちらの容量は25g、100gなどの種類です。
また、塩酸塩は、医農薬原料、中間体、有機合成用原料などの用途で工業用に販売されている場合があります。この場合の荷姿はダンボールであり、工場などの需要に合わせて大型容量で販売されています。
図2. セミカルバジドの合成例
セミカルバジドは、尿素とヒドラジン水和物との反応によって合成されます。その他の合成方法では、ニトロ尿素の還元やシアン酸カリウムとヒドラジン硫酸塩の反応などが挙げられます。
セミカルバジドは、カルボニル化合物ととの縮合反応によってイミン誘導体が得られます。このイミン誘導体はセミカルバゾンと呼ばれています。セミカルバゾンは、オキシムや2,4-ジニトロフェニルヒドラジンのように結晶性が高く融点が高音になるため、セミカルバゾンの形成反応は反応生成物の同定に有用です。
また、セミカルバジドはアゾジカルボンアミドの分解反応によって生じる物質でもあります。
図3. 塩酸セミカルバジドの基本情報
セミカルバジドは、一般的には塩酸塩である塩酸セミカルバジド (セミカルバジド塩酸塩) の形で販売されています。塩酸セミカルバジドは、分子式 CH6ClN3O、分子量111.53の物質であり、CAS登録番号は 563-41-7です。
融点176℃ (分解) であり、常温では無臭の白色結晶です。水に溶けやすく、エタノールにほとんど溶けません。加熱したエタノールにはわずかに溶解します。通常、有機合成原料などとして用いられることが多いです。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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