段ボールパレット

監修:ナビエース株式会社

段ボールパレットとは

段ボールパレットとは、フォークリフトやハンドリフトを使った荷物の運搬に使用されるパレットのうち、段ボール製のパレットのことです。

従来のパレットはプラスチック製や木製のものが主流でした。段ボールパレットは、強化段ボールで製造されているため軽量で扱いやすく、リサイクル性が高いため環境に優しいという特徴があります。不要になった際に処分しやすいため使い捨てのワンウェイパレットとして利便性が高いですが、十分な強度を備えることで繰り返し利用するリターナブルパレットとして使える製品もあります。

段ボールパレット

図1. 段ボールパレット

段ボールパレットの使用用途

段ボールパレットは、他の素材のパレットと同様に荷物の保管や運搬を行うために使用される部材です。リサイクル性が高いことから、ワンウェイ使用に特に向いており、医療・食品分野など清潔性の高い利用用途で重宝されることも多くあります。

倉庫などでフォークリフトやハンドリフトを用いた機械運搬や、保管時の荷役台、などに使用されることが多いです。その他、輸送用、海外輸出用、展示会用ディスプレイなどの用途もあります。一方で、紙であることから水分には強くないため、屋外での使用や湿気などには向いていません。

段ボールパレットの原理

段ボールパレットには、下記のような性質があります。

1. 軽量性

段ボールパレットは、非常に軽量であるため作業者の負担を軽くすることができます。重さは木製パレットの数分の1であり、片手で持つことも可能です。パレットの移動や積み替え時の取り扱いがしやすい資材です。空輸の場合は、荷物だけでなくパレットも総重量に含めて計算されるため、軽量な段ボールパレットはコスト削減に貢献します。

軽量性の一方、耐久性では、1t以上の耐荷重を誇る段ボールパレットもあり、重量物も含めた幅広い荷物の運搬に対応することが可能です。

2. 仕様の自由度

段ボールパレットは、素材が紙のため加工性が高く、木製パレットやプラスチックパレットよりも仕様の自由度が高いことが特徴です。

また、製造時には加工日数が短いのもメリットです。プラスチックパレットでは、パレット作成の為に専用の金型を作成する必要がありますが、段ボールパレットは金型を必要とせず製造でき、加工性が高いため、トータルでの製造コストが低く済みます。

3. リサイクル性・環境配慮

木製・プラスチック製パレットは産業廃棄物に分類されるため廃棄時に費用が発生します。一方、段ボールパレットは古紙としてリサイクルすることが可能であり、処分の際に費用がかかりません。

また、段ボールパレットは、プラスチックや木製パレットに比べて、製造・輸送・廃棄に係るCO2発生量を大幅に削減することができる、環境配慮型の資材です。

4. その他

木製パレットなどと異なり、段ボールパレットにはささくれなどが発生しないという利点があります。また、段ボールパレットは、国際基準ISPM No.15の検疫規制に準じた輸出梱包材であるため、輸出の際も検疫における燻蒸・熱処理の手間がありません。

段ボールパレット

図2. 段ボールパレット

段ボールパレットの種類

段ボールパレットには、様々な種類があります。段ボールの高い加工性を活かして多様な成形加工が可能です。差込口はフォークリフトの種類に合わせた形状の種類があります。片面2方差し、片面4方差し、両面2方差し、両面4方差し、スキッド2方差し、スキッド4方差し、ハンドリフト対応などがあります。荷受け部分の形状も、トレー型や平型があります。

段ボールパレットの大きさは、一般的に長辺が800~1,400mm、短辺は800~1,400mm、高さは120~160mmの範囲です。前述の通り、加工性が高く、製造にあたって金型が不要なため、特殊サイズも比較的柔軟に製造可能な場合が多いです。耐荷重は製品によって異なりますが、1t以上の重量物にも対応しています。

また、段ボールの高い加工性を活かして、製品梱包とパレットが一体化した集合包装を行っているケースもあります。梱包の作業時間短縮や、輸送効率向上が可能です。

本記事は段ボールパレットを製造・販売するナビエース株式会社様に監修を頂きました。

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レベラー

レベラーとは

レベラーとは、金属板やシートなどの素材を平らにするための加工機です。

金属板やシートは製造過程で曲がったり歪んだりすることがありますが、レベラーは素材を均一な平坦な状態に整える役割を果たします。これにより、後段の加工や組み立て工程での品質向上や正確な加工が可能です。プレス機の前工程に設置されることが多いです。

