樹脂バルブとは
樹脂バルブはPVCやPTFEのようなプラスチックで構成されたバルブです。
ステンレスや鋳鉄でできたバルブでも一部樹脂を使用している物もありますが、樹脂バルブの場合は全て樹脂で構成されています。その為、樹脂でなければ使用できない腐食性環境や金属などが使用不可能なラインにおいて使用できるバルブです。
ただし、樹脂でできているので絶対的な強度は金属に劣ってしまいます。また、太陽光の下で長期間使用すると劣化して強度が低下してしまう場合もあります。
樹脂バルブの使用用途
樹脂バルブは薬品に侵されにくい特徴を利用して、腐食性薬品のラインに多く用いられます。特に35%等の高濃度の塩酸のラインでも使用できるので、強度的に問題が生じない場合は樹脂バルブが良く用いられます。
硫酸であれば高濃度の場合はSGPでも問題ないですが、塩酸の場合は不可能ですので必然的に樹脂が第一選択となります。
また、いろいろな流体が混合する時に腐食性流体が流れる場合にも樹脂バルブが良く用いられます。また非常に溶出量の少ない樹脂で作られたバルブを使用すれば、純水のようなラインでも問題無く使用する事が出来ます。
樹脂バルブの原理
樹脂バルブはその構成材料のほとんどすべてをPVCやPTFEで作成する事により高い耐腐食性を発揮します。
これには腐食性以外にも大きな利点があり、基本的に樹脂でできているので重さがとても軽く配管にかかる負担も少なくなります。
ステンレス鋼でできたバルブにPFAコーティングやゴムライニングを施したバルブもありますが、これらは一般的に非常に重くてライニングなどが必要な分工数も多くかかります。また、万が一コーティングやライニングに破損が生じるとその部分の耐食性は無くなってしまうので、腐食が一気に進行してしまいます。
その分樹脂バルブであれば重さも軽く、構成材料自体が耐腐食性を兼ねているので大きな利点となります。
ただし、樹脂の特性上紫外線の下では劣化する場合があります。よく屋外に放置されたプラスチックが白くなるのと同じ現象で、PVCも徐々に劣化して強度を失っていきます。その為、屋外で使用する場合は定期的に交換するなどの対応が必要となります。
同様にプラスチックなので耐衝撃性は劣ります。その為ウォーターハンマーなどがおそれられるライン使用は慎重に検討する必要があるだけでなく、配管サポートもしっかりと確保する必要があります。
参考文献
https://www.eslontimes.com/system/items-view/112/
https://www.asahi-yukizai.co.jp/product_type/valve-manual/