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アミノピリンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、アミノピリンのメーカー3社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。アミノピリン関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:八代製薬株式会社、2位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
図1. アミノピリンの基本情報
アミノピリンとは、ピラゾロン (英: pyrazolone) 誘導体の一つで、無色または白色の結晶です。
別名、アミノフェナゾン (英: Aminophenazone) やアミドピリン (Amidopyrine) とも呼ばれます。13Cで標識されているアミノピリンを使用した呼気検査は、肝機能試験でシトクロムP450 (英: Cytochrome P450) の代謝活性の非観血的方法として用いられています。
アミノピリンは、ドイツのヘキスト社 (英: Hoechst) により解熱鎮痛剤として販売され、広く使用されていました。アミノピリンが作用する主な理由は、発熱や痛みを引き起こす生理活性物質であるプロスタグランジン (英: prostaglandin) の合成を阻害できるためです。また、視床下部に作用するため鎮痛作用を有します。
しかし、アミノピリンによって、無顆粒球症を引き起こすなどの強い副作用が報告されました。さらに、発がん性物質であることが示唆されたため、現在は解熱鎮痛剤として使用されなくなりました。
アミノピリンは、クロロホルムとエタノールによく溶け、エーテルや水にも溶けます。融点は、107〜109℃です。わずかな苦味がありますが、においはありません。
光で変化します。還元性を有し、酸化剤が存在すると、青~紫色を呈します。また、ピラゾロン骨格を有しています。化学式はC13H17N3Oで表せます。分子量は231.29358です。
アミノピリンの合成の歴史は、1884年にルートヴィヒ・クノール (英: Ludwig Knorr) によって、アンチピリン (英: antipyrine) 、塩酸、亜硝酸ナトリウムから、4-アミノアンチピリンが合成されたことで始まりました。
その後、1896年から1897年にかけて、ヴィルヘルム・フィレーネ (英: Wilhelm Filehne) が、4-アミノアンチピリンからアミノピリンを創製しました。
アンチピリンと同じく、アミノピリンには解熱効果があります。その効力は、アンチピリンのおよそ3倍です。
鎮痛作用は、アンチピリンやイソプロピルアンチピリンより強いです。
1922年に頸部疾患が発症し、原因が無顆粒球症だと報告されました。アミノピリンが原因の血球減少は、因果関係が認められていましたが、その後も広く一般的に使われました。無顆粒球症の発生率は、日本人の場合は非常に稀です。ただし発生した場合の死亡率は、20〜50%です。
アミノピリンによって、消化管内でニトロソ化反応が起こります。この反応が発癌に繋がる可能性が指摘されたため、使用を禁止する国が増えました。1977年に日本でも経口での利用が禁止され、1979年に日本薬局方から削除されました。現在では一部の動物用医薬品としてのみ、注射剤が用いられています。
図2. ルバゾン酸の構造
グルクロン酸抱合によって、体内でアミノピリンは尿素と結合して、ルバゾン酸 (英: Rubazonic acid) などに変わって、尿中に排泄されます。このとき尿は赤色を呈します。
図3. ピラゾロンの構造
アミノピリンは、ピラゾロン誘導体です。ピラゾロンとは、カルボニル基を持っており、複素環式化合物に分類される5員環のラクタムです。ピラゾリン (英: pyrazoline) の1個の水素基がカルボニル基に変換された構造であり、3-ピラゾロンや5-ピラゾロンが存在します。
アンチピリンやイソプロピルアンチピリンも、ピラゾロン誘導体です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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