外観としては、複数のローラーが並んだ形状の製品が多いです。ゆがんだ材料を手作業で平坦化するよりも高速かつ効率的に作業が行えるため、生産性の向上やコスト削減につながります。ローラー幅を調整できる場合が多く、様々な形状や厚みの素材を処理することが可能です。

レベラーの使用用途

レベラーは大量加工に有利であり、様々な産業で使用されます。以下はその一例です。

1. 自動車

自動車の外装パネルや車体部品は平坦な板状またはシート状素材から製造されることが多いです。レベラーを使用することでこれらの素材を平らに整え、パネルの品質や精度を向上させます。また、フレームやシャーシ部品の製造にも使用されることがあります。

2. 建築物

屋根材や外装パネルなどの建材は美観と耐久性が求められます。レベラーはこれらの材料について平坦性を向上させ、建物の品質向上に貢献する機械です。また、建築の構造材製造においても、レベラーによって厚みや平坦性などの精度を高めて建築物の安定性や強度を向上させます。

3. 家電製品

家電製品の筐体やパネルは、外観だけでなく機能性も重要です。レベラーは金属素材の平坦化を行い、筐体の外観や組み立ての正確性を向上させます。これにより、安価な家電製品を量産することが可能です。

4. その他金属加工全般

上記のみではなく、量産される金属製品にはレベラーが使用されることも多いです。鉱業においては、銅などの板を平坦化するためにレベラーが使用されます。また、航空機においてはフレームのアルミニウム加工に使用される場合があります。

レベラーの原理

レベラーは金属板やシートなどの素材にかかる歪みや曲がりを取り除くための機械です。一般的なレベラーは素材を通過させる際に、複数のロールが上下に配置されています。これらのロールは素材を受け取り、特定の方向に引っ張ることで素材を伸ばして歪みを取り除きます。

材料の供給にはローラーコンベアやフィードローラーが使用されます。これらが素材を受け取り、後続のロールに送ります。ローラーをモーターなどを使用して回転させることで、材料を送り出す仕組みです。

その後、材料を平坦化するために複数のロールに板材が送り出されます。これらのロールはレベリングロールなどと呼ばます。上下に複数のレベリングロールが配置されていることが多いです。

厚みや形状を精密に加工したい場合、操作やパラメータの制御を行うための電子制御システムが内蔵されます。これにより、送り出し速度やローラー間隙などを微調整することが可能です。電子制御システムによって、加工の精度や効率を向上させることができます。

レベラーの選び方

レベラーを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 対応材質

レベラーは対応する材質によってその性能や機能が異なります。一般的には鋼材やアルミニウムなどの金属素材に対応したレベラーが多いです。必要な素材に対応する適切なレベラーを選択することが重要です。

2. 対応幅・対応厚み

レベラーは加工可能な素材の幅や厚みに制限があります。必要な加工対象の幅や厚みに合わせて、適切なレベラーを選択する必要があります。また、幅や厚みの調整が可能なレベラーを選ぶことで、柔軟性が向上します。

3. 送り出し速度

レベラーの送り出し速度は、加工効率や生産性に影響を与えます。必要な生産量に合わせて、適切な送り出し速度を持つレベラーを選択することが重要です。一般的には、高速で安定した送り出し速度を有するレベラーが高価な傾向にあります。

4. 精度

レベラーの精度は加工される素材の品質や仕上がりに直接影響を与えます。加工精度や均一性が重要な場合には、高精度な制御システムを備えたレベラーを選ぶ必要があります。

電着塗装

監修:株式会社カワイ化工

電着塗装とは

電着塗装とは、電気を使用して金属などの表面に塗料を塗布する方法です。

一般的には金属を導電性のある塗料に浸し、直流電流を流すことで表面に固着させます。均一で密着性の高い塗膜を形成することが可能な点が特徴です。電着時間や電圧を制御することで、厚みをコントロールすることも可能です。

また、塗膜が密着しているため、耐摩耗性や耐薬品性が高く、長期間にわたって保護効果を持続させることが可能です。塗装プロセス中に発生する排出物や揮発性有機化合物 (VOC) の放出も少ないため、環境への影響も少ない点も特徴の一つです。したがって、自動車や建築などの様々な産業で広く利用されます。

電着塗装の使用用途

電着塗装は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 自動車

自動車のドアやボンネットなどのボディに電着塗装が広く利用されています。これにより、耐久性や防錆性が向上し、車両の寿命を延ばすことが可能です。また、 エンジンの各部品、特に鉄製の部品には耐熱性の高い電着防錆塗装を適用することが多いです。

2. 建築物

電着塗装は鉄骨や鋼材などの建築用金属部品の表面保護に使用されます。これにより、建物の外観や耐久性が向上し、防錆性を付与することが可能です。また、アルミニウムの軽量性と耐食性を活かすため、建築用のアルミニウムパネルや窓枠などに電着塗装が施される場合もあります。

