ホットメルト

ホットメルトとは

ホットメルト

ホットメルトは接着方法の一種です。室温では固体状態の樹脂を加熱により液化した状態で用いて、冷却して再度固化することにより接着する方法をホットメルトと言います。

ホットメルトは樹脂に揮発溶剤を使用していないため、「引火性が無い」、「環境にも優しい」などが特徴です。その上、「迅速な接着が可能であるため作業効率が高い」、「適用できる材料幅が広い」、「室温保管が可能である」、「接着時の仕上げが綺麗である」などのメリットを有します。

ホットメルトの使用用途

ホットメルトは、適応材料が広い、迅速な接着が可能、安全性が高いなどの特性より様々な場面で使用されています。 主な用途としては、包装、電子部品、建築、家具、ホビー・小物類、自動車、食品などが挙げられます。

包装では、ダンボールの接着に用いられることが多く、製造業の包装ライン上の封緘機等で使用されています。 ホビー・小物類では、家庭規模でもグルーガンの接着剤として使用されています。 食品においては、その安全性故に食品包装の中で使用される乾燥剤の接着に使用されています。

ホットメルトの特徴

ホットメルトの最大の特徴は、接着速度が秒単位と、とても迅速なことです。一般の接着剤は、接着剤中の溶剤や水が揮発したり、化学反応を起こして固化したりすることで接着します。それに対して、ホットメルトはホットメルト接着剤の「加熱溶融−冷却固化」のサイクルによって接着します。

このとき、ホットメルト接着剤の冷却固化の速度が一般の接着剤の化学反応よりも速く、ホットメルトでは一般の接着剤と比べて迅速な接着が可能です。

ホットメルトの種類

ホットメルトの種類は、ベース樹脂の接着性によって大きく2種類に分かれます。

1. 配合系ホットメルト

ベース樹脂が接着性を有しない配合系ホットメルトには、ポリオレフィン系、合成ゴム系、EVAなどがあります。配合系ホットメルトの構成成分は、ベース樹脂、粘着付与剤、ワックスなどのほか、必要に応じて可塑剤、フィラー、酸化防止剤などの安定剤が含まれます。

2. 接着ポリマー系ホットメルト

ベース樹脂が接着性を有する接着ポリマー系ホットメルトにおいては、ポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系などが代表的です。

ホットメルトに類似した熱溶融型の接着剤としては、にかわが挙げられます。にかわとは、ゼラチンを主成分とする接着剤です。主に食品や医薬品に用いられる純度の高いものをゼラチン、工芸品や日本画の画材などに用いられる純度の低いものをにかわといいます。熱することでゾル化し、冷やすことでゲルとなって固定化する性質をもっています。

ホットメルトのメリットとデメリット

最後にホットメルトの特徴の基本的なメリットとデメリットをまとめます。メリットとデメリットは以下の通りです。

1. メリット

  • 短時間で接着可能
  • 接着する材料として各種に適用可能
  • 無溶剤なので安全性が高い
  • 再加熱により溶融再利用可能
  • 容易に保存や保管ができる/li>
  • 接着工程を容易に自動化可能

2. デメリット

  • 接着の耐熱性に限界がある。
  • 一般的な硬化型接着剤と比べ接着強度が低くなる。
  • 過熱溶融を行うため耐熱性の低い材料には不向き。
  • 気温によって接着性が変動する。
  • 使用に専用のアプリケーターが必要。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adhesion/42/11/42_11-5/_pdf/-char/ja
https://www.jaia.gr.jp/statistics/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adhesion/42/11/42_11-5/_pdf/-char/ja

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です