自動洗浄機とは
自動洗浄機とは、器具などの対象物を自動で洗浄する装置です。
それぞれの製品ごとに洗浄可能な対象は異なりますが、実験用のガラス器具、プラスチック製品、食器、コンテナ、床、トイレなど多岐に渡ります。また、被洗浄対象物の汚れの種類に応じて、洗浄機で用いる溶剤や溶媒、そして自動洗浄機の形状も大きく異なります。
自動洗浄機の使用用途
自動洗浄機は、洗浄作業の効率化・自動化を主な目的として用いられる機械です。実験室で用いられるガラス器具の自動洗浄機では、異なる種類の様々な器具を大容量チャンバーで同時に洗浄乾燥を行うことにより、洗浄作業の効率化を図ることが可能です。
それ以外では、充てん機などの製造プロセスに用いるパーツ、漁協や食品加工工場におけるセイロやプラスチックコンテナの洗浄、食器や床など洗浄用途は多岐にわたります。それぞれ汚れの種類も水溶性の汚れから、非水溶性の汚れ、もしくはその両方が含まれるものなどさまざまです。
手洗いによる洗いむらを解消し、より均一で清浄に洗い上げることが可能になります。また、機械化によって作業安全性が向上するとともに、人件費や水道代などのコスト削減も実現可能です。
自動洗浄機の原理
1. 実験用器具の洗浄機
図1. 実験用器具の自動洗浄機のイメージ
実験室などで用いられる研究開発用のガラス器具やプラスチック器具用の自動洗浄機は、広い洗浄槽 (チャンバー) を持ち、洗浄棚 (あるいはバスケット・ラック) と呼ばれる部品が取り付けられた構造をしています。バスケットやラックなどを用いることで、種々の形状のアイテムを同時に洗浄可能となっています。
また、製品によってはバスケットやラックを洗浄対象物に合わせてカスタマイズすることも可能です。製品によってポンプ仕様は異なりますが、強力な洗浄ポンプで効率的に洗浄を行えるうえ、水温は対象物に合わせて設定することができます。
製品によりますが、アルカリ性洗剤・中性洗剤・酸性洗剤を使い分けて効率的に洗浄を行うことができる機械が多いです。洗浄から乾燥まで全自動で行われます。
2. ウェハー洗浄機
図2. ウェハー洗浄用の自動洗浄機のイメージ
ウェハー洗浄機は、ウェハーの研磨後洗浄等を目的とした装置です。ウェハー両面スクラブ洗浄機は、コンベアを用いてウェハーを両面スクラブ機構部に搬送し、ウエハーを回転させながら両面ブラシ洗浄を行います。
洗浄されたウェハーは、純水リンスを経てアンローダーにて水没収納されます。機械によっては、オプションで界面活性剤や高圧洗浄が可能です。
3. 業務用食器洗浄機
図3. 業務用食器洗浄機のイメージ
給食施設などで用いられる業務用食器洗浄機は、コンベヤで食器を搬送しながら洗浄する機械です。予備洗浄、主洗浄、すすぎの工程をコンベヤで搬送しながら行います。
業務用食器洗浄機の中には、傾斜付きコンベヤを用いたり、仕上げすすぎの前に循環水による循環すすぎの工程を導入したりして水や洗剤の節約を図った製品も存在します。
4. メタルマスクやメッシュスクリーン版の洗浄機
メタルマスクやメッシュスクリーン版などの洗浄では、共晶はんだ洗浄、鉛フリーはんだ洗浄、レジスト洗浄、金属ペースト洗浄、ポリアミド洗浄、ポリイミド洗浄、エポキシ洗浄など、幅広い汚れの洗浄に対応しています。版に向けて溶剤を噴射しする為、印刷品質に関わる開口部の汚れを完全に除去することが可能です。
洗浄から乾燥まで全自動で行われ、乾燥は温風で素早く仕上げられます。
自動洗浄機の種類
自動洗浄機の種類には、洗浄対象物によって様々な種類があります。下記はその一部の例ですが、用途に応じて適切なものを選択することが必要です。
- 研究・開発などにおけるガラス器具用の洗浄機
- ミキサ内部に固定するミキサ洗浄機
- メタルマスクやメッシュスクリーン版の洗浄機
- ウェハー洗浄機
- 産業・工業機械部品洗浄機
- 業務用食器洗浄機
- 金属加工部品・プラスチック容器
- GMP洗浄機 (製剤プロセスに使用されるコンポーネント部材の洗浄 (ガラス製品やプラスチック製品、充填機や打錠機の部品) )
- レンズ・ハードディスク用自動超音波洗浄装置
- コンテナ自動洗浄機
- 自動床洗浄機
参考文献
https://www.steri-pro.co.jp/product/index.html#product_washing