3. 家具

家具の金属製品には耐久性や外観美を向上させるために電着塗装が施されます。スチール製のテーブルや椅子、キッチン用品などがその一例です。これにより、家具の耐摩耗性や汚れに対する耐性が向上させ、長期間美しい外観を維持することが可能です。

4. 農業

電着塗装は農機具にも広く使用されます。耕運機や播種機の部品または噴霧装置のフレームなどがその一例です。農機具は屋外で使用しつつ農作業での過酷な環境条件にさらされるため、耐久性や防錆性を付与するために使用されます。

電着塗装の原理

電着塗装は電気化学を使用する塗装方法です。対象となる基材は導電性である必要があります。一般的に金属が使われますが、非導電性の基材でも導電性の被覆を施すことで電着塗装が可能ですが、乾燥温度が150℃以上と高温になるため、樹脂には不向きです。

塗料は導電性の液体である電解液中に分散されます。この液体には塗料粒子が浮遊しており、電着塗装の対象物となる基材に塗料を付着させる役割を果たします。塗料には水溶性塗料を使用されることが多いです。

カチオン電着塗装は、塗料がプラスに荷電して、マイナス側の被塗物に析出するものことを指します。黒い見た目が特徴的で耐食性に優れた塗装方法です。

アニオン電着塗装は、電着塗装が普及した初期の頃に用いられていた方法であり、カチオン電着塗装とは対照的に塗料がマイナスに荷電するものとなります。アニオン電着塗装は電着時に被塗物からの錆びの原因となる鉄溶出が起こりやすいため、次第にカチオン電着塗装が使用されるようになりました。

ただ、アニオン電着塗装は全く使われなくなったというわけではなく、カチオン電着塗装ではアルマイト皮膜を破壊してしまうため、現在でもアルミサッシを塗装する際は、アニオン電着塗装が用いられています。

電着塗装の選び方

電着塗装サービスを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 対象材料・形状

対象物が金属であるか、非金属であるかを確認します。金属であれば導電性があり、電着塗装が適していますが、非金属の場合は導電処理が必要です。メッキ処理などの導電処理を施します。

対象物の形状やサイズも考慮します。大型の部品や複雑な形状の部品には、特殊な電着塗装設備が必要になる場合があります。

2. 塗料

使用環境に応じて、塗料を選定します。対象物が屋外で使用される場合、耐候性に優れた塗装が必要です。一般的な塗料としてはエポキシ樹脂やアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などが使用されます。

エポキシ樹脂は一般的な電着塗料の主要な成分の一つです。耐久性が高く、耐薬品性や耐摩耗性に優れています。ただし、紫外線に弱い特性があるため注意が必要です。

アクリル樹脂は耐候性に優れており、屋外での使用に適しています。自動車の外装部品や建築材料などに使用されます。ポリウレタン樹脂は柔軟性と耐久性を兼ね備えており、屋外での使用に適しています。

3. 生産性

大量生産を行う場合は、生産性が重要です。自動化された電着塗装ラインを有する企業を選定します。コストと性能のバランスを適切に見極めることが重要です。

本記事は電着塗装を行う株式会社カワイ化工様に監修を頂きました。

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サービスロボット

サービスロボットとは

サービスロボットとは、人々の日常生活および業務においてサービスを支援するために設計されたロボットです。

家庭内での掃除や料理、高齢者や障害者の介助、店舗やホテルでの案内や接客など、様々な用途に使用されます。人間の労働力を補完または代替することができるため、省力化に寄与するロボットです。人力よりもロボットが得意な分野で活用する場合、生産性を向上させることも可能です。

また、サービスロボットは24時間体制で作業を継続することができます。人間が必要とする休憩や睡眠の必要がないため、作業の効率性を高めることが可能です。近年ではAI技術の進歩により、サービスロボットが高度なタスクを実行できるようになり、その能力や普及が拡大しています。

サービスロボットの使用用途

サービスロボットは以下のような場面で使用されます。

1. 一般家庭

一般家庭では調理や掃除を支援するロボットを使用されることが多いです。

掃除ロボットは床やカーペットの掃除を自動で行う家庭用ロボットです。センサーを使用して障害物を検出し、自律的に動き回りながらゴミやホコリを吸引します。主に床面の清掃を行いますが、一部のモデルには床拭き機能も搭載されています。

調理支援ロボットは、料理の下ごしらえや調理を補助するためのロボットです。野菜を切ったり、食材を混ぜたりする作業を行います。一部の高度なロボットはレシピをプログラムして自動で調理を行うことも可能です。

