ランナーチャック

ランナーチャックとは

ランナーチャックとは、射出成形機などから成形品を取り出す際に、ランナーを掴んで成形品を金型から取り出すチャックを言います。射出成形機のノズルから射出された溶融樹脂は、スプルーと呼ばれる金型内の太い通路を通って、ランナーと言われる細い通路から、ゲートと呼ばれる所を通って成形部に送り込まれます。

ランナーチャックは、通常はランナーを掴んで成形品を取り出しますが、成形品自体やスプルーをチャックする場合にも使用されます。

ランナーチャックの使用用途

ランナーチャックは、射出成形機等においてロボットを使用して、成形品の取り出しを行う場合に多く使用されます。成形品の取り出しを自動化する場合は、スライドレールをいくつか組み合わせ、ランナーチャックがレール上を移動できるようにします。

ランナーチャックは、二つの爪状の金具でランナーを挟む方式が多く使われます。電動又は空気圧で駆動します。作動チェックして次のステップに移行するためのセンサーを爪部に付けたタイプが通常使用されます。

ランナーチャックの特徴

成形品を金型から取り出す場合、金型の成形品の入口であるゲートの形状によって、取り出し方法を選択します。ランナーを介さずスプルーを直接成形品の中心のゲートに接続するダイレクトゲート方式では、成形品をチャックするか、又はスプルーをチャックします。ゲート跡が大きく残るため、ゲートカット後の仕上げが必要です。

成形品の側面からランナー経由でゲートに接続する場合は、ランナーチャックを使用して、スプルーをチャックします。成形品にゲート跡が残るため、ゲートカット後の仕上げが必要です。

ランナーの先にトンネル状のゲートを設けるサブマリンゲート方式では、成形品とランナーの両方をチャックします。金型が開いたときにゲートは自動で切断されるので、成形後の処理が不要です。

金型を3枚使用して、成形品とランナーとを分離したピンゲート方式の場合は、成形品をチャックし、ランナーのチャックは必要としない場合もあります。最初の金型分割でピンゲートを含むランナーやスプルーが金型から分離され、次の分割動作で成形品が取り出されます。ゲートは金型の分割で自動的にカットされるので、成形後のゲートカットは不要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です