基板実装用ヒューズ

基板実装用ヒューズとは

基板実装用ヒューズ

基板実装用ヒューズとは、表面実装技術 (英: Surface Mount Technology) を用いて電子基板に直接実装できる小型のヒューズです。

主に電子回路や基板上で使用される保護デバイスの1種です。基板実装用ヒューズは、過電流やショート回路から電子回路を保護する重要な機能を果たします。電流が定められた定格電流を超えると、ヒューズが遮断して電流を停止することで回路やデバイスを損傷から保護することが可能です。

ヒューズは機械的なデバイスであり、信頼性が高いです。したがって、長寿命で安定して機能します。また、基板実装用ヒューズは小型で基板上に直接実装できるため、高い集積度を実現します。

ただし、適切な評価電流や応答時間を選定することが重要です。回路に流れる電流がヒューズの定格を超えると、ヒューズが誤って遮断されたり、保護が不十分になる可能性があります。

基板実装用ヒューズの使用用途

基板実装用ヒューズは、電子回路や基板上でさまざまな用途で使用されます。これらのヒューズは回路やデバイスを過電流やショートから保護し、信頼性を向上させる重要な役割を果たします。以下は、基板実装用ヒューズの一般的な使用用途の一例です。

1. 通信機器

通信機器はネットワークやデータ転送を扱うため、信頼性が非常に重要です。基板実装用ヒューズは、通信回路を保護するために用いられます。

例えば、ネットワークインターフェースやデータ通信回路において、突発的な電流の増加やショートを防ぐためにヒューズを配置します。これにより、データの正確性やネットワークの安定性を確保することが可能です。

2. 自動車部品

現代の自動車は、高度な電子制御システムを搭載しています。エンジン制御ユニットやエアバッグ制御モジュールなどの電子部品は、基板実装用ヒューズを使用して保護されることが多いです。車両内の電気系統や電子部品の安全性を確保し、万一のショートや過電流から乗員を守る役割を果たします。

3. 消費電子製品

家電製品や消費者向けの電子製品においても、基板実装用ヒューズが一般的に使用されます。テレビや冷蔵庫などの家電製品や、コンピュータやスマートフォンなどの電子機器などがその一例です。過電流や異常動作から保護されることで、長期間の安定した動作が期待できます。

基板実装用ヒューズの原理

基板実装用ヒューズは、電気的な回路や基板上で過電流やショートを防ぐための保護デバイスです。ヒューズの原理は非常にシンプルで、電流が定められた定格電流を超えるとヒューズが破断する仕組みです。

ヒューズは導体である金属箔や導体線で構成されています。定格電流以下の範囲ではヒューズの導体は通電状態となり、電流がヒューズを通過します。ヒューズの抵抗は非常に小さいため、回路の動作にほとんど影響を与えません。

電流が定格電流を超えると、ヒューズの導体が加熱されます。導体は電流の流れによって発熱するため、過電流が流れる時間と大きさに応じて加熱される仕組みです。

ヒューズの導体が過度に加熱されると、その部分が溶断または融解します。これにより、ヒューズの通電路が断たれ、回路電源を遮断することが可能です。

基板実装用ヒューズの選び方

基板実装用ヒューズを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。以下は選定における要素一例です。

1. 実装方法

基板実装用ヒューズは、さまざまなパッケージ形状で提供されています。チップヒューズやリード線ヒューズなどが一般的です。実装する基板の設計やサイズに合わせて適切なパッケージ形状を選ぶことが重要です。

2. 定格電流

定格電流は、ヒューズが許容できる最大の電流値を示します。基板実装用ヒューズを選ぶ際には回路に流れる電流を考慮し、定格電流を適切に選定することが必要です。定格電流より大きな電流が流れると、ヒューズが遮断されるため、過電流から回路を保護することができます。

3. 定格電圧

定格電圧は、安全に遮断可能な最大の電圧値を示します。基板実装用ヒューズを選ぶ際には回路の動作電圧を考慮して適切に選定する必要があります。定格電圧を超える電圧がかかるとヒューズが故障して遮断不可となる場合もあり、大変危険です。

4. 応答時間

応答時間はヒューズが過電流を検知して遮断するまでの時間です。回路の応答時間要件に合わせて、適切な応答時間のヒューズを選ぶことが重要です。

応答時間が短いヒューズは過電流が発生した際により速やかに遮断するため、より高い保護性能を持ちます。ただし、誤遮断の危険も高くなります。

参考文献
https://kurashi-no.jp/I0017408

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