2. 商業・サービス業

商業やサービス業では、接客ロボットや配膳ロボットが使用されます。 接客ロボットは店舗や施設で顧客に対するサービスを提供するためのロボットであり、顧客の案内や情報提供および製品・サービスの紹介などの機能を有します。配膳ロボットはレストランやバーなどで料理や飲み物を運搬するためのロボットであり、顧客のテーブルまで料理を運ぶことが可能です。

3. 医療・介護

医療・介護業界では、病院や介護施設で患者の看護を支援するためのロボットが使用されます。ベッドへの移動や薬の配布およびバイタルサインのモニタリングなどの機能を有します。一部のロボットは医師や看護師との連携を取りながら診療やケアを行うことも可能です。

4. 産業

産業においては物流ロボットなどが広く利用されています。倉庫内での商品の移動やピッキング作業を行うためのロボットであり、棚から商品を取り出して運搬して出荷準備を行います。一部の物流ロボットは、自動倉庫や自動運転車両と連携して効率的な物流システムを構築することも可能です。

サービスロボットの原理

サービスロボットは周囲の環境を認識するためのセンサーを備えています。距離センサーやカメラ、レーザースキャナー、超音波センサーなどを使用することが多いです。これらのセンサーは障害物を検出したり、位置や方向を把握したりするために活用されます。

これらの情報を基に作業を実行するためのアクチュエーターを有します。一般的にはモーターで電力を使用して駆動することが多いです。これらのアクチュエーターはコンピューターによって制御され、ロボットの動作を決定します。

その動作を制御するための制御システムが内蔵されています。一般的には組み込みシステムやマイクロコントローラー、あるいはより高度なコンピューターシステムが使用されます。これらの制御システムがセンサーからの情報を受け取り、適切なアクチュエーターを制御してロボットを動作させる仕組みです。

サービスロボットの選び方

サービスロボットを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. タスク

まず、どのようなタスクをサービスロボットに実行させるのかを明確にします。家庭内の掃除支援や商業施設での案内など、様々な用途があります。用途に合ったロボットを選ぶことが重要です。

2. 機能

次に、必要な機能を検討します。例えば、自立移動可能であるか、センサーの種類や精度、自動化の度合いなどが重要な要素です。用途に応じて、これらの機能を選定します。

3. 安全性

サービスロボットは人々と直接的に接する場合があるため、安全性が非常に重要です。安全な設計や機能、障害物回避機能、急停止機能などを備えていることを確認します。

4. 使いやすさ

サービスロボットは専門的な知識や技能がなくても操作できるように設計されていることが多いですが、それでも使いやすさは重要です。操作方法やインタフェースが直感的でわかりやすいことを確認します。

計測器校正

計測器校正とは

計測器校正とは、計測器や測定機器の精度を確保するための校正作業です。

通常、計測器は時間の経過や使用状況によって精度が低下する可能性があります。また、外部要因や環境条件に影響を受けることも多いです。計測器校正サービスはこれらの要因による精度の変化を評価し、必要に応じて補正や調整を行うことで、計測器の正確性を確保します。

計測器校正サービスは専門の技術者やラボで行われることが一般的です。校正された計測器は信頼性が高く、規格や規制に準拠していることが保証されます。企業や研究機関など、様々な分野で広く利用されます。

計測器校正の使用用途

計測器校正サービスは様々な産業や分野で幅広く使用されています。以下はその一例です。

1. 製造業

製造業では、製造プロセスにおける機器・測定器の正確な測定が必要不可欠です。工場の生産ラインでは使用される温度計や圧力計などの校正が重要です。測定値の誤差は製品品質管理に直結するため、校正サービスが欠かせません。

2. 医療機器

医療機器の正確な測定は、患者の診断や治療に直接影響を与えます。したがって、血圧計や体温計などの医療機器は定期的に校正することが必要です。これにより、患者への正確な診断や治療が可能となります。

3. 研究機関

科学や技術の研究において正確な測定は不可欠です。校正サービスは実験や研究に使用される測定器や試験装置を構成することで、信頼性を確保するために活用されます。これにより、実験・試験結果の正確性を担保することが可能です。

4. 環境測定

地方自治体や政府によって、気象観測や大気・水質モニタリングなどが定期的に実施されています。これらの作業には多くの測定器が使用されます。測定器を構成することで、正確なデータ収集と環境保護活動を支援します。

計測器校正の原理

計測器校正の原理は測定器の正確性を確保するために基準と比較することです。より高い正確性を有する標準測定器を使用して、校正対象の計測器の測定値と比較します。これにより、校正対象の計測器の誤差を特定し、補正を行うための情報を得ることが可能です。

