sehcとは
sehcは、「日本工業規格 JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯」に定められている鋼板のうちの一つです。
電気亜鉛めっき鋼板とは、鋼板の弱点である錆や腐食等を防ぐために鋼板に亜鉛めっきをつけたもので、加工性に優れ、廉価で、大量生産が可能なことから、広く工業用に使われています。
電気亜鉛めっき鋼板は元素材によってseccとsehcがあり、seccの元素材は室温のまま圧延された鋼板である冷間圧延鋼板で、sehcの元素材は高温にして軟化させて圧延した鋼板である熱間圧延鋼板です。
電気亜鉛めっき鋼板には成分の規定はありませんが、材質はすべて鋼で、メッキ前の原板に成分規定がある場合はそれが成分の値となります。
sehcの使用用途
sehcの元素材は、熱間圧延鋼板です。
熱間圧延は、材料を高温にして軟化させてから圧延するので、加工性に優れた加工方法と言えます。
また、高温になった材料にロールで大きな圧力をかけるので金属の結晶がより強固になり、ねばり強い金属にすることができます。
一方、材料を高温にして熱膨張した状態で圧延するので寸法精度が落ちますし、高温の金属の表面と空気中の酸素が結合して酸化膜が形成されてしまうので、光沢のない表面になります。
sehcの板厚の範囲は1.6ミリ以上4.5ミリ以下です。
機械的性質は、引張強さ270N/mm2以上、伸びは板厚により、1.6ミリ以上2.0ミリ未満では29%以上、2.0ミリ以上2.5ミリ未満では29%以上、2.5ミリ以上3.2ミリ未満では29%以上、3.2ミリ以上4.0ミリ未満では31%以上、4.0ミリ以上4.5ミリ以下では31%以となっています。
用途は汎用性のある一般用とされており、例えば、事務機器やオーディオ等に使われています。