医療廃棄物容器

医療廃棄物容器とは

医療廃棄物容器

医療廃棄物容器とは、主に病院や診療所の医療関係機関等における医療行為によって発生した廃棄物を保管・運搬した後、処理するための容器です。

医療行為後の廃棄物は、一般の産業廃棄物とは区別され、特定の容器に収容しておく必要があります。これは血液や体液等が付着している場合があり、感染の恐れがある病原体やウィルスが含まれている可能性があるためです。

このような医療関係機関等で発生した廃棄物を感染性廃棄物と呼びます。感染性廃棄物は自らが処理するか、認可を受けた専門業者によって回収及び処理される必要があります。

専門業者による回収は随時行われるわけではなく、一般的には月に一度という低い頻度のため、回収日まで感染性廃棄物を安全に保管しておかなければいけません。

医療廃棄物容器の使用用途

医療廃棄物容器は、医療関係機関等で発生する感染性廃棄物の保管・運搬を目的に使用されています。また、大学や研究所で排出される実験系廃棄物の一部も感染性廃棄物として扱われる場合があります。

特定の実験では、シリンジやニトリルグローブ (俗に言うゴム手袋) 等の医療行為を想像させるような器具を使用せざるを得ません。そのため、廃棄の際にこれらを知らない人が見ると、医療行為に使用された危険なものであると誤解される恐れがあります。

こうした誤解を防ぐために一部の大学や研究所では、医療行為を想像させる器具を廃棄する際には感性性廃棄物とみなして医療廃棄物容器に収容し、医療廃棄物として処理するように配慮しています。

医療廃棄物容器の特徴

医療廃棄物容器は、収納する廃棄物によって様々なタイプがあり、プラスチック製容器とダンボール製容器が主流です。プラスチック製容器は密閉用の蓋が付属しているため、血液等の付着の度合いが高く、匂いの蔓延や空気感染の恐れがある廃棄物の収納に対応可能です。

また、針付き注射器や点滴針等の鋭利物が容器を突き破らないように、ある程度の強度が担保されています。ダンボール製容器は血液等の付着が少なく、感染の恐れが比較的低い廃棄物を収納します。

内容物の漏出を防ぐためにビニール袋と併用して、内容器としてビニール袋、外容器としてダンボールを使用する容器です。

医療廃棄物容器の種類

医療廃棄物容器には、感染性廃棄物が収納されていることがひと目で分かるように、バイオハザードマークが記されています。バイオハザードマークは、赤色、黄色、オレンジ色の3種類に色分けされています。

  • 赤色
    血液や体液等の液体物
  • オレンジ色
    血液や体液等が付着した固形物
  • 黄色
    注射針やメス等の鋭利物、分別排出が困難な廃棄物

そのため、プラスチック製の医療廃棄物容器には赤色または黄色、ダンボール製の医療廃棄物容器にはオレンジ色のバイオハザードマークが表示されています。

医療廃棄物容器の選び方

医療廃棄物容器は、プラスチック製容器やダンボール製容器のような素材以外にも、容量によって適切な容器を選ぶことができます。鋭利物専用の容器や注射針の廃棄に特化した容器もあり、感染性廃棄物の種類に応じた容器の選択も可能です。

また、医療廃棄物容器の使用場面によって、付加機能が付属した容器を使い分けることもできます。容器を固定した場所において使用するタイプが一般的ですが、移動式キャスターを併用できるタイプ、足で踏むペダル式で直接蓋に触れずとも開閉が可能なタイプ、プラスチック製容器で内蓋と外蓋の二重密閉になっているタイプなど、種類は様々です。

感染性廃棄物の処理は、できるだけその廃棄物を移動させずに医療廃棄物容器に収納することがふさわしいため、使用場面に応じて医療廃棄物容器を使い分けるのも、感染性廃棄物の安全な処理につながります。

参考文献
https://www.bdj.co.jp/safety/articles/ignazzo/hkdqj200000vgpa6.html

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