光センサー

光センサーとは

光センサー

光センサーは、受光素子とも呼ばれ、半導体素子でもあります。様々な光の性質を電気信号に変換して検出する補器のひとつで機械を構成する付属機器です。光を感知する方法として光センシングという技術が使われています。そして、あらゆる状況に対応するために様々な種類の光センサーが存在しています。光の対象が規定値内に入っているかを検出してONであれば合格、OFFであれば不合格とし、通知を行う種類や単一光子を検出できるような高感度なセンサーまで幅広く開発されています。

自動ドアの人感センサーにも光センサーは使われています。センサーの応答が早いため、余計なタイムラグが発生しません。また、光の検出で動作するため、人や物が接触する必要がなく、検出する対象物の汚染にも繋がりません。よって、安心して使用することが出来ます。以上のことから産業用や民生用でも光センサーが使用されています。

光には、目に見える「可視光線」や目に見えない「紫外線」「赤外線」などがあります。したがって、光センサーを選択する際は、波長に応じたセンサーを選ぶ必要があります。

光センサーにはフォトダイオードなどの半導体を使用したタイプと光電子倍増管を使用したタイプがあります。

光センサーの使用用途

近年、日常生活の中で機器の自動化が進んでおり、光センサーの用途が広がっています。代表的なものにはテレビやオーディオのリモコンがあり、これらのリモコンは、赤外線に反応して動くので赤外線用の光センサーが使われています。また、カメラのオートフォーカスやイメージセンサにも使われています。その他にも光センサーは、洗面台の水道でも使用されており、人の手を感知することで自動でスイッチがオンオフされるようになっています。

一歩家を出てみれば私たちの生活の至る所で光センサーが使われています。

現金自動預け払い機(ATM)では「カード検知」「紙幣検知」「内部機構検知」で光センサーが使われています。券売機では「硬貨検知」「切符検知」「紙幣検知」で使用されています。化粧室に入ると人感センサーにより照明が点灯したり、人のいないときには照明を消して省エネに貢献しています。

果物類の糖度検査にも光センサーが使われており、果実を傷つけず糖度が測定できるので需要が増えています。果汁の中に溶けている糖分や酸の成分が多いほど光の屈折率が大きくなるという原理を応用して糖度を測定することもできます。

また、天文学への応用もされており、古くは写真乾板に天体画像を記録していたが、1990年代に入ってから電荷結合素子(CCD)が採用されるようにないました。

光センサーの技術

近年では光センサーの技術は、目覚ましい進歩を遂げています。産業用分野では物を壊すことなく対象物の状況を調べることができる検査法に非破壊検査があります。この検査方法では対象物に放射線や超音波を当てることで傷や損傷度を対象物を壊すことなく調べることが出来ます。光センサーにもこのような検査方法に似た仕組みで近赤外分光法と呼ばれる方法が採用されています。近赤外分光法は、近赤外分光センサーで使われており、観測する対象物に影響を与えない仕組みになっています。赤外線は「近赤外線」「中赤外線」「遠赤外線」に分類されており、そのなかでも近赤外分光センサーでは近赤外線を取り扱っています。

近赤外分光センサーは、無機物から有機物まで広範囲の観測をすることが出来ます。例えば、機械学習分野と連携して無機物ではコンクリートが劣化しているかの確認に使用されたり、有機物では人や魚の体内脂肪量を観測したりすることに使用されています。

このようにひとつの分野だけでなく更なる技術を取り込むことで光センサーの技術は、今でも進化を遂げています。

光センサーの原理

光センサーの検出方式は多くあります。その中で主なものは透過型と回帰反射型です。透過型では、光を発する投光器と受光器が必要で、その間で遮るものがあると反応します。回帰反射型では、投光器と受光器が一体になっていて、投光部から出た光が反射板で跳ね返る光の遮りを検出します。

また、原理としては内部光電効果を利用したセンサーと、外部光電効果を利用したセンサーがあります。

内部光電効果

フォトダイオードに代表される半導体を利用しており、光起電力効果もしくは光伝導効果を利用しています。シリコンのセルでは可視光域、ゲルマニウムのセルでは紫外~赤外の波長に対応しています。カメラによく利用されるCCDは可視光域です。

外部光電効果

光が照射されると陰極から電子が飛び出し陽極に集めて増幅し、検出します。光電子増倍管を利用しているセンサーは、真空紫外域から1700㎛までの広い領域が検出できます。光電管によるセンサーも紫外光~可視光まで検出できます。

光センサー製品の特徴

光センサー製品は、検知対象に合わせた設計をして光路に特徴を持つ下記のようなタイプがあります。

1. 透過型フォトセンサー

発光素子が発する光をある一定の間隔を持たせ受光素子に当たるように双方の素子が向き合うコの字型構造をしています。発光素子の光が遮蔽物により変化する受光素子の出力で計測します。

2. 分離型フォトセンサー

発光素子と受光素子が分離したパッケージになり、長いセンサ間で距離を実現することで、任意の設定ができます。

3. 反射型フォトセンサー

発受光素子を同じ方向に並べたり、ある角度で取り付けます。発光素子からの光をある検知物に当て、そこから反射した光を受光素子で計測します。

4. プリズムフォトセンサー

発光素子と受光素子を同じ方向に並べて取り付けた光センサーで、発光素子と受光素子の間にプリズムを通して計測します。

5. アクチュエータフォトセンサー

透過型フォトセンサーに回転動作をするアクチュエータ(レバー)を組み合わせることで、レバーで遮断して機械的に判別を行います。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/sensor/sensorbasics/pe_type.jsp
https://www.klv.co.jp/iot/iot-optical-sensor.html
http://sensait.jp/1380/
http://sensait.jp/1411/

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