ベベルボックスとは
ベベルボックスとはモーター用の減速機の一種です。ベベルギアボックスとも呼ばれます。産業用の機械など、動力電源を必要とするような大型の機械設備で使用されることが主であり、モーターから伝わってくる回転軸の方向を上下や左右に90℃入れ替えることが出来ます。
種類によってはシャフトが2股~4股に分かれているものもあります。組み合わせ方によって駆動トルクをあらゆる方向へ伝達させることが出来ます。内蔵されているギアによって、モーターの回転トルクを減速させることも可能です。
ベベルボックスの使用用途
産業用機械やトラクターなど、大型の機械に用いられます。駆動源となる動力モーターの軸に取り付けられ、モーターから伝わってくる駆動トルクの回転方向を90℃変えることが出来ます。
ベベルボックス内部に取り付けられているギアは種類によってギア比が異なり、そのままの速度で使用することも出来ますし、モーターのトルクより減速させることも出来ます。減速せずに単に回転方向を変えたいだけの場合、ギア比が1:1となっているものを選ぶとよいでしょう。
ベベルボックスの原理
ベベルギアボックスは本体ケースとシャフト、オイルシール、ベアリング、スパイラルベベルギアというかさ歯車によって構成されています。ベアリングがシャフトの回転を補助し、内部に封入されたグリスがスパイラルベベルギア同士の接触を円滑にし、オイルシールがグリス漏れを防ぎます。
スパイラルベベルギアのギア比は1:1、1:2の物などがあり、用途に合ったギア比のものを選定することによって、減速させることも、そのままの速度で使用することも可能です。
モーターに取り付ける際は、複数あるシャフトのうち、どれがどの回転方向になるのかよく確認したうえで取り付けなければいけません。
種類によってはシャフトが2股~4股に分かれますが、いずれの場合も内部の構造は大きく変わりません。ただ、シャフトの本数とスパイラルベベルギアの数は増減します。
軸の配置やギアの減速比などもベベルボックスのタイプによって異なるため、本数が増えるたびにそれぞれの回転方向や減速の有無などをきちんと把握しなければなりません。例えばの話ですが、「1軸と2軸は回転方向が一緒で3軸と4軸は逆回転になっており、そのうえ3軸だけが駆動源より減速されている」といったように構造が複雑になりがちです。
ベベルボックスを選定する際は、設置する箇所や目的に応じてタイプを間違わないようにしましょう。
参考文献
https://www.makishinko.co.jp/pdf-manual/F54-F61_Bevel-TB.pdf
https://www.makishinko.co.jp/page/products_bgb.html