アジャスタブルリーマとは
アジャスタブルリーマとは、高い精度で穴を仕上げるための切削工具のことです。
刃径寸法を調節できる点が特徴で、本来ドリルで開けた下穴を、決められた寸法や形に仕上げる目的で用いられます。アジャスタブルリーマは、単位が本で数えられ、シャンク径と調整範囲がサイズによって細かく設定されています。
小さなものの中には刃数が少ないものも含まれており、内径の微妙な調整が容易にできるため、パイプやシートチューブなどの穴加工には欠かせない工具です。使用する際は、場所やサイズを測定した上で、用途に応じたアジャスタブルリーマを選択することが重要です。
適切なリーマを使うことで、精度の高い穴加工が可能となり、作業効率も向上します。
アジャスタブルリーマの使用用途
アジャスタブルリーマの主な使用用途は、金属製品の加工です。特にバイクや自動車、その他の大型金属製品などの精密な穴加工に重宝されています。アジャスタブルリーマは、高い精度で穴の内径を調整できるため、金属製品の製造や修理において欠かせない存在となっています。
また、アジャスタブルリーマはさまざまな修理作業でも使用され、例えば、金属部品の摩耗や損傷があった場合、アジャスタブルリーマを使用して正確な寸法に穴を仕上げることが可能です。そのため、アジャスタブルリーマは非常に汎用性が高く、多くの場面で役立つ道具と言えます。
機械加工や修理業者だけでなく、一般のDIY愛好家にもおすすめの工具です。適切な使用方法と用途を把握すれば、高い精度の穴加工が可能になり、作業効率も向上します。
アジャスタブルリーマの原理
アジャスタブルリーマは、替刃式のリーマであり、刃径寸法や歯形寸法を素早く調整できる点が特徴です。そのため、1本のリーマでソリッドリーマの数十本分の機能を果たすことができます。
使用時は必ず右回転で利用し、ブレード交換時には切り屑やゴミが溝に入らないよう注意が必要です。また、ナットをしっかり締め付け、リーマ取りしろを通常Φ0.05ミリからΦ0.15ミリの間で調整します。
アジャスタブルリーマの精度を維持するために、ブレードが欠損や激しい磨耗が確認された場合、全てのブレードを新しいものに交換することが重要です。切刃は直線刃が一般的ですが、キー溝や油溝がある場合や深い穴の加工では、ねじれ刃が適しています。
アジャスタブルリーマを利用する前に、加工対象の硬さや材質、リーマ作動時の振動に対する対応状況などを把握することが大切です。特定の材質に対しては、アジャスタブルリーマが起こす振動だけで影響を受けることがあるため、ハイパワーでの掘削作業は控えた方が無難です。
アジャスタブルリーマの種類
アジャスタブルリーマは、主にストレートフルートリーマ、スパイラルフルートリーマ、シェルリーマの3種類が存在します。
1. ストレートフルートリーマ
ストレートフルートリーマは、切刃が直線状に配置されたタイプのアジャスタブルリーマです。一般的な金属材料やプラスチックの穴加工に適しており、安定した切削が可能です。しかし、排屑性がやや劣るため、深い穴の加工には不向きです。
2. スパイラルフルートリーマ
スパイラルフルートリーマは、切刃がねじれ状に配置されているタイプです。切り屑の排出がスムーズに行われるため、深い穴の加工や、キー溝や油溝がある場合の穴加工に適しています。また、切削音が小さく、振動が少ないため、精密な加工が求められる場合にも有効です。
3. シェルリーマ
シェルリーマは、円筒形の本体に切刃が設けられたタイプで、大径の穴加工に特化しています。刃の部分が取り外し可能なため、研磨や交換が容易に行うことができます。また、加工抵抗が低く、高速での穴加工が可能ですが、精度はストレートフルートリーマやスパイラルフルートリーマに劣る場合があります。
参考文献
https://www.monotaro.com/
http://www.tukaikata-labo.com/content/3685