ストローチョッパー

ストローチョッパーとは

ストローチョッパーとは、農地に残る小麦の茎や根、雑草、緑肥といった植物の遺物を細かく砕くのが目的の農機具です。

トラクターに取り付けられたカッターで先に刈り込んだのちに取り込み、ストローチョッパーの内部に取り付けられたブレードで細かく粉砕します。動力から回転軸につなげ、ロータリー式にブレードを回転させることで駆動するのが特徴です。

動力によって粉砕する力が異なりますが、植え込みなどを邪魔するほど硬い茎や根も粉砕できます。細断の大きさはブレードの配列や回転能力によって違います。

細断されたものは、そのまま排出するのが一般的ですが、スプレッダーなどを通してさらに細かくする構造も使われるようになりました。

ストローチョッパーの使用用途

ストローチョッパーは、その後の作業の邪魔になるものを細断し、作業を円滑にするためにあります。小麦の茎や根が残っていると、植え込みするときに邪魔になるため、効率が落ちます。

ストローチョッパーを使って細断できれば、ロータリーで打ち込むときにも障害にならずに済むのが魅力です。小麦の茎や根を細断して排出することによって、土壌内で分解しやすい状態を作ります。

細かくなれば土壌の内部で有機物の住処を作り出しやすくなり、有機農法の手助けをしてくれます。細断したのちに枯れたのを見計らい、分解菌を散布する方法をとります。菌の排せつ物や死骸も栄養となるため、善玉菌優先の土壌を作り出すことが可能です。

ストローチョッパーの特徴

作物の中には連続して同じ圃場に作付けできないものもあります。このような作物の対策として、緑肥を植えて肥料バランスを整えるという方法があります。

ソルゴーなどの背の高い緑肥をトラクターでそのまますき込むのは困難なので、ストローチョッパーが使用されます。

長所

ストローチョッパーは、人の背丈を超えるような緑肥や雑草でも素早く刈り取り、裁断することができます。また、栽培した作物の残渣もストローチョッパーで裁断することにより、収穫後の片付けも省力化されます。

短所

石の多い圃場では故障の原因となるので、使用はおすすめできません。また、取り付けられるトラクターは馬力の大きいものである必要があるため、簡単に導入できないのが欠点です。

消耗品であるブレードも高価なので、大規模農家向けの機械であります。

ストローチョッパーの種類

ストローチョッパーは専門性の高い機械であるため、取り扱っているメーカーも少ないです。作業幅が200cmから320cmまでのものがあり、作業幅に応じて数種類のモデルがあります。

作業幅が広くなると、取り付け可能なトラクターの馬力も大きくなります。小さいものでも60馬力必要で、大きいものになると100馬力を超える機種も多いです。

また、使用するブレードの本数も多くなるため、維持コストが高くなります。海外製ではありますが、コンバインに取り付けるストローチョッパーもあります。

ストローチョッパーの選び方

ストローチョッパーの機種を選ぶ際に、所有しているトラクターの馬力に対応しているかを確認することが大切です。サイズの大きいものほど作業効率は良くなりますが、その分馬力の大きいトラクターが必要になります。

コストが高いことから、導入する際は過剰投資にならないように気を付けなければなりません。

ストローチョッパーの使い方

ストローチョッパーはトラクターのユニバーサルジョイントに接続し、トラクターの動力を利用して使用します。刈りたい箇所を走行するだけで、雑草や緑肥をきれいに裁断してくれます。

裁断したものを後方に飛ばすようにできているため、稼働中の機体の後方に近づくのは危険です。また、機体を整備するときは、必ずトラクターのエンジンを停止してから行う必要があります。

稼働中の作業は、巻き込まれなどによる大事故につながる可能性が高いです。

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