校正の際には同じ測定条件下で比較することが多いです。例えば、温度計の場合、特定の温度で両方の測定器の読みを比較します。この比較を通じて、校正対象計測器の正確性を評価します。

比較の結果、校正対象の計測器に誤差がある場合は、補正や調整を行います。これにより、計測器の誤差を最小限に抑え、正確な測定が可能です。

校正に使用される標準測定器は、国際的に認識された標準として確立された製品を使用します。これにより、校正結果のトレーサビリティが確保され、測定結果の信頼性を高めることが可能です。

測定器校正の種類

測定器校正には様々な基準に則った種類が存在します。

1. 一般校正

一般校正は特定の業界や規格に基づかない、一般的な校正の手法です。業界標準や国際規格に準拠しませんが、測定器の基本的な性能を確認するのに役立ちます。ただし、信頼性やトレーサビリティは業界標準や規格に基づく校正と比較して低い場合があります。

2. ISO/IEC 17025校正

ISO/IEC 17025は測定試験施設の能力を評価するための国際規格です。ISO/IEC 17025校正は、この規格に基づいて行われる校正のことを指します。一般的にJQAやJCSSなどの校正機関はこの基準に基づいていることが多いです。

ISO/IEC 17025校正を実行することで、高い品質管理と技術能力の要求を満たし、測定結果の信頼性とトレーサビリティを確保することが可能です。また、校正を行う施設やラボにはISO/IEC 17025の認定を取得する必要があります。

測定器校正の選び方

測定器校正サービスを選ぶ際は、以下のような要件を考慮します。

1. 適格性

サービス提供者がISO/IEC 17025の認定を有すること、または他の業界標準に準拠していることを確認します。適格な企業および団体を選定することで、高品質で信頼性の高い校正サービスが期待できます。

2. トレーサビリティ

使用する標準測定器や手法が、国際的に認識された基準に基づいていることを確認します。測定器の校正結果が信頼性のある基準にトレース可能であることが重要です。これにより、校正結果が正確であることが保証されます。

3. サービス範囲

校正サービスの範囲を確認することも重要です。対象となる測定器の種類に対応できることを確認します。また、校正後のデータ提供や報告書作成なども含まれていることも重要です。

二軸押出機

二軸押出機とは

二軸押出機とは、シリンダー内で2本のスクリューを用いて樹脂などを溶融・混錬し、押し出す装置です。

 二軸押出機を用いて溶融した樹脂を押し出し、様々な形状で成形・冷却することでプラスチック製品を成型することができます。二軸押出機は単軸の押出機よりも混練性能が高く、二軸押出機を用いることで複数の樹脂や添加剤などをより均質に分散させることができます。二軸混練押出機と呼ばれる場合もあります。

二軸押出機の使用用途

二軸押出機は混練性能性能が特に優れていることから、押出成型の中でも難易度の高いポリマー加工 (流動性が低くて劣化しやすい樹脂素材など) などに使用されることが多いです。また、材料を着色したり、添加剤で改質したりするなど、複数の原料を配合・均一分散する用途に適しています。揮発分除去、化学反応などの処理操作にも使用されます。

主な用途はペレット造粒や、フィルム・シートの製造です。下記は具体的な使用例の一部です。

  • コンパウンドペレット (添加剤や顔料などを練り込んだ樹脂) などの造粒
  • 棒状の押出成形
  • EVAシート成形
  • 金型を使用する射出成型
  • 重合、解重合、化学的改質などのリアクタ
  • ABS湿粉など、ゴム関連の脱水乾燥

二軸押出機の原理

1. 二軸押出機の概要

押出機は、筒状のシリンダー (バレル) の中にスクリューが格納されている構造です。シリンダーは、周囲のヒーターによって熱せられており、機内に投入されたプラスチック原料が溶融します。二軸押出機は、スクリューが2本格納されています。このスクリューがモーターで回転することによって、樹脂がシリンダーのなかで溶融・混練させる仕組みです。シリンダーの回転によって樹脂材料は先端のダイス出口まで搬送され、押出によって成型されます。

2. 二軸押出機のスクリュー

スクリューには、二つの軸の回転が同じ方向の場合 (同方向) と、異なる場合 (異方向) があります。スクリューやバレル間の隙間を調整することで、剪断力や摩擦熱を調整したり、自己クリーニング性を高めたりすることが可能です。一般的に、スクリューの間の間隔が狭い方が剪断力や摩擦熱が上昇します。

