遮光ネット

遮光ネットとは

遮光ネット

遮光ネットとは、直射日光を嫌う農作物や植物を、強い太陽光や高熱から守るために使用されるネット状の資材です。

農作物や花などの育苗や栽培で農業用として使われるほか、家庭・マンションなどのベランダで日よけ対策や家庭菜園の園芸資材としても利用されています。

遮光ネットの使用用途

遮光ネットは、ビニールハウスや畑、農家の作業場などに設置し、夏の直射日光や熱による高温障害防止、寒い季節の霜害防止などに使用します。

代表的な嫌光性農作物のキノコ類は、ほとんど光が当たらない場所での栽培が向いており、遮光ネットが欠かせません。キノコ類などには遮光率70~80%以上のネットを使用すると、効果的に光を遮ることができます。

また、比較的緩やかな木漏れ日のような光によって美しい花を咲かせる洋ランなどの観葉植物栽培や管理にも遮光ネットが有効です。

遮光ネットの特徴

遮光ネットには、遮光率○○%と表記されており、数字と比例して光を通しにくくなります。例えば、遮光率50%よりも70%、90%と数字が大きくなるほどに、より一層暗くなります。

ただし、野菜や花などは暗すぎると逆効果を引き起こす可能性があるので、各メーカーの遮光率を確認することが大切です。

長所

遮光ネットは遮光性だけでなく遮熱性もあるため、農作物などを人工的に直射日光や高温から守れる点が大きな長所です。また、強風を遮ることもできます。

遮光ネットは軽量素材で織られており、ビニールハウスなどに設置する際の労力が軽減されます。遮熱効果もある遮光ネットは、真夏でも地温を適切な温度に保てるので、灌水作業の省力化や葉焼けの防止にも効果的です。

短所

遮光ネットの短所は、使用することによって農作物に必要な光量や温度が不足すると、極端な徒長や生育不良などを起こす可能性があることです。また、ムレによる病気の発生も踏まえ、農作物の状況に応じて遮光ネットを外すなど、こまめなコントロールを心がける必要があります。

遮光ネットの種類

遮光ネットには、黒・白・銀・青など豊富なカラーの種類があり、それぞれ特性が異なります。

1. 黒色

遮光ネットの中で最も遮光性が高く、紫外線劣化に強いのが黒色です。黒色の繊維で織られた遮光ネットは光を吸収するため、シイタケ類などの栽培には黒色がおすすめです。

黒色は汚れが目立ちにくいこともあり農業用として人気が高いですが、熱を持ちやすいので遮熱効果はほかの色味よりも劣ります。

2. 白色

白色の遮光ネットは光を反射するため、遮熱性に優れています。ビニールハウス内や作業場が高温になるのを防ぐと同時に、内部の明るさもキープできます。

好光性のキャベツやニンジンなどの発芽過程、トマトやホウレンソウなどの色づきが必要な野菜にも最適な色味です。

各色の中で耐久性は最も弱く、汚れが目立ちやすいデメリットもあります。

3. シルバー

銀色の遮光ネットは、遮光性と遮熱性のバランスが取れているのが特徴です。適度に光を反射・吸収する色味なので、適度な光量と温度を維持しやすくなります。

輻射熱も少ないため、日差しによる地温上昇や葉表面の温度上昇を予防できます。

4. 青色

青色の遮光ネットには長波長域の赤色の光を吸収する特性があり、葉物野菜の栽培に使用されます。葉物野菜の代表でもあるホウレンソウの生育促進や、秋冬の霜害防止目的などに活用できます。

遮光ネットの選び方

遮光ネットを通販やホームセンターなどで選ぶ際は、事前に目的や用途を確認しておきます。農作物などに合った遮光率や色を選ぶのがポイントです。サイズ選びでは、若干縮むことを考慮して少し大きめの遮光ネットを選びましょう。

また、遮光ネットの編み方には「ラッセル織り」「平織り」「カラミ織り」などがあります。農業用には、カットした際に切り口がほつれにくい「ラッセル編み」の製品がおすすめです。

作業場の入り口などに2m程度の小さめの遮光ネットを設置したい場合は、端ハトメ加工が施されているタイプを選び、風で舞い上がらないようにロープで固定してください。

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