電力モニタとは
電力モニタとは、電力の消費量や使用パターンを監視するための装置です。
電力メーターや電気配線に接続され、電力の使用状況をリアルタイムに測定します。データを分析して使用量や消費の傾向を把握することができます。省エネ意識の向上やコスト削減、エネルギー管理の効率化などを目的に使用されることが多いです。
電力モニタの使用用途
電力モニタは、電力の消費量を測定することを目的として用いられます。特に改正省エネ法が施行されて以来、エネルギー消費量が原油換算で1500kl以上の企業は消費量の報告が義務付けられています。以下はその用途一例です。
1. 工場
工場では機械や生産ラインなど多くの電力を消費します。電力モニターを使用することで、どの機器がどれだけの電力を使用しているかを把握し、効率的な生産プロセスを確立することが可能です。不要な停止時間や無駄なエネルギーの消費を減らし、生産効率を向上させます。
また、機器の異常な電力消費を検出することも可能です。異常な消費量がある場合、機器の故障またはメンテナンスが必要である可能性があります。早期に問題を検出し、メンテナンスを行うことで、エネルギーロスを最小限に抑えることができます。
2. 商業施設
商業施設では照明や空調などの様々な設備があります。電力モニターを使用してこれらの消費量を監視し、無駄な消費を削減することで、電気料金の削減やコスト効率の向上を図ることが可能です。
また、商業施設では特定の時間帯に電力需要が急増するピーク時があります。電力モニターを使用してピーク時の電力負荷を管理し、需要ピークを緩和することで電力供給の安定性を確保します。
3. 電気事業
電力事業者は需要と供給をバランスさせながら電力を供給する必要があります。電力モニターを使用して顧客の電力需要を監視し、需要の変動に迅速に対応することが可能です。これにより、電力供給を最適化し、サービスの品質を向上させることが可能です。
電力モニタの原理
電力モニターは電力供給ラインに接続されたセンサーを使用して電流と電圧を計測します。電流センサーは電力供給ラインに直接クランプされ、電流を非接触で計測する場合が多いです。一方、電圧センサーは電力供給ラインに接続され、電圧を直接計測します。
電流と電圧のデータを取得した後、電力モニターはこれらのデータを使用して電力を計算する仕組みです。一般的に電力 (W) は電流 (A) と電圧 (V) の積として計算されます。測定したデータを掛け合わせて電力データを求めます。
計算された電力データを処理し、電力の消費量や使用パターンなどの情報を生成します。データ表示装置を通じてこれらをユーザーに表示することが可能です。一部の電力モニターには通信機能が備わっており、データにリアルタイムでアクセスしたり、遠隔地からデータを収集したりすることができます。
電力モニタの選び方
電力モニタを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。
1. 機能
電力モニタが必要な機能を有するかを確認します。一例として、リアルタイムで電力の使用量や使用パターンを表示する機能です。ディスプレイに情報が表示されるため、常に電力の使用状況を把握できます。
また、電力使用量の分析を行い、節電のためのアドバイスや提案を行う機能もあります。ピーク時の電力消費を抑える方法や、節電効果のある機器の選定などを実施する場合が多いです。
2. 精度
電力モニターの精度は、正確な電力計測において非常に重要です。一般的に精度が高いほど、より正確な電力計測が可能です。電流および電圧の計測精度として表され、パーセンテージで示されます。
3. データ表示・操作性
電力モニターが電力使用量や使用パターンなどの情報を表示する画面も重要です。データがわかりやすく表示されることを確認する必要があり、大きなディスプレイや視認性の高い表示が好まれます。また、操作ボタンやタッチスクリーンが使いやすいか、メニューがわかりやすいかなども確認します。
4. 通信機能
電力モニターがインターネットや無線通信を介してデータを送信したり、リモートでアクセスしたりする機能を有するかを確認します。スマートホームシステムやモバイルアプリと連携し、データの管理や制御が可能な製品も多いです。これにより、より効果的なエネルギー管理が行えます。
参考文献
https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/components/power-monitors/
https://www.fa.omron.co.jp/products/family/2646/
https://www2.panasonic.biz/ls/densetsu/denro/enemoni/