スタンドパックとは
スタンドパックとは、自立袋とも呼ばれる、袋の底が円形や船底のような形状をしたマチという部分がある梱包用の袋をいいます。
袋の底が円や船底の形状であることによって、袋が自立するので、店舗での保管や陳列、袋の中身を実際に使う際に他の容器に入れ替えなくても使うことができるといったメリットがあります。
また袋に使うフィルムの素材によって中身の保存状態を良好に保つための機能を付加できるのも、スタンドパックの特徴の一つです。
スタンドパックの使用用途
スタンドパックは食品用途によく使われています。具体的には粉末飲料やサプリメントとして用いられるプロテインなどの粉末状の製品、錠剤状のものなどの製品によく用いられます。これら製品は一定量を少しずつ、一定期間内に分けて使用することが多いため、保管容器としても使えるスタンドパックのメリットが活かせる製品です。
加工製品以外にもミニトマトやイチゴなどの青果も、店頭での陳列に向いていることからスタンドパックが選ばれます。
食品以外では液体の洗剤や化粧品、医薬品の包装にも、スタンドパックが用いられています。
スタンドパックの原理
スタンドパックが自立できるのは、底にマチがあるからです。マチは円形や船底型が多く用いられますが、マチが底面に平面状の形状を形成し、さらに製品そのものの重心が低くなることによって、スタンドパック全体を安定して自立させることができます。
またスタンドパックの多くは上部にも、開封口として使いやすくなる工夫がされています。まず開封しやすいように切り口となるノッチ形状を設けることによって、ハサミやカッターなどを持ちなくても、手で開封させることが可能です。
切り口のノッチ形状と合わせて用いられるのが、ジップやジッパーなどと呼ばれる密封と開封を保つことができるものです。手で押さえたり広げたりするだけで開封と密閉を保つことができるため、スタンドパックは中身の製品を一定期間に渡って使う場合でも、他の保存容器に移し替えずそのまま使うことができます。
スタンドパックのその他情報
スタンドパックに用いられる材質
スタンドパックは消費者が実際に商品を使用する間、製品の性質を変化させることなく保存しなければなりません。そこで中身の製品の特性に合わせた材質を選ぶことが必要です。
以下にスタンドパックに用いられる主な材質と特徴を説明します。多くは2種類以上の材質を組みわせて使われます。
OPPとCPP
OPPとCPPは私たちの日常生活で多く用いられているフィルム素材です。OPPとはOriented Polypropylene (二軸延伸ポリプロピレン) の略称で、ポリプロピレンを直交する2方向に伸ばしてフィルム状にしたものです。直交2方向に伸ばすことによって、フィルム自体に腰が生まれ、切れ目を入れておくと軽い力で引き裂くことが可能です。防湿性が高く透明度もあるので、中身を見せたい場合にも適しています。CPPはCast Polypropylene (無延伸ポリプロピレン) のことで、引っ張ると伸びるのが特徴です。
スタンドパックではOPPとCPPを組み合わせたOPCPラミネートとして使われます。
ナイロンとLLDPE
LLDPEはLinear Low Density Polyethylene のことであり低密度ポリエチレンを指します。ナイロンと組み合わせることによって、鋭利なものであっても穴が空きにくい突刺強度や衝撃強度、耐油性に優れたフィルムになります。真空包装、水物包装、冷凍食品や水産加工品などに適したフィルムです。
アルミ蒸着付き
基本となるフィルムにアルミ蒸着を施すことによって、保存性を高めたものもあります。酸素バリアが高いのでカビの発生を抑制できるほか、防湿性も高くできるため米菓や乾燥食品が吸湿するのを防ぐことが可能です。また遮光性も良好なので、太陽光によって変色しやすい製品の保存にも適しています。