キャリアテープとは
キャリアテープとは、電子部品・半導体の半導体部品・マイクロチップの運送や保管のために使用されるテープです。
主に使われている材質はポリスチレン樹脂など樹脂を使ったものと紙を使ったものがあります。
マイクロチップなどの極小サイズの部品を扱う場合、キャリアテープに1個1個半導体を包装し、組立工場へ輸送してから、部品組立機械にセットして運ぶことができます。キャリアテープは、携帯端末やパソコンの普及により、極小チップサイズの部品を包装するために急速に需要が伸びています。
キャリアテープの使用用途
キャリアテープは携帯端末やPCの普及によって急速に需要が伸びている極小チップサイズの部品を包装するために使用されています。包装する部品のサイズや用途によって、紙製品やエンボス製品を使い分けます。
極小チップサイズの部品として集積回路 (英: integrated circuit, IC) 、チップ抵抗器、コンデンサ (キャパシタ) 、コイル,トランス、スイッチ、コネクタ、リレー、水晶振動子、LED、トランジスタ、ダイオードなどが挙げられます。
キャリアテープの原理
キャリアテープは、部品に合わせてポケットの形状を変更することで、微細な部品を包装することができます。
真空ロータリー成形により、開口Rを小さくし、しっかりした垂直壁を保持したシャープなポケット成形が可能です。さらに、挿入した部品がポケット内で転がらないようにするために、高い精度で成形されます。
リブ付キャリアテープは、ポケット内にリブを用意して、部品の動きを抑制し、リードの突き破りを防止します。また、デバイス吸着を防止するため、ポケット底部に段差を付けてデバイスを浮かせます。
透明導電キャリアテープは視認性、導電性、耐熱性に優れています。ノンカーボンであるため低発塵でクリーンな製品です。
近年では環境への配慮から、リサイクル可能なキャリアテープやバイオマスプラスチックを使用したキャリアテープなど、環境に優しい製品も開発されています。
キャリアテープは、部品を包装する際にリール状に巻かれている場合があります。これをキャリアテープリールと呼びます。
キャリアテープリールは、自動化された部品組立機械であるマウンターに供給するために使用されます。リールに巻かれたキャリアテープは、高速で部品を供給することができるため、自動化された組立ラインでは必要不可欠な部品です。
キャリアテープの選び方
キャリアテープは部品のサイズや用途によって、紙製品かエンボス製品を使用するかを使い分ける必要があります。以下では、より具体的な選び方について解説します。
1. ポケットの深さ
キャリアテープに使用されるポケットの深さは、部品の高さに合わせて選ぶ必要があります。部品がポケットよりも高く突き出してしまうと、輸送中に破損する恐れがあります。逆に、ポケットが深すぎると、部品が揺れ動いてしまうため、搬送中に破損する恐れがあります。適切な深さを選ぶことが、部品の安全な輸送につながります。
2. ポケットの形状
部品の形状に合わせて、ポケットの形状を選ぶことが重要です。部品がポケット内でしっかりと保持されるようにすることで、輸送中の振動や衝撃から部品を守ることができます。また、ポケットの形状によっては、部品の取り出しやマウンターへのセットがしやすくなるため、組立作業の効率化につながります。
3. 導電性
一部のキャリアテープは、導電性が求められる場合があります。これはキャリアテープが帯電するとほこりや塵を引き寄せます。半導体部品などはほこり、塵が性能低下につながります。またキャリアテープに静電気がたまり絶縁破壊を起こすとIC機器に異常な電流が流れて部品を故障させます。このような、塵や静電気の影響の大きい部品を入れる場合は、導電性のあるキャリアテープを選ぶ必要があります。
4. 発塵量
一部のキャリアテープは、発塵量が少ないことが求められます。例えば、半導体部品やマイクロチップなど、精密な部品には、発塵がないことが必須です。発塵があると、部品の機能に悪影響を及ぼします。そのため、ノンカーボンである透明導電キャリアテープなどが使用されます。