タップタイトとは
タップタイトとは雌ねじを必要としない高性能なネジの一つです。似たようなネジにタッピンネジという物がありますが、形状や特性が異なります。通常のネジには雄ねじと呼ばれるボルトと雌ねじと呼ばれるナットがあります。これら両方のねじ山が組み合わさることによりネジは締結されているのです。しかし、タップタイトは雌ねじを必要としません。その形状から締め付ける際に相手側に直接雌ネジ加工を施して締結することができるのです。
タップタイトの使用用途
タップタイトはその性能の高さから様々な場所で使用されています。例えば、高い作業性を求められる場面です。雌ねじが必要ないため、タップタイト一つで締結することが可能で作業効率が上がります。また、比較的トルクが小さいので締め付けの負担が少ないのです。可塑性プラスチックや薄板などに用いられます。一方で取り外しが必要になる場合には適していません。緩み止め効果が高く、一度締結してしまうと取り外しが難しいからです。
タップタイトの原理
タップタイトはその独特な形状から優れた特徴を持っています。ここではその構造や特徴についてご紹介します。
タッピンネジと同様に単純な構造をしていますが、軸部分がおにぎり型の三角形であることが特徴的です。三角形の頂点部分によって相手側を押し広げて、雌ねじ加工を施すのです。この構造によって優れたいくつかの特徴があります。
- 作業効率が高い
他のネジに比べて作業効率が高いことが特徴です。三角形の頂点部分のみ穴の側面に触れるためトルクが小さくて済みます。小さな力でも締め付けることができるので作業効率が上がるのです。しかし下穴が小さすぎるとトルクも大きくなってしまうので注意が必要です。タップタイトが緩まない程度の適度な下穴を開ける必要があります。 - 緩みにくい
また、緩みにくいという特徴もあります。相手側を押し広げて雌ねじ加工を施すと、材料は伸縮し抵抗力が発生します。この力がタップタイトの緩みを軽減し、高い緩み止め効果を発揮するのです。振動や衝撃がある製品にも使用することができます。
参考文献
https://www.tsurugacorp.co.jp/dictionary/tapping_drill/tapping_drill_tapping.html
https://www.nittoseiko.co.jp/nitto-blog/2017/08/09/4
https://wilco.jp/docs/technical-data/tec_10.html