自動組立機とは
自動組立機とは、工場などの製造工程において製品を自動で組立・製造する機械です。
人が工具でボルトを回して装置を組み立てたりするような作業を代替することができ、省人化や業務効率化に貢献することが可能です。
自動組立機は、製造する製品の種類だけでなく、実行する組立作業の種類によっても様々なものがあります。ネジ締め機や、リベット・ハトメカシメ機や、組立ロボット、搬送コンテナなど、単一の作業を行う機器や、複数の組み立て作業を行う組立工程を行う機器などがあります。自動車関連、電機・電子機器、住宅設備をはじめとする広い分野で活用されている装置です。
自動組立機の使用用途
自動組立機は、様々な工業分野において、ネジ締めや各種組立、組付け作業を行うことに用いられます。大きなものから小さなものまで、様々な工業生産に使用されます。
自動組立機で行われる組み立て・組付けの例は次のようなものが挙げられます。
- 自動車のエンジン・トランスミッションなどの組立
- その他自動車部品・車載電装品 (サスペンション、クラッチ、自動車用ダイナモ、自動車用イグニッションコイルなど) の組立
- ディーゼルエンジンなどのエンジン組立
- カーエアコンやルームエアコンで使用されるコンプレッサーの組立
- 家電製品、腕時計などの部品組立
- ステアリングモータ、マイクロモーターなど、各種モーター類の組立
- 小型コイル・コアなどの組立
- ミスト・液吐出ディスペンサーや、エアーレスポンプの組立
- 電子部品 (カメラ、携帯電話用のマイクなど) の組立
- 医療用品の組立 (注射針など) の組立
- ペン先やキャップ、コイルスプリングなどの微細部品の組立
- 筆記具の組立 (ボールペンチップ組み付けや修正液前軸組立など)
- 粉体の成形や充填を要する化粧品 (口紅・ファンデーションなど) の組立
自動組立機の原理
1. 概要
ネジ締め機などの単一の作業を行う個々の機器について総称として自動組立機と呼ぶ場合や、いろいろな組立を複合した一連の組立ライン全体を自動組立機と呼ぶ場合があります。
自動組立機を構成する要素には主に下記のようなものがあります。
- 部品供給 (パーツフィーダー)
- 締付関連 (ネジ締め、カシメ)
- ディスペンサー・塗布機 (潤滑剤や接着剤を吐出する)
- 充填装置
- エアチャック (ワークの把持・保持を行う)
- 箱詰め装置・パレタイジング装置
また、これらを行う上でワークの有無や接近を検出する必要があります。そのために用いられるのが、光電センサや近接センサ、検査カメラなどです。
自動組立機は上記のような製品を組立・加工するユニットの他、製品及び部品を搬送するベースマシンとで構成されています。ベースマシンはライン型、ターンテーブル型の2タイプがあります。
2. ライン型自動組立機
ライン型自動組立機は、各工程が直線状に並んだものです。
ユニット配置が容易であるため、特に部品点数が多い自動機を構築する際にレイアウトが簡単です。メンテナンス性にも優れています。一方で、各ユニット間のスペースが必要なため、ターンテーブル型より広いスペースの確保が必要なケースがあります。
3. ターンテーブル型自動組立機
ターンテーブル型自動組立機は、回転する円盤の周囲に各工程の機能を配置する仕組みの自動組立機です。円周上に搬入工程から組立順に部品供給や組立、検査などのユニットが配置され、最後に排出工程へと送られます。
高密度にユニット配置が可能で省スペース化が可能ですが、部品点数が多い場合はレイアウトとメンテナンス性の両立が困難になる場合があります。
自動組立機の種類
自動組立機は、上述の通りネジ締め機などの単一の加工・組立作業を行う個々の機器を指す場合や、いろいろな組立を複合した一連の組立ライン全体やベースマシンを指す場合などがあります。組立装置においても、特定の組立に特化した専門装置から、数種類の組立機能がプログラムされた複合装置など、扱う対象や目的によってシステムはさまざまです。下記では代表的な自動組立機に要素として含まれる装置を説明します。
1. カシメ装置
カシメ (加締め) とは、リベットと呼ばれるピンを差し込み変形させる固定の方法です。装置としては、スピンカシメ機やプレスカシメ機などがあります。
2. ネジ締め装置
ネジ締め装置とは、ネジ締め作業を自動で行う装置です。ネジ締めによる組立も製造ラインによってさまざまで、ハンディタイプをベースとしてビットの移動とネジ締めが自動化されている製品や、ロボットアームによるビットの移動とネジ締めが自動化された製品などがあります。
3. 溶着装置
溶着とは、プラスチックや非鉄金属を接合する技術です。加熱・加圧・冷却することによって接合を行います。高周波溶着、熱溶着、超音波溶着などの種類があり、生産品に応じた方式が使用されることが一般的です。
参考文献
https://mouhitotsuno.pentel.co.jp/content/field/automation/compose/
http://www.kyoei-dk.co.jp/jidou-kumitateki/
https://www.nittoseiko.co.jp/products/search/index.php/search?cell003=%E8%87%AA%E5%8B%95%E7%B5%84%E7%AB%8B%E6%A9%9F&label=1