二軸押出機のスクリューには、一般的に優れた耐摩耗性と耐腐食性を併せ持つ合金素材が使用されます。材質、形状、表面処理等は用途に合わせて設計されます。例えば腐食性の高い原料の生産にはステンレス鋼、コバルトやニッケル合金などです。ガラス繊維や金属粉によって摩耗が激しくなると予想される場合には、窒化処理などによる表面硬化処理や、合金工具鋼やハイス鋼など高硬度な材料が採用されます。

特に、二軸押出機の部材用に開発された特殊な合金素材を使用することにより、部品消耗が大きく改善し、部品の交換頻度を減少させることによってコストダウンを図ることが可能です。

3. 一軸押出機との違い

一軸押出機 (単軸押出機) と比較して、二軸押出機では、添加剤や充填剤 (炭素繊維、タルク、木粉など) などの異なる成分を均一に混練する操作に優れています。また、内部の材料流れが一軸押出機よりも複雑で、流れのパターンを数値シミュレーションで設計・計算することが難しいと言う特徴があります。

一般的に一軸押出機より二軸押出機の方が高価になります。

二軸押出機の種類

二軸押出機には様々な種類があります。例えば、スクリューだけでも、三条、二条、浅溝、深溝、超深溝と様々な形状の種類があり、用途に応じて使い分けることが可能です。スクリューの間隔も製品によって異なります。

動作機構による種類では、生産性を高めるために高トルクによる効果を取り入れた超高トルク型二軸押出機や、少量の材料開発に適している小型二軸混練などがあります。押出機内の複雑な流体挙動を解析する目的で、内部を可視化出来る押出機なども開発されています。

薪割り機

薪割り機とは

薪割り機とは、丸太を割る作業を効率的に行うために設計された機械です。

手作業で丸太を割るのに比べ、薪割り機は正確に丸太を割ることができ、作業も非常に簡単です。また、丸太割りのミスを減らすこともできます。

薪割り機の用途

薪割り機は、丸太から薪を製造するために使用されます。斧を使って手作業で丸太を割ることもできますが、薪割り機を使用することで、最小限の労力で効率的に丸太を割ることができます。

薪割り機の特徴

1. 薪割り機のメリット

薪割り機の最大のメリットは、短時間で大量の薪を生産できることです。斧を使った手作業での丸太割りは、時間がかかり肉体的にも負担がかかります。

薪割り機を導入することで、効率的に作業を行うことができます。

2. 薪割り機のデメリット

薪割り機のデメリットは、導入のコストがかかることです。薪割り機には様々な種類があり、価格も様々ですが購入費用がかかります。

また、電動式やエンジン式などの薪割り機は定期的なメンテナンスが必要な場合があり、購入時以外にも継続的なコストがかかります。

薪割り機の種類

薪割り機は大きく分けて、「手動式」、「電動式」、「エンジン式」の3つのタイプに分類できます。

1. 手動式

レバーを動かして丸太を刃に押し付けて割る手動式で、電源のない場所に最適です。また、電動式などに比べて音が静かなのも特徴です。

ただし、手作業のため、かなりの体力を必要とし、多量の丸太割りには、電動式やエンジン式を検討することをお勧めします

2. 電動薪割り機

電動薪割り機は短時間で大量の丸太を効率よく割るのに適しています。体力を必要としないので、さまざまな体力の人に適しています。

ただし、購入前に電源の仕様を確認することが重要です。

3. エンジン式薪割り機

エンジン式薪割り機は電源に依存しないため、場所の制約を受けずに使用できる。馬力も強く、素早く丸太を割ることができる。

しかし、重量が重く、移動や操作が困難な場合があります。特に据え置きで使用する場合に便利です。

薪割り機の選び方

薪割り機を選ぶ際には、「分割力」、「作業速度」、「分割方法 」などの要素を考慮することが不可欠です。

1. 分割力

丸太割り機を選ぶ際には、まず「割る力」を見極めることから始めましょう。直径30cm程度までの丸太であれば、6.5t程度の力で十分です。直径が30cmを超えるような大きな丸太の場合は、さらに大きな力を持つスプリッターを検討してください。

さらに、木材の硬さは種類や乾燥度によって異なるので、これらの要素も考慮してください。

2. 作業スピード

力だけでなく、作業スピードも重要です。それぞれの薪割り機には「サイクルタイム」と呼ばれる仕様があり、これは丸太を割るスピードを表しています。サイクルタイムが短いほど、効率よく丸太を割ることができます。

しかし、サイクルタイムが短いと、割る力が弱くなることがあるので、必要な力とサイクルタイムのバランスを取ることが重要です。

2. 作業スピード

力だけでなく、作業スピードも重要です。それぞれの薪割り機には「サイクルタイム」と呼ばれる仕様があり、これは丸太を割るスピードを表しています。サイクルタイムが短いほど、効率よく丸太を割ることができます。

