クレーンスケールとは
クレーンスケールとは、ホイストスケールとも呼ばれ、クレーンのフックにかけて質量を計測したいときに使用される「吊りはかり」のことです。
主に、計測したい対象物が長く、台はかりからはみだして乗らないサイズのものや台はかりの上で転がってしまい計測しにくいものなどをはかるときに使われます。クレーンスケール本体に軽量表示があるため、すぐに把握することができます。
無線式クレーンスケールの場合、高いところや遠いところで軽量したものを手元の無線指示計で表示することも可能ですが、パソコンなどにデータを取り込む場合は無線式が必要です。
クレーンスケールの使用用途
クレーンスケールは、台はかりではかるのが難しいもの (長尺のものや、はかり台の上で転がるといった安定しないもの) に対して使用されます。また、トラックに積み込みや運搬をしながら計量することができるため、作業の効率化のためには必要不可欠なはかりです。製造業などでは製品を出荷する際に計量し、積荷の重量を同時に計測することで書類の作成がスムーズに行われています。
その他にも、養殖業やスクラップなどを行ったあとの金属類などを計量し、金額計算を同時に行うことが可能です。金額計算には計測物の重量単位の単価を事前に決めておく必要があります。そのため、計量時に異なる種類の計量物が含まれていないことを確認しておき、金額計算に影響がないよう準備しておくことが重要です。
クレーンスケールの原理
クレーンスケールは、移動と計量を同時に行える特徴があります。計量測定が終わったら計量物をひっかけたまま移動できるため、作業の効率が上がります。クレーンスケールの場合、地面が水平でないところや安定しないようなところでも計測が可能で、計測する場所を選びません。
本体の大きさが台はかりに比べて小さく、持ち運びが容易です。クレーンスケールの場合、吊るす場所さえあれば広い場所がなくても使用できます。台はかりと比べると揺れるなどの外的な力が加わりやすいため、クレーンスケールの方が精度は落ちる傾向にあります。また、屋外で使用する際は風が吹いていると正しく測れない場合もあるため、注意が必要です。
その他、天井やクレーンなどの強度が計量物の重量に耐えられるものがないと、計量物が落下する危険性が考えられます。必ず使用する際に、耐重量を確認することが重要です。
クレーンスケールの選び方
1. 荷物の重量範囲
クレーンスケールを選ぶ際には、計測する荷物の重さの範囲を考慮する必要があります。スケールの最大容量が、計測する荷物の最大重量よりも大きくなければなりません。最大重量よりも小さいものを選択すると、クレーンスケールの故障や事故に繋がるケースもあるため注意が必要です。
2. 分解能・精度
クレーンスケールの分解能は、小さな重量の変化を検出する能力を示します。正確な計測が必要な場合は、高い分解能のスケールを選ぶことが重要です。
特に厳密な品質管理や安全性が必要な場合は、高精度であることが求められるため、どういったケースでクレーンスケールを使用するか事前に把握しておくことが必要です。
3. 環境条件・耐久性
屋内、屋外、高温、低温などの要因がスケールの性能に影響を与える可能性があります。また、長期間にわたって頻繁に使用されるため、耐久性も重要です。堅牢な設計と材料で作られたスケールを選ぶことで、長寿命と安定性を確保できます。
4. インターフェースとデータ管理
デジタル表示、データ記録、通信オプションなど、データ管理の要件に合ったスケールを選ぶことが重要です。パソコンで管理する場合はパソコンとの通信方法、クレーンスケール内にデータを貯めておく場合はどのくらい貯めておけるかなどの考慮が必要です。また、測定した数値を何に使うか明確にしておく必要があります。