刈込鋏

刈込鋏とは

刈込鋏

刈込鋏とは、主に庭木や植木の剪定に使用される、日本の伝統的な切り込み式の鋏です。

切れ味が鋭いため、強い力を入れなくても、木の枝や葉を綺麗に刈り取ることができます。庭師や造園業者など植物を扱う職人たちにとっては必要不可欠な道具です。

また、プロ用の刈込鋏でなくとも、手首を痛めにくいように刃と柄の角度が調整されており、使いやすさにも配慮されています。

刈込鋏の使用用途

刈込鋏は、主に樹木の枝や葉っぱ、草木など、庭木の剪定に使用されます。刈込鋏は、プロの造園家や庭師だけでなく、一般の家庭でも手軽に使える道具であり、用途は幅広いです。

草木の成長に合わせて形を整えたり、伸びすぎた部分を切り落としたりすることで、美しい庭の維持が可能です。また、野菜や果樹の収穫時にも使用されます。果実を収穫する際には、刈込鋏の切れ味を生かして、果実を綺麗に切り落とすことができます。

刈込鋏の特徴

長所

1. 効率性が向上する
刈込鋏は、腕力を必要とせず、作業が迅速に進められるため、効率的に剪定作業を行うことができます。

2. カットの精度が高い
刈込鋏は、非常に鋭い刃を備えており、細かい作業や正確なカットが必要な場合に最適です。また、植物にダメージを与えずに、綺麗に切り揃えることが可能です。

3. 軽量で扱いやすい
刈込鋏は一般的に軽量であり、持ち運びや扱いが容易な庭具です。特に、高い場所にある植物の剪定作業など、使用する人にとって負担が少なく、楽に行うことができます。

短所

1. 刃のメンテナンスが必要
刈込鋏の切断力を維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。切れ味が鈍くなってしまうと、樹木などを傷める可能性があるため、刃を研ぐか交換する必要があります。

2. 汚れがつきやすい
刈込鋏の刃には植物のヤニなどの汚れが付きやすく、定期的な清掃が必要です。特に、植物の病気を予防するためには、清潔な状態を保つことが重要です。

刈込鋏の種類

刈込鋏は、庭木用・果樹用など、用途に応じた種類があります。用途に応じた刈込鋏を使用することで、草木や庭木の美しさを維持しやすくなります。

1. 両手鋏

両手鋏は、持ち手が長いのが特徴で、一般的な庭木や草木の手入れなど広い範囲を整える際に使用されます。また、刃の形は2枚の刃をすり合わせて切るタイプの「バイパス型」です。バイパス型の刃は生枝の剪定に向いています。

両手鋏の刃渡りは150~180mm程度が一般的です。180mmを超える刃渡りが長いタイプは、プロでないと扱いが難しくなります。

2. 片手鋏

片手鋏は、ハサミと似た形状をしており、片手で使用します。細かい枝の剪定や果樹の収穫、葉刈りなどの仕上げ作業に適しています。

片手鋏では、両刃のデザインが違う「アンビル刃」を採用することが多く、両刃の付け根中央にバネが付いているのが特徴です。片方の刃が受け皿となり、もう片方の刃で剪定するため、小さな力で剪定できます。また、片手鋏の刃渡りは両手鋏よりも短く、80~130mm程度が一般的です。

3. 伸縮式刈込鋏

伸縮式刈込鋏は、長さを調整して使用できる構造で、森林管理や高さのある生垣の刈込作業などに使用されます。また、腕にかかる負担を軽減させるために、アルミ製などの軽量素材の持ち手が採用されています。

4. 立ち作業用刈込鋏

立ち作業用刈込鋏は、立ったままの姿勢で地面に近い雑草や芝生などの刈込に適した鋏です。腰をかがめる必要がないため、田んぼや庭の草刈りの作業効率が高まり、疲労軽減にもつながります。

5. 電動・充電式の刈込機

上記で紹介した手動の刈込鋏を電動にした、両手鋏・片手鋏の電動刈込機もあります。手動の刈込鋏よりも手や体への負担が少なく、短い時間での刈込作業が可能です。

電動の刈込機は、手動で剪定する場合よりも高速で作業を進められます。剪定作業をより効率的に行えるため、庭師や農家などのプロフェッショナルによく使われます。コードレスの充電式製品が多く、安全に作業できるよう、刃が自動的に止まるセーフティ機能が付いています。

刈込鋏の選び方

刃の形状によって、切ることができる枝の太さが異なり、ハンドルの形状によっても、持ちやすさや力の入れやすさが変わります。刈込鋏の長時間・長期間の使用で腱鞘炎や肉体疲労などを起こす心配がある人は、持ち手が中空アルミ構造などの軽量タイプや電動の刈込鋏を選ぶことをおすすめします。

また、手動の片手鋏を選ぶ際は、握力によってバネ調整ができる製品が最適です。手動・電動にかかわらず、正しい使い方をしないと道具や剪定対象の損傷や事故につながることがあるため、安全に注意しながら使用してください。

刈込鋏のその他情報

1. 手入れ方法

刈込鋏の刃は、植物などのアクが付きにくいようフッ素加工などの対策が施されている製品が多いものの、使用後は次のような手入れを施すことが大切です。

  • 使用後は、鋏の汚れを水で流して拭き取る
  • 刃先に傷がつかないよう、刃先カバーを付けて収納する
  • 長期間使用しない場合は、刃先に油を塗って保管する

2. 研ぎ方

  1. 砥石を用意し、水で濡らす
  2. 刃を砥石に角度をつけながら軽くこする
  3. 刃先が白くなるまで反対側も同様に研ぐ
  4. 砥石で研いだ後は、目の細かい砥石で仕上げ研ぎをする
  5. 布などで刃をきれいに拭き取り収納する

刈込鋏の刃を研いでおけば、常に切れ味を維持できます。しかし、研ぎ方に失敗すると、まったく切れなくなる可能性があるため、無理に挑戦するよりも、替え刃がある刈込鋏を選ぶことをおすすめします。

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