しかし、サイクルタイムが短いと、割る力が弱くなることがあるので、必要な力とサイクルタイムのバランスを取ることが重要です。

3. 分割方法

薪割り機には通常、「縦割り」、「横割り」、または「縦割りと横割りを組み合わせた」方法があります。縦割りの場合、丸太を持ち上げずに割ることができ、肉体的負担が軽減されます。

一方、横割り機は丸太を持ち上げて置く必要がある。複合型は両方の機能を持つが、両方の機能を含むため重くなる傾向があります。

樹脂パーツ

監修:株式会社国盛化学

樹脂パーツとは

樹脂パーツとは、狭義では自動車に用いられる樹脂製の部品を指しますが、広義では樹脂で作られた部品類一般を指します。

自動車で使用される樹脂パーツにはエアロパーツやバンパーなどの外装パーツや内装材があります。用いられる具体的な素材は、PP樹脂、ABS樹脂やAES樹脂などの熱可塑性樹脂や、ガラス繊維強化プラスチック (GFRP) 、炭素繊維強化プラスチック (CFRP) などです。可塑性や素材の安価さなどから、自動車の樹脂パーツ以外にも様々な用途・分野で樹脂製の部品は使用されています。

樹脂パーツの使用用途

自動車に用いられる樹脂パーツには、

  • ワイパーの根本部分
  • ワイパーやフロントガラスの周辺部
  • タイヤハウスの周辺部
  • ドアミラー
  • バンパー
  • ルーフレール
  • スポイラー
  • 内装材
  • エンジンルームにおけるパワートレーン、エンジン、電子部品 (排ガス処理バルブ、キャブレータ、マニホールド
    、ECUケーブル、ランプソケットなど)

などの部品があります。これらの樹脂パーツは、車体の軽量化に貢献しています。

自動車以外では、樹脂パーツは各種機械部品、家電部品、電子部品、光学部品や、建築資材などの資材一般などに使用されています。樹脂の可塑性・加工しやすさや、素材の安価さが生かされる分野での使用が多い素材です。

樹脂パーツの原理

1. 加工性

樹脂パーツの原料素材であるプラスチックには、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂があります。熱可塑性樹脂は加熱によって柔らかくなる性質を持ち、熱を加えれば何度でも成形加工可能です。一方、熱硬化性樹脂は最初の段階では加熱すると柔らかくなりますが、更に加熱すると硬くなります。そのため、熱硬化性樹脂は繰り返しの成形加工はできません。

2. 加工方法

樹脂パーツの製造・加工方法には、主に、成形加工・切削加工・3Dプリンターなどの方法があります。

成形加工とは、加熱によって溶融した樹脂を金型などに注入し、冷却や圧縮により固めて成形する方法です。

切削加工では、固めた樹脂を機械などで削って加工を行います。特に特殊な加工が必要な場合や何度も試作が必要な場合などに用いられる方法です。

3Dプリンタは、パソコンで作成した立体データをプリントする装置です。成形方法は複数有り、溶かした樹脂を吐出しながら積層したり、樹脂溶液をレーザーなどで硬化させたりする方法などがります。

3. 特性

プラスチックには、下記のような特性があります。樹脂パーツは、主にこうした特性を生かした用途で使用される素材です。特に軽量である特性を活かして、製品の軽量化を目的として採用される場合が多いです。

  • 軽量
  • 加工しやすく (可塑性) 、加工の方法も多い
  • 電気絶縁性に優れている
  • 腐食しにくい
  • 断熱性が高い

樹脂パーツの種類

1. 自動車部品

自動車に用いられる樹脂パーツには「樹脂パーツの使用用途」で挙げた各種外装材・内装材・エンジンルーム内のパーツなどがあります。

使用される樹脂素材の種類は、PP樹脂、PPS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、炭素繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチックなどです。熱可塑性プラスチックは加工が容易で熱による修復が可能であるという利点があり、強化プラスチックは強度と剛性に優れ、耐久性が高いという利点があります。

2. 自動車以外

自動車以外にも樹脂パーツは各種産業用途で部品として製造されています。ケーブル・ホースを保護するためのケーブルチェーンと呼ばれる部品や、各種パーテーション、コンテナなどの梱包資材やその部品などが挙げられます。樹脂成形されたケーブルチェーンは、複合連続一体成形品を採用することで滑らかで複雑な三次元方向の動きに対応する部品です。多関節ロボットや協働ロボットなど、ロボット配線に適しています。

家電部品では、電子レンジの部品、電磁調理器のコイルベース、ヘアドライヤーのノズルなどに活用されている部品素材です。電気・電子部品では、マイクロスイッチやコンデンサー、フォトインターラプターCDドライブやDVDドライブの光ピックアップベース、プリント基板、IC部品などにも樹脂パーツが使用されています。

本記事はワイヤーハーネス加工を行う株式会社国盛化学様に監修を頂きました。

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Guaiacol

What Is Guaiacol?

