レベラー

レベラーとは

レベラーとは、金属板やシートなどの素材を平らにするための加工機です。

金属板やシートは製造過程で曲がったり歪んだりすることがありますが、レベラーは素材を均一な平坦な状態に整える役割を果たします。これにより、後段の加工や組み立て工程での品質向上や正確な加工が可能です。プレス機の前工程に設置されることが多いです。

外観としては、複数のローラーが並んだ形状の製品が多いです。ゆがんだ材料を手作業で平坦化するよりも高速かつ効率的に作業が行えるため、生産性の向上やコスト削減につながります。ローラー幅を調整できる場合が多く、様々な形状や厚みの素材を処理することが可能です。

レベラーの使用用途

レベラーは大量加工に有利であり、様々な産業で使用されます。以下はその一例です。

1. 自動車

自動車の外装パネルや車体部品は平坦な板状またはシート状素材から製造されることが多いです。レベラーを使用することでこれらの素材を平らに整え、パネルの品質や精度を向上させます。また、フレームやシャーシ部品の製造にも使用されることがあります。

2. 建築物

屋根材や外装パネルなどの建材は美観と耐久性が求められます。レベラーはこれらの材料について平坦性を向上させ、建物の品質向上に貢献する機械です。また、建築の構造材製造においても、レベラーによって厚みや平坦性などの精度を高めて建築物の安定性や強度を向上させます。

3. 家電製品

家電製品の筐体やパネルは、外観だけでなく機能性も重要です。レベラーは金属素材の平坦化を行い、筐体の外観や組み立ての正確性を向上させます。これにより、安価な家電製品を量産することが可能です。

4. その他金属加工全般

上記のみではなく、量産される金属製品にはレベラーが使用されることも多いです。鉱業においては、銅などの板を平坦化するためにレベラーが使用されます。また、航空機においてはフレームのアルミニウム加工に使用される場合があります。

レベラーの原理

レベラーは金属板やシートなどの素材にかかる歪みや曲がりを取り除くための機械です。一般的なレベラーは素材を通過させる際に、複数のロールが上下に配置されています。これらのロールは素材を受け取り、特定の方向に引っ張ることで素材を伸ばして歪みを取り除きます。

材料の供給にはローラーコンベアやフィードローラーが使用されます。これらが素材を受け取り、後続のロールに送ります。ローラーをモーターなどを使用して回転させることで、材料を送り出す仕組みです。

その後、材料を平坦化するために複数のロールに板材が送り出されます。これらのロールはレベリングロールなどと呼ばます。上下に複数のレベリングロールが配置されていることが多いです。

厚みや形状を精密に加工したい場合、操作やパラメータの制御を行うための電子制御システムが内蔵されます。これにより、送り出し速度やローラー間隙などを微調整することが可能です。電子制御システムによって、加工の精度や効率を向上させることができます。

レベラーの選び方

レベラーを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 対応材質

レベラーは対応する材質によってその性能や機能が異なります。一般的には鋼材やアルミニウムなどの金属素材に対応したレベラーが多いです。必要な素材に対応する適切なレベラーを選択することが重要です。

2. 対応幅・対応厚み

レベラーは加工可能な素材の幅や厚みに制限があります。必要な加工対象の幅や厚みに合わせて、適切なレベラーを選択する必要があります。また、幅や厚みの調整が可能なレベラーを選ぶことで、柔軟性が向上します。

3. 送り出し速度

レベラーの送り出し速度は、加工効率や生産性に影響を与えます。必要な生産量に合わせて、適切な送り出し速度を持つレベラーを選択することが重要です。一般的には、高速で安定した送り出し速度を有するレベラーが高価な傾向にあります。

4. 精度

レベラーの精度は加工される素材の品質や仕上がりに直接影響を与えます。加工精度や均一性が重要な場合には、高精度な制御システムを備えたレベラーを選ぶ必要があります。