溝掘り機とは
溝堀り機とは、地面を掘り、溝を作るための大型機械です。
表面余剰水を排出し、乾土・乾田をつくるために用いられます。溝堀り機は、排水のために掘削したり、暗きょ管を埋設するための溝を掘ったりする機械です。比較的浅い溝を掘るものはディッチャーと呼ばれ、プラウ型のものとロータリー型のものとがあります。
また、深い溝掘りにはトレンチャーが用いられます。トレンチャーとは、溝掘り機の1種で、比較的幅が狭く、深い溝を掘る機械です。コンベヤ型とロータリー型の2種類に分けられ、農業以外にも建築分野において使用されています。
溝掘り機の使用用途
溝掘り機は、表面余剰水を排出し、乾土・乾田をつくるために使用されます。硬い地盤や軟らかい岩石でも、掘ることが可能です。
秋ごろから溝堀り機を使用して作溝しておくことで、冬の冷気が地中の深いところまで浸透し、越冬しようとする病害虫や雑草などを減らし、一定の防除効果が期待できます。
溝があることで雪解け水の乾きも早くなりますが、春作業前に再度溝堀り機を使用すると、さらに効果的に排水をすることができます。
溝堀り機の特徴
溝堀り機は田んぼや畑の排水や、建設現場では配管のケーブル敷設のために溝を掘る機械です。ここでは主に農業で使用する際の長所と短所を紹介していきます。
長所
溝堀り機を使用して畦際やほ場の中に溝を掘り、地表面の余剰水や土中の横浸透水を集積して排水することでほ場を乾かすことができます。それによって、適期に農作業を行うことが可能です。
また、湿害を回避することで、作物の健全な生育も期待できます。これは溝を掘ることで、より低い位置にある溝に水が流れ、農作物付近の水分が溝に移動するためです。
加えて、溝堀り機を使用することで、土が空気に触れる面積も増え、より土壌内部へと酸素を送り込むことができます。また、掘り起こされた土は空気を良く含むため、空気中の窒素を土壌内へ取り込むことができます。その結果、栄養を多く含んだより土壌になる点も長所です。
短所
大きな石を掘ることは大変難しく、溝堀り機の故障の原因となるため、注意が必要です。加えて、小さい石でも、溝堀り機の破損につながる可能性があります。
山間部や水の干上がった涸れ川などの場所では、小さな石が多く地中に存在しています。これらの石は、通常の土壌に含まれる小さな石とは異なり、互いに石と石とが組み合い、強固に固まっています。
そのため、石自体は小さいものでも、石と石とを溝堀り機で引きはがすのは難しいです。このような場所を無理に通過しようとすると、強い衝撃がかかり、溝堀り機の破損の原因となります。
溝掘り機の種類
溝掘り機を大きく分類すると、コンベヤ型とロータリー型に分けられます。
1. コンベヤ型
前方に太いチェーンが付いており、そのチェーンが回転しながら土を掘っていきます。深さは15㎝から、深いもので45cmまで掘れる機械があります。
コンベヤ型は手押し式が一般的で、掘れる溝の幅は、約10㎝程度です。掘り上げた土は片側へと寄せていきます。
2. ロータリー型
ロータリー型は、トラクターの後方に取り付けて使用します。ロータリーが回転しながら溝を掘っていくので、土を細かくしながら遠くへと飛ばすことができます。
トラクターの適応馬力は、20馬力のものから60馬力まで対応できる大型のものまであります。
溝掘り機の選び方
コンベヤ型は手押し式で小回りがきくため、狭い場所でも使用できます。狭い圃場や建設現場で溝を切る際に活躍します。特に建設現場で良く使用される場合が多いです。
ロータリー型はトラクターに取り付けて使用するため、コンベヤ型に比べると小回りがききません。しかし、コンベア型に比べて馬力も大きく、作業スピードも速いので、広い圃場で使用するのに適しています。農家では、ロータリー型が多く使用されています。
使用する条件に合わせて、効率の良い溝掘り機を選定することが大切です。