草木灰とは
草木灰とは、ワラや落ち葉などを燃やして作られた灰のことです。
草木灰は肥料の役割だけではなく、土壌改良資材としても使用されます。草木灰を作るためには、ワラなどを燃やす野焼きをする必要がありますが、多くの地域で野焼きが禁止されています。
現在は、通販やホームセンターなどで販売もしており、そちらで購入することも可能です。草木灰は植物を栽培する上で非常に重要な肥料である上、土壌改良材でもあります。
草木灰の使用用途
草木灰には様々な役割があります。草木灰の具体的な使用用途は、以下の通りです。
1. 土壌改良
多くの植物は、酸性土壌で栽培することが難しいです。草木灰を一緒に土壌へ混ぜることで、酸性土壌を中和することができます。
実際に土づくりをする場合は、草木灰に加えて、牛ふんなどの土壌改良材と一緒に混ぜる場合が多いです。一般的には、複数の土壌改良剤と使用し、お互いに足りない成分を補います。
2. 生育肥料
草木灰には、カリウムという物質が多く含まれています。特に、カリウムは根の肥料となり、根が強くなると植物全体の成長につながります。
カリウムは他の肥料にあまり含まれていない物質です。そのため、草木灰はカリウムを補うことを目的に、肥料として使用される場合もあります。
草木灰に含まれているカリウムは水溶性であり、即効性が高く、すぐに効果が出やすいです。
3. 殺菌剤
アルカリ性である草木灰には、防腐殺菌効果があるため、長期的に保存する際に使用される場合もあります。例えば、ジャガイモなどの種イモの断面に草木灰をふるうことで、断面からの腐敗を防止できます。
また、土壌に混ぜることで、防虫効果もあるため、害虫が近くに来ないようにすることも可能です。
4. 殺虫剤
葉面に少量の草木灰を振りかけることで、防虫や殺虫の効果が期待できます。例えば、葉によく付いてしまうアブラムシ、アオムシなどによる被害を防止できます。
また、葉面だけではなく、地表面に薄く振りかけることによって、ヨトウムシの駆除にも効果があるとされています。
草木灰の特徴
草木灰の成分は、燃やした植物に応じて変化しますが、一般的に、カルシウム、リン酸、カリウムなどの物質をそれぞれ数%ずつ含んでいます。また、肥料として植物の生育に必要な窒素がほとんど含まれていないことから、他の肥料と併用する必要があります。
長所
草木灰の長所は、お手頃な価格で購入できることです。草木灰は植物を燃やすだけで作ることができるため、他の肥料に比べて低価格です。
また、他の肥料では補えない栄養素を含有していることや、土壌改良材として使用できることもメリットとして挙げられます。植物の種類問わず幅広く使用できるため、植物栽培において重宝します。
短所
草木灰の短所は、使用量に注意する必要があることです。様々な効果があるからといって、大量に草木灰をまきすぎてしまうと、土壌が強いアルカリ性になってしまいます。
強いアルカリ性の土壌は、他の栄養素をうまく吸収できなくなるため、植物の生育に悪影響を及ぼします。また、草木灰だけで肥料として扱うには不足するものが多く、他の肥料と一緒に使用する必要がある点も短所として挙げられます。
草木灰の使い方
草木灰と一緒に窒素成分が多い肥料を与えると、化学反応が起きてしまう可能性があります。そのため、草木灰と窒素分が多い肥料は、期間をずらして与えることが大切です。
1. 肥料としての使用する場合
植物を植え付ける際に、植物の周辺に草木灰をまいておくことでカリウムが補給され、根が生育しやすくなります。また、草木灰は土を固くしにくく、アルカリ性にすることができるため、土作りの際に一緒に配合することもあります。
2. 切ったじゃがいもの種芋を植える場合
じゃがいもの種芋を切ったときに、草木灰を切り口につけることで、切り口からの腐敗を防げます。また、草木灰は肥料として使用することもできるため、洗い流さずそのまま植え付けられます。