画像測定器とは
画像測定器とは、対象物の画像を解析して形状や寸法、位置などを高精度で測定する装置です。
CCDカメラやレーザー変位センサーなどの画像センサーで対象物を撮影し、専用の画像処理ソフトウェアによって得られた画像データから寸法計測や形状検査を行います。測定精度は高く、非接触での計測が可能なため、小物部品などの微細な形状測定に適しています。
具体的には、自動車や電機・電子機器などの製造ラインにおける品質管理です。画像処理技術の進歩により、測定速度や操作性も向上しており、精度と効率の両立が図れるようになっています。
画像測定器の使用用途
画像測定器は非接触で高精度な計測ができることから、品質管理や検査工程の自動化ニーズが高まる中、その活用範囲が拡大しています。具体的な使用用途は、以下の通りです。
1. 電子部品や自動車部品の微細寸法測定
複雑な形状の製品でも非接触で寸法計測ができるため、微細な電子部品や自動車エンジンの各部品の寸法管理に威力を発揮します。測定誤差が生産停止につながる重要工程で、高精度な計測が求められています。
2. 食品や医薬品の外観検査
製品の形状や色、欠陥の有無を画像処理で判定し、人の目視に頼らない自動選別が可能となります。大量生産されるこれらの製品の品質を均一に保つうえで、画像測定器による検査は必要不可欠です。
3. 半導体産業
半導体製造でも、微細なパターンや線幅を測定する際に画像測定器が活用されます。製造プロセスがますます複雑化する中で、正確な測定は欠かせない要素となっています。
画像測定器の原理
画像測定器は対象物から得られた画像データを解析して、寸法や形状、位置関係などを高精度に測定します。その仕組みは以下のプロセスによって成り立っています。
1. 高解像度画像の取得
画像測定の基本は、対象物の高解像度の画像データを取得です。CCDセンサーやCMOSセンサーなどの高性能カメラにより、ミクロンオーダーの解像度で対象物を撮影します。
また、対象物を回転させたり、複数方向から撮影したりして、3D的な形状データを構築します。
2. 画像処理による特徴量抽出
次の工程は、画像処理による特徴量の抽出です。エッジ検出や陰影解析などの画像処理技術を駆使して、対象物の輪郭線や角、穴などの特徴を画像から読み取ります。複雑な形状でも特徴量を正確に抽出できるよう、画像処理アルゴリズムが進化しています。
3. 測定演算と結果出力
抽出された特徴量を入力データとして、設定された測定演算アルゴリズムに従って処理を行います。演算では寸法計算や幾何学的解析が行われ、測定結果が出力されます。演算アルゴリズムは高精度化を追求して開発が進められています。
4. 精度の向上
画像センサーや画像処理技術の向上により、画像測定器の精度は日進月歩で向上しています。より高解像度の画像データを入力し、精緻なアルゴリズムで解析して、微細寸法の非接触計測が可能となっています。
以上のプロセスにより、従来困難だったミクロンオーダーの非接触高精度計測が実現しています。画像測定器は、今後も精度向上が期待される分野です。
画像測定器の種類
画像測定器にはその用途や特徴に応じて、様々な種類があります。それぞれに適した用途があるため、目的に応じて最適な測定器を選択が重要です。
1. オプティカルコンパレーター
光学系の測定器で、レンズを用いて基準パターンと対象物のずれを検出します。主にMEMSや半導体製造プロセスの測定に使われています。
2. 二次元画像測定器
CCDカメラで対象物を撮影し、専用の画像解析ソフトで寸法解析を行う汎用的な測定器です。形状測定から欠陥検査まで、用途は多岐にわたります。
3. 三次元画像測定器
レーザーやスリット光を用いて三次元形状を計測する測定器です。自動車部品などの立体的な形状測定に適しています。
4. 顕微鏡型測定器
顕微鏡とCCDカメラを組み合わせ、微細部品の寸法計測を行う高精度な測定器です。精密部品の寸法管理に利用されています。
5. 表面欠陥検査機
表面のキズや汚れを画像処理で検出する欠陥検査専用の装置です。薄膜素子やウエハの検査に用いられます。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/type/image.jsp