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カルミン酸についての概要、用途、原理などをご説明します。また、カルミン酸のメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. カルミン酸の基本情報
カルミン酸とは、ザクロのような赤色をした、光沢のある柱状結晶です。
アントラキノン (英: anthraquinone) 骨格をもつ化合物であり、赤色の色素であるコチニール色素 (英: cochineal extract) の主成分でもあります。熱・光・発酵に強いことも特徴です。
中央アメリカや南アメリカの砂漠地帯に生育するサボテン類に寄生するエンジムシ (英: cochineal insect) の乾燥体より、温水や熱水等で抽出することによって得られます。
カルミン酸の主成分であるコチニール色素は、菓子類や飲料、水産・畜肉加工肉等の食品に、着色剤として幅広く利用されています。コチニール色素は、動物性の色素で、耐熱性・耐光性に非常に優れています。そのため、要加熱食品や店頭に並べる際に光があたる食品にも用いやすいことが特徴です。
香料や絵の具、カラー写真、細菌の染色などにも用いられています。また、アルミニウムイオンやカルシウムイオンと錯体を形成することで、深紅色のレーキ顔料となります。
さらに、化粧品分野においても、赤色の着色を目的として、洗浄製品や洗顔料、スキンケア化粧品、ヘアスタイリング剤などにも使用可能です。
カルミン酸は、水・エタノール・エーテル・濃硫酸・水酸化アルカリ溶液には易溶です。石油エーテル・ベンゼン・クロロホルムには溶けません。
溶液の状態では、酸性で赤橙色、中性で赤色、アルカリ性で赤紫色といったように、pHによって溶液の色が異なることも特徴です。分解点は135℃で、pKaは1.59±0.20です。
図2. カルミンの構造
カルミン酸の化学構造は、グルコースユニットに連結しているアントラキノン構造で構成されています。化学式はC22H20O13、モル質量は492.38g/molです。
コチニール色素であるカルミン中の着色剤です。コチニール色素とは、天然の染料や食品添加物として利用されている赤色の色素であり、アルミニウム塩として生成されています。
具体的には、南ヨーロッパ産のケルメスカイガラムシやメキシコ産のコチニールカイガラムシ以外にも、アジア産のラックカイガラムシ (英: Kerria lacca) などから得られます。そして、これらメスの体を乾かし、体内に蓄積された色素化合物を、水やエタノールで抽出することで、色素として得ることが可能です。
カルミン酸は、天然に存在する赤色グルコシド性のヒドロキシアントラキノン (英: hydroxyanthraquinone) の1つです。コチニールカイガラムシ (英: Cochineal) やポーランドコチニールカイガラムシ (英: Polish cochineal) など、一部のカイガラムシ (英: Scale insect) の中に存在します。このような昆虫がカルミン酸を合成しているのは、捕食者への抑止力のためです。
カルミンの語源は、欧州のケルメスカイガラムシ (英: Kermes ilicis) から、伝統的に抽出されて使用されていた色素に由来しています。
図3. アントラキノンの基本情報
カルミン酸の母核は、アントラキノン構造で構成されています。アントラキノンとは、アントラセンの誘導体の芳香族有機化合物であり、黄色から薄い灰色の結晶性の粉末です。
アントラキノンのIUPAC系統名は、アントラセン-9,10-ジオン (英: anthracene-9,10-dione) です。別名として、アントラジオン (英: anthradione) 、9,10-アントラセンジオン (英: 9,10-anthracenedione) 、アントラセン-9,10-キノン (英: anthracene-9,10-quinone) などとも呼ばれています。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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