アンカーピンとは
アンカーピンとは、農業用地のシートを固定するための留め杭です。
基本的に金属製のものが流通しており、T字型やU字型など種類が豊富です。アンカーピンによる固定は、ハンマーなど身の周りにある道具を使い、ピンを打ち込むだけで完了します。
さらに、専用のワッシャーをピンとシートの間に挟むことで、ピン周辺のシートへの負荷を下げられるため、長期間安定した状態を保持することができます。しかし、ハンマーの打ち逃しで、シートを殴ってしまうと、破れてしまうこともあるので注意が必要です。
アンカーピンの使用用途
アンカーピンは、シートやネットを地面と密着させるために用いられます。例えば、遮光により雑草の生育を防ぐ防草シートや農業用地に置く資材を固めて置いておくための飛散防止ネットです。特に、シートは雨風に晒された場合、めくれてしまうことがあります。
土壌が露出すると雑草が生育するなど弊害が発生するため、アンカーピンが重宝されます。特に、風が強い地域や季節を中心に用いられる場合が多いです。さらに、アンカーピンは、獣害や鳥害、または害虫対策のためのネットを固定するために使用されています。
アンカーピンの特徴
長所
アンカーピンは形状や大きさなどの種類が豊富で、様々なものの固定に使用することができます。専用の道具がいらず、柔らかな土質であれば簡単に使用することが出来ることも特徴の一つです。
防風などの環境から守る効果や土壌とシートに隙間があることによって雑草、獣害、鳥害、病害虫による被害を防ぐ効果もあります。
短所
アンカーピンは先がとがっており、地面に置いてあるアンカーピンを踏んでしまうと長靴を貫通するほどの強度があるため、保管の際に注意が必要です。大量にまとめて袋などに入れておくとアンカーピンの先で袋が破損する可能性があります。保管する場合は、頑丈な容器に入れるなどの対策が必要です。
また、大きさがあっていないアンカーピンを使用した際や、地面への固定が十分でない際に風や鳥によって簡単に抜けてしまうことがあります。
アンカーピンの種類
アンカーピンには、豊富な種類が存在します。アンカーピンの形や大きさだけでなく、土壌の固さや性質に合わせ、土に刺さる胴体の部分や、先端部に加工がされているものもあります。
使用する現場の状態を把握し、使用用途に応じて使い分けることが重要です。
1. L型アンカーピン
もっとも一般的なL字型の形状のアンカーピンです。歪みにくく、作業性に優れ、表面が滑らかなため安全性が高いです。
2. U字アンカーピン
U字の形状をしたアンカーピンです。先端が2か所に刺さるため固定力が高く、目が粗いネットも頑丈に固定することが出来ます。また、抜けにくいことも特徴です。
3. J型アンカーピン
U字アンカーピンと似た形状で、一方が短くなっていることが特徴のアンカーピンです。打ち損じが少なく、ネットをひっかけて細かく固定することが出来ます。
4. 異形L型アンカーピン
表面に凹凸が付いていたり、先端がねじの形をしてたりといった特徴のあるL字型のアンカーピンです。凹凸がすべり止めになり、抜けにくく頑丈に固定することが出来ます。
アンカーピンの選び方
アンカーピンには様々な形状、大きさ、特徴のものがあり、アンカーピンを使用する状況に応じた使い分けが必要です。あまり強い風が吹かず高い固定力を必要としない場合や、作業性を優先する際はL型アンカーピンを用いるのが一般的です。
使用するネットの大きさや目の粗さ、求める固定力の高さによってアンカーピンの形状や太さ、長さを選択することができます。
アンカーピンの使い方
ネットを張り、アンカーピンをネットに引っ掛けるようにして打ち込みます。地面が柔らかい時は足で打ち込むことも可能ですが、地面が硬い場合は無理に押し込むとアンカーピンが歪む恐れがあるため、ハンマーを用いて丁寧に打ち込むことが大切です。
固定に必要な本数はアンカーピンの大きさや種類によって変動するので、必要に応じた数を使用します。打ち込みが甘いと強風が吹いた時や作業中に足が引っかかるだけでも簡単に抜けてしまうため、アンカーピンの根元まで深く打ち込む必要があります。
注意点として、畝に近い位置にアンカーピンを打ち込むと、作物の根を傷つけてしまうことがあります。作物に影響のない位置、角度で打ち込むことが大切です。