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ジフェニルメタンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ジフェニルメタンのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
ジフェニルメタンとは、化学式 C13H12で表される有機化合物です。
メタンの水素原子が2つフェニル基に置換された構造をしており、芳香族炭化水素に分類されます。別名には、メチレンジベンゼン、ベンジルフェニルなどの名称もあります。
CAS登録番号は、101-81-5です。水素が1個除去された1価の置換基、ジフェニルメチル基のことは特にベンズヒドリル基 (英: benzhydryl group) と呼ばれています。
全ての誘導体が必ずしもジフェニルメタンから合成されるわけではありませんが、ジフェニルメタンの分子骨格はさまざまな物質の部分構造に含まれています。ジフェニルメタン誘導体は、主にはさまざまな色素として活用される物質です。
これらの誘導体はインクや染料の原料として用いられており、ジフェニルメタン誘導体を原料とする染料には、カラーインデックスにおいて41,000番台の番号が割り当てられています。
このほか、ジフェニルメタン誘導体化合物の中には、糖尿病の治療に用いられているものもあります。ヒトSGLT2活性に対する優れた阻害効果を示し、動物における尿中糖排泄を有意に減少させることが報告されているためです。
図1. ジフェニルメタンの基本情報
ジフェニルメタンは、分子量168.23、融点22〜25.9℃、沸点264℃であり、常温においてはオレンジの香気を有する白色針状結晶です。密度は1.006g/mL、メチレン基水素の酸解離定数pKaは33です。水にほとんど溶けないものの、エタノールに溶けます。非極性有機溶媒に特に容易に溶解します。
ジフェニルメタンは、研究開発用試薬製品として主に販売されています。容量の種類には、25g、100g、500gなどがあり、各種試薬メーカーから販売されている物質です。通常、25℃以下の冷所で保管されています。
図2. ジフェニルメタンの合成
ジフェニルメタンは、塩化アルミニウムなどのルイス酸存在下において、塩化ベンジルとベンゼンのフリーデル・クラフツ反応により得られます。
図3. ジフェニルメタンのアルキル化反応の例
ジフェニルメタンのメチレン基は、前述の通り酸解離定数pKa33です。ナトリウムアミドなどを用いて脱プロトン化することが可能であり、このとき生じるカルバニオンをアルキルハライドなどと反応させることでアルキル化を行うことができます。
このアルキル化反応は、ハライドの一級二級を問わず、比較的高収率で進行する反応です。一級ハライドとしては、1−ブロモブタンや塩化ベンジルなど、二級ハライドとしては2−クロロプロパンやα-クロロジフェニルメタンなどの例が報告されています。
ジフェニルメタンは、光によって変質する可能性がある物質です。また、強酸化剤との接触により分解して一酸化炭素や二酸化炭素などのガスを発生します。保管においては、強酸化剤との接触や、高温と直射日光を避けるべきです。遮光容器で、換気のよい25℃以下の冷所に密閉して保管するのが適切な保管方法です。
ジフェニルメタンは、消防法や労働安全衛生法で指定を受ける物質ではありません。ただし、安全管理のため、正しい方法で取り扱うことが必要です。まず、皮膚、眼、衣服の接触を避けるため、適切に個人用保護具を着用しなければなりません。
具体的な保護具としては、保護手袋、側板付き保護眼鏡、長袖作業衣が挙げられます。また、作業場所には局所排気装置の設置が必要です。
危険物船舶運送及び貯蔵規則では有害性物質に指定されており、航空法ではその他の有害物質に指定されています。
参考文献
https://www.chemicoco.env.go.jp/detail.php?=&chem_id=2193
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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