露点計

露点計とは

露点計とは、大気中の湿度を測定するための装置です。

特に、水蒸気が凝結して水滴や霜が形成される温度を示すのに使用されます。露点計の主な目的は、湿度と温度のデータを組み合わせて、空気中の水蒸気の過飽和度や凝結のリスクを評価することです。

露点計は多くの場合、冷却ミラー法や冷却鏡法を使用して、水蒸気の凝結点を正確に測定します。湿度の変化や凝結の可能性に対する警告や制御が可能となるため、さまざまな産業やアプリケーションで使用されています。

露点計の使用用途

1. 湿度管理

露点計は、湿度を正確に測定し、特定の湿度レベルに達した際に結露が発生するかどうかを監視するのに使用されます。建築物や工業プロセスにおいて、湿度を管理する際に役立ちます。例えば、建物の内部で結露が起きると、カビや腐食などの問題が発生する可能性があるため、湿度制御が重要です。

2. 気象観測

気象庁や気象予報士が天候予測を行う際に、大気中の湿度と温度を監視し、結露や凝結の可能性を評価します。これにより、降水の予測や霧、霜、凍結の予知が可能となります。

3. 冷蔵庫や冷凍庫の管理

露点計は冷蔵庫や冷凍庫内の湿度を監視し、食品や医薬品などの保存条件を維持するのに使用されます。湿度が適切でない場合、食品の劣化や医薬品の品質の低下が起こる可能性があります。

4. 工業プロセス

工業プロセスにおいては、露点計は製品の製造や品質管理に使用されます。特に、特定の湿度条件が必要な製造プロセス (例: 塗装、乾燥、プラスチック成形など) において、湿度制御が重要です。

5. 環境モニタリング

環境保護や品質管理の観点から、露点計は大気中の湿度を監視するために使用されます。湿度の変化は、空気中の水分の量や汚染物質の拡散に影響を与える可能性があるため、環境モニタリングにおいて不可欠な装置です。

露点計の原理

露点計は、空気中の水分を測定する機器です。その測定方法は「静電容量式」と「鏡面冷却式」の2つに大きく分けられます。

静電容量式は簡単に測定できるため、ポータブル型などで活躍します。一方、鏡面冷却式は精度が高く、精度が求められる場合に使用されるケースがほとんどです。

1. 静電容量式

静電容量式は、電気の作用を利用して水分を検出する仕組みです。静電容量式は非常に細いセンサーが中に入っており、特殊な金属が蒸着されています。

このセンサー部に水分が付着すると水分の量により抵抗値が変化し、この抵抗値の変化を水分量としてセンサーから出力されます。

2. 鏡面冷却式

鏡面冷却式は、機器内部の鏡面に露点を測定したいガスを吹き付けます。その後、冷却をすれば鏡面に結露が発生し、鏡面を加熱すれば結露が無くなります。

これらの作業を繰り返して一番バランスの良いところを露点として出力するため、精度の高い測定が可能ですが若干時間がかかることが欠点です。

露点計の選び方

1. 使用用途

露点計を選ぶ際は、まず最初にその具体的な用途を明確にすることが重要です。例えば、建築、工業プロセス管理、気象観測、または環境モニタリングなど、使用する分野や目的によって必要な仕様が異なります。

2. 測定範囲と精度

露点計の測定範囲と精度は非常に重要です。測定する温度と湿度の範囲がカバーされ、かつ精度が高いものを選ぶ必要があります。

用途に応じて、適切な測定範囲と精度は異なります。高精度かつ広範囲であれば価格が高くなるため、予算との兼ね合いも重要な選定基準です。

3. データロギングと通信

測定データの保存、分析、および共有が必要な場合、露点計がデータロギング機能や通信機能をサポートしているか確認します。データの管理やリアルタイムのモニタリングが重要な場合に、最も適した機能を備えた露点計を選ぶ必要があります。

4. 耐久性と保守

露点計は長期間にわたって正確な測定を提供する必要があります。したがって、耐久性のある製品を選びます。

また、保守作業や校正が容易かどうかも重要な要素です。長期的な使用を考えて、保守性が高い露点計を選ぶことをおすすめします。

参考文献
http://www.nykk.co.jp/products/dew_point_recorder/and_dew_point_recorder.html
https://www.tekhne.co.jp/dewpoint/
https://www.tekhne.co.jp/products/dewpoint/

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