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ジメチルシクロヘキサンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ジメチルシクロヘキサンのメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. ジメチルシクロヘキサンの基本情報
ジメチルシクロヘキサン (Dimethylcyclohexane) とは、シクロアルカン (脂環式有機化合物) の一種であるシクロヘキサンにメチル基が2つ結合した構造をしている化合物の総称です。
メチル基の結合する場所によっていくつかの種類があります。構造異性体は、「1,1-ジメチルシクロヘキサン」「1,2-ジメチルシクロヘキサン」「1,3-ジメチルシクロヘキサン」「1,4-ジメチルシクロヘキサン」の4つです。
そのうち、「1,2-ジメチルシクロヘキサン」「1,3-ジメチルシクロヘキサン」「1,4-ジメチルシクロヘキサン」については、cis/transの立体異性体があります。2つのメチル基がシクロヘキサン環を基準として同じ方向を向いているものをcis体、反対の方向を向いているものをtrans体と呼びます。
図2. cis体とtrans体 (例:1,2-ジメチルシクロヘキサン)
どれも分子式はC8H16で表され、分子量は112.216です。引火性があるため、消防法では「危険物第四類 第一石油類 危険等級Ⅱ」に指定されており、労働安全衛生法では「危険物・引火性の物」に指定されています。
ジメチルシクロヘキサンは、主に有機合成中間体として用いられます。無極性のシクロアルカンであるため、無極性溶媒としての用途も可能ではありますが、実際は他の薬品が汎用されているので、無極性溶媒としての用途は少ないです。あくまでも、特殊なビルディングブロックとしての用途が主体です。
なお、1,1-ジメチルシクロヘキサンは、天然ガス水和の中程度の圧力での操作を促進する添加物として用いられます。1,3-ジメチルシクロヘキサンは、イリジウム触媒による開環反応の検討に用いられたことがあります。
また、メチル基が立体障害のモデル置換基となることから、ジメチルシクロヘキサンの化合物群は、シクロヘキサンの安定配座の研究に古くより用いられてきた歴史的経緯があります。
図3. ジメチルシクロヘキサンの異性体群
1,1-ジメチルシクロヘキサンは、沸点118-120℃であり、常温では無色の液体です。密度は0.777g/cm3であり、CAS登録番号は590-66-9です。
引火点が11℃と低いことから、消防法において「第4類引火性液体、第一石油類、危険等級II、非水溶性液体」に指定されています。
1,2-ジメチルシクロヘキサンには、原理上cis/transの2種類の立体異性体がありますが、一般的に販売されているのはcis体がほとんどです。これは合成経路や化合物の安定性の都合によるものとされています。
cis-1,2-ジメチルシクロヘキサンのCAS番号は2207-01-4です。沸点129〜130℃であり、常温では淡黄色の液体です。密度は0.796g/cm3となっています。
trans-1,2-ジメチルシクロヘキサンのCAS番号は2207-01-4です。沸点124℃であり、常温では無色の液体です。密度は0.78g/cm3となっています。
引火点が11℃ (cis体) / 7℃ (trans体) と低いことから、消防法において「第4類引火性液体、第一石油類、危険等級II、非水溶性液体」に指定されています。
1,3-ジメチルシクロヘキサンは、cis体、trans体、cis体とtrans体の混合物の3種類が販売されています。CAS登録番号は、順に638-04-0、2207-03-6、591-21-9です。
室温ではいずれもほぼ無色の液体であり、沸点は120℃ (cis体) と124℃ (trans体) 、比重は0.77 (cis体) と0.78 (trans体) です。引火点が6℃ (cis体) / 9℃ (trans体) と低いことから、消防法において「第4類引火性液体、第一石油類、危険等級II、非水溶性液体」に指定されています。
1,4-ジメチルシクロヘキサンは、cis体、trans体、cis体とtrans体の混合物の3種類が販売されています。CAS登録番号は、順に624-29-3、2207-04-7、589-90-2です。
室温ではいずれもほぼ無色の液体であり、沸点は125℃ (cis体) と119℃ (trans体) 、比重は0.78 (cis体) と0.76 (trans体) です。いずれも引火点が6℃と低いことから、消防法において「第4類引火性液体、第一石油類、危険等級II、非水溶性液体」に指定されています。
ジメチルシクロヘキサンは、主に研究開発用の試薬製品として販売されています。前述の通りいくつか異性体が存在しますが、製品化されているものは、下記の通りです。
どれも室温保管が可能な試薬製品として取り扱われます。容量の種類には、1g , 5g , 10g , 25g , 50g , 25mL , 500mLなどがあり、実験室で取り扱いやすい小型の容量で販売されています。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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