フライアイレンズ

フライアイレンズとは

フライアイレンズとは、上下左右にレンズを配置したレンズ体です。

見た目がハエの目に見える形状をしており、フライアイレンズと呼ばれています。複数のレンズがあることで、1枚のものに比べて、光源の輝度むらを少なくすることが可能です。ただし、LEDは輝度ムラが課題となっています。

そのため、LEDを使う装置の中で使われることが増えています。配置されるレンズの形は、場合によってさまざまです。ハニカムコアのように六角形のレンズを並べることもあれば、四角形の形状のものを並べることもあります。

フライアイレンズの使用用途

フライアイレンズは主に光学用途で用いられ、特に均一な光源が求められる装置で使われています。使用される用途の1つとして、プロジェクターが挙げられます。プロジェクターは映画鑑賞やスポーツ観戦などの娯楽のイメージが強いですが、ビジネス用途でも多く用いられています。

フライアイレンズを用いることで、投影したい光学画像を拡大することが可能です。用途の多様化やきれいな映像が求められることになり、高輝度化が進みました。輝度が高くなるとムラが目立ちやすくなるため、解消するためにフライアイレンズが使用されています。

また、不均一な光強度のレーザー光を均一化する際にも、フライアイレンズは有用です。

フライアイレンズの原理

フライアイレンズを使用することで、入射光の強度を均一化することが可能です。入射強度が不ぞろいなレーザー光等が入射されると、構成している複数の凸レンズそれぞれに光が入射されます。レーザー光はガウシアンビームといった強度の分布を取っているため、強度が不均一です。

この段階では、各凸レンズに入る光の強度は均一ではありません。凸レンズへの入射光は、焦点に向かって像を結びます。各レンズで像の生成が行われ、出力される面に対しては像の重ね合わせが起こります。

像が重ね合っているため、入射時には不ぞろいな強度であったレーザー光でも均質な強度で照射が行われます。以上の原理から凸レンズの数を増やすことで、入射光を細かく分割するほど均一化の精度を高めることが可能です。

フライアイレンズの構造

フライアイレンズは単体ではなく、複数のレンズ層で構成して使用します。光源に一番近いレンズが、フォーカスレンズです。光源からの光を対象物にそのまま照射しただけでは弱いため、光を収束させて強いエネルギーに変換します。光が収束する部分とレンズ間の距離は、焦点距離と呼ばれます。焦点距離はレンズの屈折率により異なります。

真ん中と逆側の端に位置するレンズが、フライアイレンズです。複数枚の凸レンズから構成されており、真ん中のレンズは光源に対して凸側が向いています。ここではフォーカスレンズで収束された光を、広げていく役割を持ちます。

端にあるレンズは、光源に対して平らな面が向けられています。2枚目のフライアイレンズで広がった光を更に均一に広げていきます。

フライアイレンズのその他情報

フライアイレンズの機能

機能の1つに光強度の均一化があります。これはレーザー光などで光源の強度が不均一な光に対しても、レンズを通すことで等しい強度の光を出力することができる機能です。各凸レンズへの入射光は一度集光された後に拡散されるため、出てくる光が均一になる仕組みです。

他の機能としては光学画像の拡大・縮小機能があります。この拡大と縮小機能は、フライアイレンズの各凸レンズで集光して出たそれぞれの光学画像が再度重ね合わせられることで実現されています。

最近では、ホログラフィ像を作製する目的でフライアイレンズを用いられる研究も行われています。従来使われていたレーザーに比べると、フルカラー化や場所を選ばない点で優れています。一方で、費用が高額な点が課題です。

参考文献
https://www.global-optosigma.com/jp/Catalogs/pno/?from=page&pnoname=FEL&ccode=W3183&dcode=
http://ex-press.jp/wp-content/uploads/2012/09/0433e6d79a4739f7074fc66932c37b81.pdf
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/35-06-sougou.pdf
https://www.uesltd.co.jp/laser_machining/focus_lens.html
https://www.olympus-lifescience.com/ja/support/learn/02/033/

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