スタンドパウチ

スタンドパウチとはスタンドパウチ

スタンドパウチとは、自立が可能であり、底部にひだが付いている袋のことです。

日本には1960年代にフランスより技術が導入され、1980年代より徐々に広まりました。特徴として、商品の陳列性に優れ、魅力的なディスプレイを可能にする点が挙げられます。

また、充填する内容物やその使用方法に応じて、ノッチ開封やチャック・口栓の取り付けを選択が可能です。これにより、食品やトイレタリー製品など、多様な用途での使用が見られます。近年、環境への意識が高まる中、詰め替え用の製品としても採用されています。

スタンドパウチの原理

スタンドパウチの基本的な原理は、底部に特定の形状の折り目 (ひだ) を設けることで、袋が自立するようにすることです。この折り目が広がることで底面が広がり、安定した自立が可能になります。

また、この折り目はパウチが製造される際に形成され、使用時に容易に広がって袋を開くことができます。

スタンドパウチの使用用途

スタンドパウチは現在、調味料、味噌、清涼飲料水、スープ、レトルト食品、ドレッシングなど、多岐にわたる用途で使用されています。

最初に市場に登場したスタンドパウチは、水産加工品や農産加工品を缶やビンではなく、より便利に包装する目的で開発されました。技術の進化により、防湿性、透明性、真空包装の適性、耐低温性、耐衝撃性、耐磨耗性、ガスバリア性、遮光性、耐油性など、多様な特性を持たせることが可能です。

使用される範囲も広がり、口栓付きのパウチはゼリー飲料や詰め替え用の食用油にも適用されるようになりました。

スタンドパウチの特徴

スタンドパウチは製造方法によって、胴部と底部から構成される2ピースタイプと一体型の1ピースタイプの2種類に分類できます。使用される材質には、二軸延伸ポリエステルフィルム、セロファン、アルミフィルム等があります。

内容物を保護する上でバリア材の選択が重要であり、技術の進化とともにPVDCコートフィルムやアルミ箔からEVOH樹脂へと変わっています。1970年代には、レトルト対応のラミネートフィルムを開発するために高性能ウレタン接着剤が利用されるようになり、スタンドパウチの適用範囲が拡大しています。

1982年の食品衛生法の改正以降、ポリエステルやナイロンが飲料用パウチに広く用いられるようになり、包装材料とのフレーバーマッチングに注目が集まっています。低pHや高糖度に対応する技術、ボイル殺菌法とEVOHを含むラミネートフィルムを組み合わせることで、デザート用パウチが市場に出ています。

近年では、シングルサイト系ポリエチレンの採用により、ピンホールや破裂のリスクを軽減しており、O-PETやO-NYにシリカアルミナを蒸着した透明蒸着フィルムが使用されています。

スタンドパウチの選び方

スタンドパウチを選ぶ際に考慮すべきポイントは、用途、内容物の特性、包装の目的、そして消費者の利便性です。

  1. 内容物に適した材質の選択
    液体製品の場合は防漏性とバリア性が高い材質、乾燥食品には湿気を避けるための高い防湿性を持つ材質、そして粉末製品では静電気が帯びにくく、粉末が付着しにくい内面を持つ材質が適しています。
  2. 開封と再封の機能
    消費者が容易に開けられ、開封後も内容物の鮮度を保つことができるチャック付きのパウチは、開封後の保存が必要な製品に適しています。また、簡単に手で開けられるようにするためのノッチ付きのパウチもあります。
  3. バリア性能の考慮
    内容物が酸化や湿気に敏感であれば、それらを遮断できる高バリア性能を持つパウチを選ぶ必要があります。また、光に敏感な製品の場合は、光から保護できる遮光性能を持つ材質のパウチが求められます。

参考文献
http://www.spstj.jp/publication/archive/vol21/Vol21_No3_1.pdf
https://www.fujiimpulse.co.jp/docs/clmn/pbk081_083/pbk083.html

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