施肥機

施肥機とは

施肥機

施肥機とは、肥料や堆肥を散布する目的として利用される機械です。

散布できる形状はさまざまで、粉や粒状、液状のものまで対応できます。昔は手作業で肥料や堆肥を散布していましたが、施肥機の登場で作業が非常に効率化されるようになりました。

また、作物の生育に合わせた施肥が可能となり、適切な量を適切な時期に散布できるようになりました。そのため、農業の技術力の向上に大きく貢献した機械の1つと言われています。

施肥機の使用用途

施肥機は、ほ場への作つけ前や収穫後の時期に選んで使用されています。使用する期間は他の農業設備と変わりません。作つけ中にも使用できますが、トラクターが走れる分の隙間が合いているか、もしくは走行部の作物も犠牲にすることが求められます。

主にほ場への施肥を効率よく行うために使用され、より大型になればなるほど能率も高くなります。大量の肥料でもトラクターの使用により身体への負担も少なく、キャビン付きのトラクターであれば汚れることも避けることが可能で、現代農業では欠かせない設備です。

施肥機の特徴

長所

施肥機の長所は、肥料や堆肥を効率よく散布できることです。施肥機を使用することによって、農家の負担が少なくなります。また、作物の生育に合わせて施肥が可能な点も長所の1つです。

短所

施肥機の短所は、肥料の流量を均一にしなければ効果を発揮できないことです。堆肥などの湿った肥料および乾燥した化学肥料をほ場に施肥するためには、均一に撒く必要があります。それぞれの肥料の状態に適した形状で運動を与えることで、上質な施肥を行います。

均一に施肥が行えるように、肥料の流量を調整する弁があったり、肥料を飛ばす強さを動力で調整したりする必要があるため、初心者には難しい部分がある点も短所の1つです。しかし、最新のものでは流量を電子制御する機能を追加しているため、熟練した技術がなくとも施肥が行えます。

施肥機の種類

施肥機は、トラクターが走る際の動力を利用して駆動する「牽引式」と、トラクターに装着して動力を利用し駆動する「直装式」が主な区分けです。大きく分けるとこの2種類になりますが、散布物の形状や用途によってさらに4つに分類されます。

1. マニュアスプレッダ

マニュアスプレッダは主に堆肥の散布に利用されており、コンテナ型の肥料タンクで底がベルトコンベアになっています。散布する際にはベルトコンベアが動いて後方に堆肥が散布される仕組みです。後方に迫ってきた堆肥を回転している羽根で飛散させます。

大きさはさまざまで、1t以下の小さなものから大きなものでは5tの積載ができるものもありサイズが豊富です。水田での使用する場合、大きな牽引力が必要になることと、車輪では嵌ってしまうことも考えられるので十分な検討が必要です。一方、乾燥したほ場では一度に大量の堆肥を積載できるため効率よく施肥が行えます。

マニュアスプレッダはトラクターの動力が不要な原動機とクローラーがついた自走式が存在します。クローラーであるため、水田での使用が多く柔らかいほ場でも施肥ができることが利点です。しかし、移動にはトレーラーなど専用の運搬車が必要です。

2. ブロードキャスター

ブロードキャスターは円柱型の肥料タンクで、底に振り子のようなものが左右に振れて散布される仕組みです。振り子タイプの他には円盤が回転しており、その円盤に落ちた肥料を回転によって飛ばすタイプも存在します。円盤は1つなし2つ装着されています。

大きなサイズでは1tを超えるものもあり、大型のトラクターやカウンターウェイトの装着が必要です。

3. ライムソーワ

ライムソーワという施肥機はトラクターの後方に装着するのが一般的ですが、前方に取り付けるタイプもあります。地上から低い位置で筋状に散布できることから、主に粉上の肥料を散布する際に利用されています。

前述と2つに比べて施肥範囲が狭いため、能率が比較的低いことが難点です。

4. スラリースプレッダ

スラリースプレッダという施肥機は主に家畜の糞尿を散布する際に利用されています。肥溜めからタンクに吸い上げ、そのまま圃場に散布することができます。

このようにスラリースプレッダは、機械自体がバキュームカーのような仕組みになっており、液体、半固体の糞尿でも容易に散布できることが特徴です。

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