防根シート

防根シートとは

防根シートとは、様々な根や樹木を侵入させないために、地中に埋め込むシートのことです。

根による土の持ち上がりや、根自身の露出、また地中に埋めた様々なものへの被害を防ぎます。防根シートは耐根シートとも呼ばれ、シートが丈夫で破れにくく土や根からの圧力に耐えることが可能です。

実際にしばらく設置した防根シートを撤去してみると、地下茎が防根シートの側面に突き当たり、側面に沿うように伸長方向を変化させている様子が分かります。防根シートには透水性の有無や薬品使用の有無など、製品によっても違いがあります。

防根シートの使用用途

防根シートは、根の広がる範囲を制御するために地中に埋め込んで使われます。具体的な場所として、畑や庭、地中にパイプがある箇所などが挙げられます。

防根シートの特徴

長所

防根シートの長所には、地面の持ち上がりや、地上への根の露出、地中に埋め込んだ配管への貫通を防ぐことなどが挙げられます。樹木や竹などの根は、そのままにしておくと障害物があっても所構わず伸びてしまいます。

そこで防根シートを地中に埋めることで、根の侵入範囲を制限することが可能です。防根シートは非常に丈夫で破れにくく、土や根の圧力にも負けないのが特徴です。

短所

防根シートの短所としては、コストがかかること、設置に労力がかかること、適切に使用しないと植物の生育に悪影響を及ぼしてしまうことなどが挙げられます。

特にコストと労力に関しては、初期に負担が大きくなることは避けられません。また防根シートを不適切に使用すると、植物の根の張りが悪くなることがあります。この結果、植物が風で倒れやすくなるなどのデメリットがあります。防根シートの特徴を理解し、正しく使うことが重要です。

防根シートの種類

防根シートは、水との相性や薬剤の使用の有無によって、種類が分かれます。使用目的に合った種類を理解することが大切です。

1. 物理的に制御するもの

密度の高い不織布シートやプラスチックをシート状に成型した防根シートは、根の成長を物理的に制御することが可能です。また水を通さないタイプの防根シートであれば、穴がないので、細い根の侵入もしっかりとガードすることができます。

またこのタイプの防根シートは、薄くて硬いものが主流で、耐用年数は半永久的と優れものです。価格が安く、薬剤も含まれていないため、植物の生育への影響も少なく手軽に使用できます。

2. 化学的に制御するもの

植物の根の成長を阻害する薬剤を付けた防根シートは、時間をかけて薬剤が溶け出すことで植物の根の成長を化学的に抑制することが可能です。

温度によって効果の持続時間は異なりますが、目安としては30~50年ほどの耐用年数が見込めます。価格が非常に高く、公共工事などで利用されることが一般的です。

防根シートの選び方

防根シートと似たものに、防草シートがあります。防根シートが植物の根の成長範囲を制御するのに対し、防草シートは植物を枯らすことを目的としたシートです。しかしながら、防草シートの中には防根機能を備えたものもあります。

防根シートには、水との相性や強度、薬剤の使用の有無などによって様々な種類があり、さらに防根機能を備えた防草シートも存在しています。導入を検討する際には、どの植物に対してどのような目的で使用するのかよく検討したうえで、条件に合った防根シートを選ぶことが大切です。

防根シートのその他情報

防根シートの施工方法

防根シートの施工方法にはいくつか種類があり、垂直施工や平面施工などが挙げられます。

1. 垂直施工
垂直施工とは、樹木や竹のまわりを囲む施工方法で、樹木や竹を設置したい場所があらかじめ決まっている場合に使います。設置したい場所に穴を掘り、掘った深さにあわせてシートを垂直に広げるように設置した後、土を埋め戻してシートを固定します。

垂直施工では、横方向に侵入する根を制御することが可能です。そのため垂直施工は、舗装道路の脇へ植栽する場合などに使われます。

2. 平面施工
平面施工とは、地下に埋まっている配管などを、根の侵入による被害から守るための方法です。配管などの埋設物に対して上の地面を平らにならし、その上に防根シートを平らに広げるように設置します。上から土をかけて戻せば完成です。植栽する場合は、植え穴を残しておくことがポイントです。

平面施工は配管などの埋設物の上に植栽する場合の他、屋上緑化などでも使われます。

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