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シアヌル酸についての概要、用途、原理などをご説明します。また、シアヌル酸のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。シアヌル酸関連企業の2024年11月注目ランキングは1位:青島鳳通技術貿易有限公司となっています。
図1. シアヌル酸の基本情報
シアヌル酸 (Cyanuric acid) とは、分子式 C3H3N3O3で表され、トリアジン構造と水酸基を持つ有機化合物の一種です。
尿素を原料として製造されます。CAS登録番号は、108-80-5です。
分子量129.07、融点320-360℃ (分解) であり、常温では無色または白色の固体です。結晶性粉末ですが、実際は粉末のほか、塊やフレーク状であることもあります。密度は2.5g/cm3です。
水への溶解度は 0.25g/100mL (17℃) と低く、水に非常に溶けにくい物質です。アルコールやエーテルにわずかに溶けますがアセトンには溶けにくく、熱水や酸塩基、特に熱アルコールやピリジンに可溶な性質を持っています。
図2. 殺菌・漂白剤に使用される塩素化イソシアヌル酸
シアヌル酸は、主に塩素化イソシアヌル酸の原料として使用されています。塩素化イソシアヌル酸は、殺菌漂白効果に優れているため消毒・殺菌剤として幅広く使用されています。特に、生活用水および排水や、プールなどの消毒に用いられている物質です。
その他、シアン酸・シアンガスの発生源および選択的除草剤としての用途もあります。また、メラミンシアヌレートの原料として使用されたり、各種中間体の原料として使用されたりすることもあります。
図3. シアヌル酸の互変異性
シアヌル酸の構造は、アセトンなどと同様に、ケト型とエノール型が平衡状態にあります。エノール型のものをシアヌル酸、ケト型のものをイソシアル酸と呼びます。
100℃で脱水することにより無水物となり、360℃以上では分解してシアン酸に変化する物質です。
シアヌル酸は、主に研究開発用試薬製品として販売されています。容量の種類には、10mg , 25g , 100g , 500gなどがあります。メーカーによって、室温保管として扱われることも、冷蔵保管として取り扱われることもある試薬製品です。
その他、工業用に漂白剤や殺菌剤、除草剤などの原料として販売されています。こちらは工場などで取り扱いやすい大容量での提供となっており、25kg , 500 kg , 1000kgなどの包装です。荷姿にはプラスチックドラムやプラスチック製の袋などがあります。
シアヌル酸の合成原料は尿素です。尿素を無触媒で約200℃に加熱すると、アンメリン、アンメリドなどを含む粗製シアヌル酸が合成されます。
この際、副生成物としてアンモニアが発生します。この粗生成物を塩酸、硫酸、硝酸などの無機強酸で処理することにより、アンメリン、アンメリドがシアヌル酸に変換され、高純度のシアヌル酸を製造することが可能です。
シアヌル酸はメラミンと反応すると、メラミンシアヌレートを生成します。メラミンシアヌレートとは、メラミンとシアヌル酸からなる有機塩であり、メラミンとシアヌル酸が水素結合した構造と考えられている物質です。非ハロゲン系の難燃助剤として主に用いられますが、白色系の潤滑油添加剤としても用いられます。
また、シアヌル酸は、メラミン生産の副生成物としても生成する物質です。メラミン自体の急性毒性は比較的低いものの、シアヌル酸と一緒に摂取すると不溶性のメラミンシアヌレートを生じて有害であることが知られています。メラミンの食品混入による毒性発現はしばしば問題になりますが、腎毒性の発現にはメラミンに加えてシアヌル酸の関与が疑われています。
シアヌル酸の取り扱いについて法令上の規制は特にありません。保管においては、高温と直射日光を避けた保管が必要です。また、強酸化剤との混触も避けるべきとされます。有害な分解生成物としては、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物が挙げられます。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0103-0498JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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