サイクルラックとは
サイクルラック (英語:cycle rack) とは、自転車を収納するためのラックのことです。
自転車ラック・駐輪ラックとも呼ばれています。近年の日本の住宅では、一戸建や集合住宅に関わらず、敷地が限られているケースが多いです。特に集合住宅では、狭い敷地に多くの自転車を収納する必要があります。
このような時にサイクルラックを用いることで、狭い敷地により多くの自転車を収納できるようになります。
サイクルラックの使用用途
サイクルラックは、特にマンションなどの集合住宅に設置される場合が多いです。その他、駅の近くや商業施設・公共施設の駐輪場などにも、サイクルラックが設置されています。
自立できないスポーツ自転車でも簡単に一時駐輪できるサイクルラックや自動車に自転車を取り付ける車載用サイクルラックも販売されています。
サイクルラックの原理
サイクルラックには2段式と平面式の2種類があり、さらに多くの種類に細分されます。
1. 2段式サイクルラック
- 2段式ラック
2段式ラックは、最もスタンダードなタイプのサイクルラックです。上段レールを一度手前に引出してからレールを斜めにして、自転車を持ち上げて収容します。ガススプリングなどを使って軽く上げる方式もあります。下段は固定式タイプです。 - 垂直2段式ラック
垂直2段式ラックは、操作性と収容効率を両立したサイクルラックです。上段はレールを垂直に上下させて自転車を収容し、下段はスライド式でより多くの自転車を収容可能にします。 - 2段式下段スライドラック
2段式下段スライドラックは、下段がスライドラックで、最も収容効率が上がりますが、天井の高さが要求されます。
2. 平面式サイクルラック
- スライド式ラック
スライド式ラックは、ラック本体が左右に移動可能で、自転車の出し入れを容易にしたものです。前後入れタイプもあり、自転車を前入れ、後入れと交互に入れます。ハンドル同士の干渉が緩和できます。 - 傾斜ラック
傾斜ラックは、ラック本体の高低差で、ハンドルによる干渉を緩和し、自転車全体を収容することを可能にします。 - 平置きラック
平置きラックは、前輪だけを収納するシンプルなラックで、最もコストを抑えることができます。 - スポーツ自転車用ラック
スポーツ自転車用ラックは、1本の水平パイプにサドルを引っ掛けるタイプです。スタンドをつけないことが多く、駐停車時も自立しない自転車用です。
サイクルラックのその他情報
1. 車載用のサイクルラック
サイクルラックには、固定されたタイプ以外に車載用のラックがあります。車載用のサイクルラックは、車に自転車を乗せるためのアタッチメントで、車に後付けすることができます。車載用のサイクルラックは、外付け用と室内用に分類されます。
- 外付け用
外付け用は、車の上部や後部に取り付けることが可能で、1~2台程度の自転車を固定できます。上部に取り付ける場合は、別途ベースキャリアと呼ばれるパーツが必要になります。外付けのサイクルラックは車内スペースを必要としないというメリットがありますが、適切に取り付けないと滑落の危険があります。また、雨の日には自転車が濡れてしまうことや、車の空気抵抗が増えて燃費が悪くなるなどがデメリットです。 - 車内用
車内用は、主にトランクスペースに取り付けるタイプのサイクルラックです。トランクの広さにもよりますが、1~3台程度の自転車を収納することができます。車内スペースを大幅に取ってしまうことがデメリットですが、自転車の破損リスクや滑落リスクがないメリットがあります。
2. サイクルラックの素材
野外で利用するサイクルラックには、高い耐久性能が求められます。そのため、サイクルラックに用いられる素材は、雨風に強い鉄製かステンレス製のものがほとんどです。中にはデザイン性が高い樹脂でできたサイクルラックもあります。樹脂でできた製品は、様々なカラーバリエーションがあることが特徴です。
一方、屋内で利用するサイクルラックは、インテリアの要素も必要であるため、木材を用いたものやゴムでできたものなど、多種多様な素材が用いられています。特に高価な自転車を収納するケースが多いこともあり、自転車を傷つけないように表面の加工がされている製品もあります。製品によっては、ロープを用いてハンガー式で自転車を吊るす構造のものもあります。
参考文献
http://www.nichipure.co.jp/rack/r_top.html
https://pedalista.net/beginner-2/4536
https://www.bikecarrier.jp/