ディスプレイ測定サービス

ディスプレイ測定サービスとは

ディスプレイ測定サービスとは、ディスプレイの光学的特性を評価するサービスのことです。

ディスプレイの評価基準にはモニタサイズや解像度などがあります。モニタサイズは大きさなどの物理量による評価であるのに対し、解像度は視認性に関わる評価基準です。

ディスプレイ測定サービスではCCDなどのイメージセンサを利用することで、視認性に関わる光学特性を定量的に測定します。専用のディスプレイ測定器を使用しつつ、JIS規格などに則った測定方法によって測定します。

ディスプレイ測定サービスの使用用途

ディスプレイ測定サービスは主にディスプレイ開発時の評価時に使用されるサービスです。

ぎらつきの評価は、特にアンチグレア処理を実施したディスプレイの開発時には必要となる測定です。アンチグレアとは反射光による映り込みが少なくする表面処理で、目への負担が軽減する点が特徴です。ただし、アンチグレア処理は表面に凹凸を故意に付けるため、ぎらつきの原因ともなります。

開発だけではなく、ディスプレイ製造ラインの品質保証に利用される場合もあります。

ディスプレイ測定サービスの原理

ディスプレイ測定時の評価項目には、ぎらつき(Sparkle)評価、防眩性評価、解像度評価などがあります。

1. ぎらつき評価

ディスプレイの表面に凹凸が多くあると、画面にぎらつきが生じます。ぎらつきとは凹凸構造がレンズのような役割を果たし、光が反射して画面の明るさにむらが生じる現象です。ぎらつきは製品の表面処理が原因で発生する場合もあれば、長年使用することにより表面に傷や油脂が生じて発生する場合もあります。

ぎらつき値は、単一色で表示した画面上の照度分布における標準偏差を指す値です。照度のばらつきが多いものほどぎらつき値は大きくなります。さらにぎらつき値を照度平均値との比で表したものをぎらつきコントラストと呼ばれ、これが10%以下程度の場合に良好であるとされます。

2. 防眩性評価

防眩性とは画面の映り込みを防ぐ性能を指します。ディスプレイに当たった光の透過率や反射率を測定することで防眩性を評価します。フィルムの透過性評価と同様にHaze(曇度)などの指標が使用されます。

3. 解像度評価

解像度とは、ディスプレイに表示されるドット数を表す指標です。解像度が高いほど表示される詳細な画面を表示することが可能で、鮮明なディスプレイとなります。解像度は単位をピクセルで表し、ピクセル数が高いほど性能が高いディスプレイとされています。”

ディスプレイ測定サービスのその他情報

1. ぎらつきのJIS化

ぎらつき値の求め方が、2018年にJISにて登録されました。この規格は株式会社ダイセルとコマツNTC株式会社によって特許出願された『ギラツキ評価装置及びギラツキ評価方法』が基となっており、具体的な内容はJIS_C1006:2019(ディスプレイのぎらつき度合いの求め方)に規定されています。この規格は、テレビやPC用ディスプレイだけでなくスマートフォンやタッチパネルにも適用可能であるとされます。

2. ぎらつきの測定方法

ぎらつきの測定には専用の光学測定装置を使用します。光学測定装置は、ディスプレイを撮影する撮影装置とぎらつき値を算出する演算装置を含んだ装置です。

撮影装置にはCCD(charge coupled device)又はCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)によるイメージセンサーを持つ装置を使用します。撮影装置によって単一色のディスプレイを垂直方向に撮影します。ピントについては表示面に合わせる場合が一般的です。

測定・撮影は暗室で行う場合が一般的です。温度は15℃~35℃に保ち、湿度は25%~75%に保ちます。

撮影が終了したら、その画像から演算装置でぎらつき値を求めます。演算結果はぎらつき値またはぎらつきコントラストとして表示する場合が一般的です。

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