ドライスーツ

ドライスーツとは

ドライスーツ

ドライスーツとは、海や湖など水中に潜る際に着用するウエアの1種です。

ウエアの内部に水が浸入しないよう、防水機能を備えています。温度が低い水中に潜る際に生命を守る機能があるほか、汚染物質が含まれる水中の作業にも適しています。体温の低下を防ぐ機能もあり、素材自体が保温性に優れているスーツやインナーウエアと合わせて保温性を保つスーツなどさまざまです。

ドライスーツは、ネオプレーンタイプと呼ばれる合成ゴムとシェルタイプと呼ばれるナイロンのような防水機能のある素材で作られたタイプの、2種類に分類可能です。日本では、合成ゴムでできたドライスーツが多く使われています。

ドライスーツの使用用途

ドライスーツにはウエアの内部に水を侵入させない機能に加えて、体温を保護する機能があります。2つの機能によって低水温や低気温での水中や水上での活動の際に使用可能です。

水中活動では、水温がおよそ23°Cよりも低くなる条件下でドライスーツを着用します。レジャーのダイビングのほか、水中での建設作業、水難事故での捜索並びに救助作業、潜水して行う漁などで使われます。

その一方で、水上では気温が低い季節を中心に、サーフィン、ウインドサーフィン、ジェットスキー、ヨットセーリングなどのマリンスポーツで利用可能です。救助活動や漁業で当事者が冷たい水中に落ちる危険性がある場合にも、防護用として着用します。

ドライスーツの原理

ドライスーツはワンピース型です。潜水用ではブーツだけでなく、グローブやフードも一体になっています。

スーツと身体の間には専用インナーやアンダーウェアを着るため、ルーズフィットに仕立てられている場合が多いです。防水ファスナー開口部で着脱し、防水性シールで水の浸入を防ぎます。

ドライスーツの構造

ドライスーツに使用されている素材はネオプレンスーツとシェルスーツで異なります。

1. ネオプレンスーツ

ネオプレンスーツの生地には発泡クロロプレンが使われ、内側はジャージや起毛タイプで、外側はジャージタイプが多いです。発泡クロロプレンゴムの生地の外側にはゴムのような非吸水性素材がラジアルコーティングされています。

2. シェルスーツ

シェルスーツに使用されている素材は、圧縮ネオプレン、バイラミネート、トリラミネート、加硫ゴム、防水透湿生地などです。高い硬度を有する発泡クロロプレン生地を用います。

バイラミネートやトリラミネートは繊維質の布帛をプラスチックやゴムのような防水性フイルムの片面に貼り合わせています。加硫ゴムは、ポリエステル織物などがエラストマーによってコーティングされた素材です。防水透湿生地としてゴアテックスなどが使われます。

ドライスーツの種類

主にドライスーツはネオプレンスーツとシェルスーツの2種類に分類されます。

1. ネオプレンスーツ

国内で販売されているドライスーツのほとんどの素材や形状が、ネオプレンスーツです。発泡クロロプレンを生地に使用し、タイトフィットに作られています。生地に保温性があり、水が内部に浸入した場合でも保温性を確保可能です。

しかし、厚いアンダーウェアを着用できず、冷たい水中では使用できません。保温性を落とせないため、暖かい水中にも適していません。

発泡ネオプレンは生地内に気泡があり、周囲の水圧で保温性が変わり、ピンホールが生じやすいです。水中での運動性は優れていますが、陸上での運動性は制限されます。

2. シェルスーツ

シェルスーツは防水性の布地を生地に使用してルーズフィットに作られています。生地の保温性はなく、インナーウェアを着て保温性を確保し、極寒環境から高い水温の場合まで対応可能です。水中での運動性は低いですが、陸上での運動性は優れています。

生地の伸縮性が必要なく、優れた耐久性や強度の素材を使用可能です。水圧で浮力や保温性が変化しません。ただし流通量が少ないです。

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