Grayacol, also called “guaiacol” or “o-methoxyphenol,” is a type of phenol.

It is a colorless to pale yellow liquid or colorless crystalline solid with a characteristic odor. It is somewhat insoluble in water and miscible in methanol and ethanol.

Grayacol is a natural flavor compound produced in wines aged in oak barrels. Together with 2,4,6-trichloroanisole, grayacol is considered a possible cause of cork rot in wine.

Uses of Guaiacol

Grayacol is the main component of creosote. Creosote is produced by distilling wood tar obtained from beech plants and other plants.

Because of its bactericidal and antiseptic properties, creosote is used as an internal medicine for various types of diarrhea, abnormal fermentation in the intestines, and food poisoning. It is also used as a remedy for chronic bronchitis because of its expectorant and antitussive effects.

It is also used as a synthetic raw material for fragrances due to its distinctive aromatic odor. It is used as a regulator of vanillin, the raw material for the aroma of vanilla.

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Winch Rope

What Is a Winch Rope?

A winch rope is a specialized rope used with a winch, a machine designed for lifting, lowering, pulling, and dragging heavy loads. Winch ropes, made from either synthetic fibers or metal, provide the necessary strength and flexibility to withstand harsh outdoor conditions and rigorous tasks.

Applications of Winch Ropes

Winches are employed in various applications including:

  • Lifting loads
  • Removing scaffolding components
  • Elevating vehicles and machinery
  • Pulling heavy objects during installation
  • Extracting felled trees

Winches come in different types based on their power source: manual, electric, engine-driven, and hydraulic. Winch ropes are essential components used alongside these winches.

Winch ropes are not only used in industrial settings but also in numerous outdoor scenarios. They are utilized for vehicle recovery in off-road driving, mooring boats in marine environments, and pulling in emergency and rescue operations.

Principles of Winch Ropes

Winch ropes, made from synthetic fibers or metal, possess the following superior qualities:

  • Strength
  • Durability
  • Weather resistance
  • Abrasion resistance
  • Heat resistance
  • Corrosion resistance
  • Rust resistance

Metal Winch Ropes

Metal winch ropes are typically made from steel or stainless steel. They are heavy, durable, and resistant to wear, performing exceptionally well in high-temperature environments. Stainless steel winch ropes, in particular, offer excellent corrosion, rust, heat, and abrasion resistance, with an attractive finish. They are known to last up to ten times longer in marine environments compared to traditional wire ropes.

Synthetic Fiber Winch Ropes

Synthetic fibers, such as common nylon and ultra-high molecular weight polyethylene (UHMW-PE), are used in manufacturing winch ropes. These ropes are lightweight, easy to handle, and flexible. They float on water, resist damage from UV rays, and do not store much kinetic energy, reducing the risk if they snap. They have minimal stretch and low water absorption.

Selecting Winch Ropes

When choosing the optimal winch rope, consider factors such as required load capacity, exposure to environmental conditions, and specific requirements for compatibility with the winch drum. Important characteristics to evaluate include breaking strength and resistance to UV rays and moisture.

For example, synthetic fiber ropes are suitable for wet and corrosive environments due to their resistance to water and chemicals. They also perform well outdoors due to their UV resistance. Conversely, steel and stainless steel cables are ideal for high-temperature environments or where sharp objects may pose a risk, thanks to their heat and abrasion resistance.

Types of Winch Ropes

Besides standard winch ropes, there are specialized types available. These ropes typically range from 5mm to 15mm in diameter.

Pre-Stretched Winch Ropes

Pre-stretched winch ropes undergo special processing to reduce stretch compared to regular ropes. They are ideal for applications where maintaining consistent rope length is crucial for precise lifting or pulling operations. Available in both steel and synthetic fibers, UHMW-PE versions offer around 10% improved breaking strength over conventional ropes.

Braided Winch Ropes

Braided winch ropes feature exceptional flexibility and tangle resistance. Typically made from synthetic fibers, these ropes offer superior strength and lightweight properties. Their braided construction enhances durability and resistance to abrasion and UV damage. These ropes float on water, do not twist, and provide high performance in a wide range of lifting and pulling tasks.