ユニバーサル基板

ユニバーサル基板とは

ユニバーサル基板

ユニバーサル基板は、プリント基板とは対照的に決まった配線パターンを持たない基板のことで、万能基板・蛇の目基板・ディスクリート基板などとも呼ばれています。

ユニバーサル基板は基板上の穴に部品を差し込むことで実装できます。その際に、はんだ付けが必要なものと、はんだ付けが不要で繰り返し使えるブレッドボードと呼ばれるものがあります。基板上の穴に電子部品を取り付け、はんだ付けをすることで簡単に配線ができます。

ユニバーサル基板の使用用途

ユニバーサル基板は、自由に部品の設置や配線を行うことができるので使い方次第でいろいろなものに利用できます。電子部品を取り付ける部位や配線が予め決まっているプリント基板と違って、自分の好きな位置に部品を取り付けられるという自由度の高さから、個人の電子工作などによく使われています。市販の電子工作キットなどにも同梱されています。

また、利用できるプリント基板など、既製のものがない場合、使用者が自ら設計する必要がありますが、そのような場合、ユニバーサル基板を用いて自由に設計できます。

ユニバーサル基板の原理

はんだ付けが必要なものと不要なもの(ブレッドボード)とで、ユニバーサル基板は2つに大別されます。前者は、基板上の部品を取り付ける穴に銅箔が貼られており、これをランドと呼びます。このランドにはんだ付けで部品を取り付け、別の部品のランドとの間をリード線などで接続します。

ランドには片面だけ銅箔が貼られたものと両面に貼られたものがあります。両面のものはスルーホール加工がなされているものもあり、これを用いれば両面が導通しているため、さらに自由度の高い設計が可能です。

後者のブレッドボードは二層構造になっており、部品を差し込むための穴が空いた層と、配線を挟み込むための金属レールが配置された層に分かれています。配線は金属レールの配置に依存するため、はんだ付けが必要なものに比べると自由度は劣りますが、部品の抜き差しだけで簡単に実装できます。その上、はんだ付けが必要ないので、基板を何度でも再利用できます。

ユニバーサル基板のその他情報

1. 配線の方法

ユニバーサル基板の配線の方法は基本的に自由ですが、間違いを防ぐために、大まかには回路図の部品の配置通りに部品をユニバーサル基板に配置していきます(ユニバーサル基板は用途に合ったものを選定してください)。

2. 部品の設置方法

例えば、OPアンプを用いた単電源回路をユニバーサル基板で実現するときは左側から順に、入力ポイント→入力カップリングコンデンサー→入力バイアス回路→OPアンプを用いた反転増幅回路→出力カップリングコンデンサー→出力レベル調整回路→出力ポイントと配置します。

また、基板上部横1列を電源ライン、下部横1列をGNDラインとします。このように見た目で分かりやすい配置にすることで、回路のデバッグや修正時に確認したい箇所を容易に見つけられるようになります。

3. 部品の接続方法

回路を接続する配線は部品のリード線(部品の脚)、錫メッキ線、耐熱被覆線などを使用します。はんだ付けは、はんだが十分に溶着するように部品のリードとランドをしっかり予熱します。隣り合うランドにはんだが乗らないように注意し、はんだの拡がりが悪い場合はフラックスを使用します。

部品のリード線や錫メッキ線を利用して部品同士を配線します。部品のリード線と錫メッキ線は導通があるため、不必要な箇所で接触しないよう部品の配置や配線の取り回しを十分に考えて配線します。配線同士が交差する取り回しにする場合は耐熱被覆線を使用し、電気的接触を防ぎます。

4. 部品の扱い方

リード部品をユニバーサル基板に取り付けるときは、部品のリードが必要以上に曲がらないよう、1穴以上の余裕を持たせて取り付けます。ICなど、端子の数が多い部品は端子が折れ曲がることがないよう注意して取り扱います。トランジスタなどパッケージに型番などが記載されている部品は、部品名が確認できる向きに配置します。配線を間違えた場合ははんだ吸い取り機ではんだを吸い取り、部品を取り外して修正します。

5. ユニバーサル基板のカット

ユニバーサル基板の大きさはメーカごとに決まっているため、ユーザーが望む大きさにはなっていません。しかし、簡単にカットすることができます。

  1. 大きさを決めて、裏面(はんだ面)にマークする
  2. ゴムマットなどの上に、裏面を上にして動かないように置く
  3. マークに定規を当て、カッターで基板の1/3程度まで切り込む
  4. 切り込んだところをペンチなどで挟んで、折るように切断する。
  5. 切断面のバリ、穴の列がなくなるまでやすりまたはサンドペーパーで仕上げる

※裏面を切り込むのは、ランドパターンを確実に切り込むことで誤って導通させないためです。なお、はんだ付けし終わった基板の切断は回路の損傷、ケガなどが考えられるため、おすすめできません。

参考文献
http://www.proxi.co.jp/technolo/tips_on_use.htm
https://sankode.com/pcb/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AB%E5%9F%BA%E6%9D%BF/
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/177.html

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