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グアイアズレンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、グアイアズレンのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。グアイアズレン関連企業の2024年11月注目ランキングは1位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
図1. グアイアズレンの基本情報
グアイアズレン (英: Guaiazulene) は、有機化合物の一種で、アズレンの誘導体である炭化水素です。
分子式C15H18で表され、二環式のセスキテルペンに分類されます。CAS登録番号は、489-84-9です。分子量198.31、密度0.976g/mL、融点31-33℃、沸点153℃であり、常温では濃青色の結晶または液体です。
油脂や、パラフィン、ワックス、精油に可溶であり、無水エタノールに僅かに溶けます。水には不溶ですが濃硫酸およびリン酸に溶解します。融点が31℃程度と低いため、保管する場合は、室内温度に留意した管理が必要です。日本国内において特定化学物質には該当しない化学物質です。
グアイアズレンの用途は、化粧品などの着色料、抗炎症薬などです。ただし、グアイアズレンそのものは水に溶解しないため、グアイアズレンにスルホン酸基を導入した水溶性グアイアズレン誘導体 (アズレンスルホン酸ナトリウム) として用いられます。
化粧品においては、ニキビや肌荒れ予防、日焼け止め化粧品として、乳液やクリームタイプの化粧品に配合されている物質です。医薬品における効能は、湿疹・熱傷 (軟膏)、咽頭炎・扁桃炎・口内炎・急性歯肉炎・舌炎・口腔創傷 (うがい薬・口腔内錠)、胃潰瘍・胃炎 (内服薬)、急性結膜炎・慢性結膜炎・アレルギー性結膜炎・表層角膜炎・眼瞼縁炎・強膜炎 (点眼薬) などが挙げられます。
図2. グアイアズレンの原料となるセスキテルペン系化合物
天然物由来では、グアイアズレンはユソウボクなどのハマビシ科植物やカモミールから抽出された精油を精製加工することにより、グアイアズレンを得ることができます。また、様々な軟質サンゴにも主要な色素として含まれている物質です。
合成的には、グアイオールやアロマデンドレン、ケッシルアルコールなどのセスキテルペン系化合物を脱水素酸化させることによって合成することができます。
図3. グアイアズレンスルホン酸ナトリウムの構造式
グアイアズレンは、前述の通り、医薬品にはグアイアズレンスルホン酸として含まれます。グアイアズレンスルホン酸は、in vitro において白血球遊走阻止作用や、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用を示し、その作用は下垂体-副腎系を介さず、炎症組織に対する直接的な局所作用であると考えられています。
グアイアズレンは、主に研究開発用試薬製品、化成品 (工業用原料) などとして販売されている物質です。また、前述の通り、グアイアズレンを含む医薬品や化粧品には様々な種類のものが存在しています。
研究開発用試薬製品としては、10g、25g、100g、500gなど様々な容量の種類が存在します。通常、室温で提供される試薬製品です。合成化学や、天然物化学、生化学などの分野で用いられます。化成品としては、化粧品や医薬品に用いられる天然有効成分として工場などに提供されています。1kg、25kgなどの単位で販売され、ドラム缶などで提供されている物質です。
グアイアズレンを含む医薬品には、軟膏、うがい薬、点眼薬などの外用薬や、錠剤、顆粒などの内服薬があります。どれも医師の処方箋が必要な薬剤です。
グアイアズレンは合成化学において合成原料として利用されています。例えば、グアイアズレンを原料とする染料分子には次のようなものがあります。
また、鎖破断抗酸化剤として使用できる第二世代アズレニルニトロンとして、スチルバズレニルニトロンの合成にも利用されます。ビス-アズレニルをベースとする近赤外蛍光消光剤の合成も可能です。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0235-4020JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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