ロードローラーとは
ロードローラーとは、建設工事で地面の締固めを行うときに使用される建設機械です。
車体に着いている円筒のローラーで道を締固めを行ることから、ロードローラーと呼ばれています。別名は、鉄輪ローラー、スムーズローラーなどで、官公庁での書類では締固め機械と記載されることもあります。
ロードローラーの使用用途
ロードローラーは、基礎工事や道路工事などで使用されています。
大重量の車体で走行することにより、地面の締固めを行います。タンデム式やタイヤ式など色々な種類があり、締固めをする場所や環境、行程によって使い分けて使用することが大切です。
近年は、情報通信技術 (ICT) を活用した施工事例もあります。リアルタイムでの締固め状況の把握や自動運転が可能となり、品質や作業効率等の向上が期待できます。
ロードローラーの原理
ロードローラは、締固め機械の1つで、機械の重量とローラによる輪荷重により、土中の空間を圧縮し締固めを行います。また、タイヤローラーは輪荷重だけでなく、タイヤの空気圧を調整し接地圧を変えることで、土質や作業に応じた最適な締固めを行います。
その他、振動や衝撃を利用した締固め機械もあり、用途に応じ機械を使い分けることで地面を平坦に仕上げていきます。
ロードローラーの種類
ロードローラーの種類はさまざまで、タイプにより特性に違いがあるため、目的に応じた最適な機種を選ぶことが重要です。
1. マカダム式
鉄製の3つの車輪で構成され、三輪車に似た形状をしているのが特徴です。重いローラーで走行することで締固めを行います。工事現場において最も使用されているタイプで、路床や路盤、アスファルト舗装の締固めに使用されます。
2. タンデム式
車体の前方と後方に、鉄製の車輪が1つずつ付いているロードローラーです。重量のある車体と振動により、強い締固めを行います。マカダムローラーよりも小回りがきき、仕上がりも均一になることから、アスファルト舗装での仕上げで使用されます。
3. タイヤ式
車体の前輪と後輪が、複数のタイヤで構成されているロードローラーです。鉄製のローラーではなくタイヤを使用しているため重量が軽く、騒音が低いのが特徴です。
主に路床や路盤の締固め、アスファルトの仕上げで使用されます。また、作業時にアスファルトなどが付着する場合があるため、散水装置が備わっています。
4. コンバインド式
前方と後方のどちらかが鉄製の車輪、もう一方がゴム製のタイヤでできているロードローラーです。
鉄製の車輪とゴム製のタイヤそれぞれのメリットを生かし、アスファルト塗装の仕上げや路盤、路床の締固めなど幅広く用いることが可能です。
5. ハンドガイド式
手で押すタイプのロードローラーで、車体重量とバイブレーションにより締固めを行います。小型であるため、歩道などの狭い場所での作業に使用されます。
ロードローラーのその他情報
1. 運転に必要な免許
ロードローラーを公道で運転するには、自動車の大きさにより「小型特殊免許」または「大型特殊免許」の取得が必要です。ただし、小型特殊自動車免許については、普通自動車免許を取得していれば、そのまま運転することができます。
小型特殊自動車の場合、車両長4.7m以下、車幅1.7m以下、車高2.8m以下で、最高速度が時速15km以下の条件を満たすものに限られています。大型特殊自動車の場合は、上記に含まないものです。最高速度は35km/h未満に制限されます。
2. 作業に必要な資格
ロードローラーを使用し建設現場で作業する場合は、「締固め用建設機械運転特別教育」を受講する必要があります。締固め用機械の運転に必要な一般的事項や法令などの座学と、運転や操作などの実技からなる講習で、合計10時間の講習を受講することで資格の取得が可能です。
なお、ロードローラーには重量制限がないため、この資格を取得することで、すべての機械を使用できるようになります。