メッシュパレットとは
メッシュパレットの基本的な構造
倉庫内や建築作業現場などで、金属製の網で出来た箱に荷物を入れて運搬しているのを目にしたことがあるかと思います。
その金属製の網で出来た箱は、メッシュパレットと呼ばれる輸送容器で、金属製の網状の板を組み合わせて構成されており、箱の形状であることから、メッシュボックスやメッシュコンテナ、網カゴとも呼ばれます。また、パレティーナや網パレットなどとも呼ばれています。
メッシュパレットの基本的な構造は、図1に示すように、金属製の網状の板を組み合わせて搬送台となる部分に対向する上面が開口部となっている構造です。
図1. メッシュパレットの基本的な構造
箱状であることから、内部に荷物を収納して、荷物の運搬や保管および整理などに使用されます。金属製の網で出来ているため、軽量かつ堅牢であり、荷物を運搬する際の荷役台(パレット)としても、荷物を運搬や保管する際のコンテナとしても、商品をそのまま保管および陳列できるラックとしても利用される非常に便利な輸送容器です。
メッシュパレットの仕様
メッシュパレットには様々な仕様があります。大きさは、高さ、幅、奥行きで決まりますが、どのメーカーも大体同じようなラインナップを取り揃えています。
メッシュを構成する金属網の網目のピッチの大きさは、基本的に、25×50、50×50、50×100(mm)の3種類です。ピッチが細かいほど丈夫であるというメリットがありますが、ピッチが細かいほど重さが重くなることとコストもかかるデメリットもあります。
基本的な構造は図1に示したように、上面が開口している箱状ですが、図2aに示すように側面が折り畳み構造となっていて、図2bに示すように折りたたんで平らに出来るタイプもあります。
図2. 折り畳めるタイプのメッシュパレットの構造
このように折りたためるタイプは、使用しない時は折りたたんで重ねて保管できるため、非常に便利です。また、折りたたんだ状態であれば、複数のメッシュパレットの移動も比較的容易です。
折りたたむタイプの中には、搬送台底面脚部を重ねやすい構造にし、重ねたときに安定する様にしたものもあります。搬送台の下側にフォークリフトの爪を入れる挿入口を設けたものやホイストクレーンに対応するものもあります。さらには、クレーンでの吊り上げに対応するのは、上蓋がついているタイプや、図3に示すような吊り金具がついているタイプです。
図3. 吊り上げ対応するタイプのメッシュパレットの構造
さらに、搬送台部分にキャスターがついているものもあります。キャスターがついているタイプは、押すだけで容易に移動できるのがメリットで、キャスターの位置や個数によっても使い勝手が変わるのも特徴です。
一方、キャスターがあることで安定性が下がるので、段積みして保管する際には高さに制限があります。
まとめ
メッシュパレットは、パレットとしてもコンテナとしてもラックとしても使える非常に便利な荷物輸送容器です。メッシュパレット一つで三つの用途に対応できることから、コストの削減にもつながります。箱状なので、金属や食品、書籍など、積み荷の種類や形状も選ばず、特に重量物を積載する向いています。
メッシュパレットは、本体の大きさ、網目の大きさ、耐荷重などの基本特性のほか、折りたためるタイプかどうか、キャスターの有無や位置、吊り下げるタイプかどうかなど様々な特性を持ちます。これらの特性を運搬する製品や使用用途、業務効率および予算と照らし合わせてメッシュパレットを選択して使い分けることが必要です。
なお、メッシュパレットにはメッキが施されていますが、運搬時、フォークリフトの爪などが当たり傷がつき、そこから徐々に錆びていきます。そのため、積載物を汚さず安全に運ぶためにも新品を使うことが推奨されます。