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ウリジンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ウリジンのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. ウリジンの基本情報
ウリジンとは、ウラシル (英: uracil) がリボース (英: ribose) 環に結合した構造を持つ物質です。
ヌクレオチド (英: nucleotide) の一種であり、リボ核酸 (RNA) の構成成分の一つです。ヌクレオチドの形で、生物界に広く存在しています。ウリジンはオロト酸尿症患者へ薬として投与されている他、ウリジン誘導体はうま味調味料の原料となっています。労働安全衛生法などの国内法規に指定されていません。
図2. シュードウリジンの基本情報
ウリジンは新型コロナウイルスのRNAワクチンの開発で利用されました。RNAワクチンは体内に入ると、細胞内でRNAとして働き、獲得免疫を刺激します。
RNAワクチンを構成するRNAは、人の体内に自然に存在するRNAのウリジンの部分を、シュードウリジン (英: pseudouridine) によって置換したものです。シュードウリジンはウリジンの異性体です。
RNAワクチンとして使用を許可されているものには、モデルナ社の製品やバイオンテック社とファイザー社の共同開発による製品などがあります。
ウリジンは無色の長針状晶で、融点は165℃です。水、ピリジン、DMSOなどによく溶けます。
吸収極大波長は、pH2で262nmです。希酸で加水分解されにくく、濃酸によってウラシルとフルフラール (英: furfural) に加水分解されます。
ウリジンはDNAを構成する塩基の一つであるウラシルが、リボースにβ-N1-グリコシド結合 (英: glycosidic bond) した構造を有する物質です。化学式はC9H12N2O6、モル質量は244.203です。
ウリジンはピリミジン (英: pyrimidine) の骨格を持っています。そのため、ピリミジンを基に合成できます。例えば、2,6-ジエトキシピリミジン (英: 2,6-diethoxypyridine) とアセトブロモリボフラノース (英: acetobromoribofuranose) から合成可能です。それ以外にも、リボ核酸の加水分解やウリジル酸 (英: uridylic acid) の酵素処理などによっても得られます。
ω3脂肪酸をウリジンと同時投与した際に、ラットにおける抗うつ作用が見られると報告例があります。また、アレチネズミに対して、ウリジン、ω3脂肪酸、コリンの同時投与で、シナプスが活性化され、タンパク質やリン脂質が増えると報告されています。さらに、ウリジンとω3脂肪酸によって、アレチネズミの脳機能の改善が報告されました。
図3. D-リボースの化学構造
ウリジンは、リボースとウラシルから構成されています。リボースとは、単糖の一種です。炭素鎖の長さが5のアルドース (英: aldose) であり、対応するケトース (英: ketose) はリブロース (英: ribulose) です。D-リボースは、5員環のフラノース型、6員環のピラノース型、鎖状構造を取っています。
ウリジンの骨格を持っている化合物として、ウリジン二リン酸ガラクトース (英: diphosphate galactose) やウリジン5′-二リン酸グルコース (英: uridine 5'-diphosphoglucose) などが知られています。これらは多糖類やグリコシドの生合成で、補酵素の機能を有する化合物です。
デオキシウリジン (英: deoxyuridine) とは、デオキシリボース (英: deoxyribose) 環にウラシルが接合している化合物のことです。ウリジンの化学構造によく似ていますが、デオキシウリジンは2’-ヒドロキシ基を持っていません。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0121-0077JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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