パッカー

パッカーとは

パッカーとは、ビニールハウスで用いられる軟質フィルムを骨組みに留める部材です。

ハウスの妻面、側面のパイプに対してフィルムをあてがい、その上からパッカーをはめます。パッカーを用いれば、フィルムに穴を開けず簡単に固定させることができます。一般的にパッカーは、フィルムが破れないように両サイドが半円状です。

風による強い圧力にも外れずにしっかりと固定するために、金属のバネ材を外部や内部に装着した製品もあります。なお、パッカー取外し専用工具を用いることで、フィルムを傷つけずに取り外すことができます。

パッカーの使用用途

パッカーは、ビニールハウスを利用する作業全般に適用されています。例えば、農業、造園業、家庭の農作業や園芸などです。

フィルムとパイプなどの骨組とを強固に固定する治具なので、農業用ビニールの様な強度のあるフィルムに適しています。反対に、POフィルムは強度が弱いため、摩擦などで破れやすいため適用外となります。

フィルムだけでなく、ネット類も同様に設置可能です。防虫ネットや、遮光ネットなどもパッカーで固定して機能性を発揮します。

パッカーの特徴

パッカーは挟む力が強く、ビニールや不織布など、パッカーで留めておきたいフィルムを傷つけてしまう恐れがあります。フィルムに穴が開くとビニールハウスやトンネルとしての効果を十分に得られなくなってしまうため、フィルムの素材との相性や耐久性に注意する必要があります。

パッカーは固定のために用いる器具なので、頑丈なつくりになっているものが多いです。曲線のあるパイプを使用する際には、柔らかい特徴のあるパッカーを選ぶとスムーズに使用することができます。

また、口幅や長さの種類が非常に多く、メーカーや商品によって特徴も大きく異なることから、使用する場面を想定し慎重にパッカーを選ぶことが大切です。

商品によって異なりますが、下記のような特徴が代表的です。

長所

  • ステンレス製のものは錆びにくく、グリップ力が持続する
  • 柔らかく作業性が良い
  • 取っ手付きで着脱しやすい
  • 対候性、耐衝撃性、耐薬品性に優れる
  • カーブしやすく、トンネルハウスにも使用可能

短所

  • サイズが様々で、骨組みを変えると使いまわしが出来ない
  • パッカーを取り外す際にビニールが破れることがある
  • 冬場は硬くなりやすく、作業性が下がる

パッカーの種類

パッカーはメーカーによって様々な商品が販売されており、使用できるパイプサイズや長さ、口幅などがメーカーや商品によって異なります。その他の特徴として、黒、グレー、青、緑、橙、黄といった様々な色があり、カラーバリエーションが非常に豊富です。

パッカーの選び方

パッカーを選ぶ際は、大きさや素材を吟味することが重要です。サイズが合わないものを選んでしまうと、パッカーがパイプに密着せず、効果が半減してしまったり、使用できなくなったりというアクシデントにつながります。そのため、使用するパイプの大きさを前もって計測しておくことが非常に重要です。

支柱に特化したパッカーは、トンネル支柱、アーチ支柱、新ねぶし竹など様々な支柱に使用することができます。ビニールハウスで使用するパッカーは、しっかり押さえ込むばね付きのものや、ふくらみがあり素手での取り外しがしやすいパッカーが最適です。

ビニールハウスに巻き上げをして使用する際は、ふくらみや突起がなくなだらかなパッカーや内側に凹凸加工が施されており、把握力が強いパッカーが適しています。パッカーの性能にあまりこだわりがない場合は、ビニールハウスによって様々なカラーで使い分けて、外観を楽しむ方法もあります。

パッカーの使い方

ビニールハウスやトンネルのビニールとパイプ、支柱といった骨組みを固定する際に幅広い状況下で用います。クリップタイプのものは、ビニールを骨組みにあてがい上からクリップで挟むだけで簡単に装着することができます。

その他の形状のものは、同じようにビニールを骨組みにあてがい、骨組みに向かって押し付ける形で装着します。また、パッカーを取り外す際は素手で引っ張って外す方法の他に、パッカーとビニールの間に先端を差し込み、てこの原理で簡単に外すことのできる器具を使用する方法があります。

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