小売用RFIDシステム

小売用RFIDシステムとは

小売用RFIDシステムとは、RFIDと呼ばれるICタグを小売り店の商品に取り付けて管理を行うシステムです。値札やバーコードを利用してレジを打ったり、在庫の管理を行う方法が一般的ですが、小売用RFIDを利用することで商品の情報管理を一括して行うことができ、在庫の管理等を効率的に行うことができるようになります。小売用RFIDシステムを利用することで人件費の削減や手間を減らすことができるので、画期的な方法として近年導入が進んできています。

そもそもRFIDとは、Radio Frequency Identification のことで、交通系ICカードや自動車のスマートキーもこの仕組みを利用しており、電磁波によりワイヤレスに通信して情報の読み取りや書き換えができるようになっています。小売用RFIDシステムでも基本的な構造は同じです。

小売用RFIDのデメリットとしては、リーダライターと呼ばれる20万円程度の読み取り機器を購入する必要があり、初期投資がかかることがあげられます。また、RFIDを利用したタグは、性能に応じますが一枚あたり10円程度のコストがかかります。ここ最近では小売り用RFIDの価格は低くなってきているので、将来的にはもっと下がる可能性があります。

小売用RFIDシステムの使用用途

小売り用RFIDシステムの使用用途には商品の在庫管理、レジ、万引き防止、マーケティングなどがあります。小売り用RFIDシステムを利用するとリーダーでスキャンするだけで在庫の有無を確認することができ、商品の在庫管理が効率的になります。人の目で在庫を確認したり、商品を手に持ってバーコードで毎回読み取る必要がなくなることは大きなメリットです。

そのため比較的単価の高いアパレルを中心とした小売店で利用が広がってきています。とくに大型の店舗では商品の入荷、棚卸、配送時のミスや間違いを防ぐことに効果を発揮すると同時に、商品のマーケティング分析が可能です。

また、RFIDのタグに商品の情報を記録することで賞味期限や配送情報といった細かな内容も確認することが出来ます。

レジの場面においても、RFIDであれば一度のスキャンで複数の商品の登録が可能なため、会計のスピードが早くなります。

また、警報の鳴る防犯ゲートを設置すると、RFIDタグを付けた商品をそのまま持って店から出ようとすると音が鳴るので、万引き防止に役立ちます。

小売用RFIDシステムの原理

小売用RFIDシステムの原理自体は、他のRFIDが利用されている交通系ICカードやETCカードなどと同じです。リーダライターから発せられる電波や磁界をRFIDタグが反射して無線通信がされています。

RFIDタグは、データを記録するICチップと、電波を受信するアンテナが一緒になっている構造です。ICチップにはさまざまな情報が記録できるようになっています。

RFIDには電磁誘導方式と電波方式があり、それぞれいくつか特定の周波数を利用しています。小売用RFIDの場合は、電波方式でUHF帯と呼ばれる領域の周波数を利用することが多いです。電波の周波数により、その特性があり、UHF帯は通信範囲が数メートル先まで届くので、商品の管理に向いています。基本的には遮蔽物があっても、読み取りの性能は変わりません。また、金属の影響もマイクロ波に比べたら受けにくい特徴があります。

小売用RFIDシステムの種類

小売用RFIDシステムでは、商品に付けるタグと、タグの情報を読み取ったり情報を入力するリーダライターが必要になります。以下ではその二つの種類について記載します。

タグの種類

  • パッシブRFID
    電源を内蔵しないタイプで、リーダーから発せられる電波を受け取り、反射したメモリの情報をリーダーが受信して情報を管理します。安価で、恒久的に使用できます。
  • アクティブRFID
    電源を内蔵しており、アクティブRFIDから発せられる電波をリーダーが受信して情報を通信します。パッシブRFIDより通信距離が長いものが多いです。

リーダライターの種類

  • ハンディタイプ
    持ちやすく、操作しやすい形状です。
  • 固定タイプ
    安定感があり、読み取り性能が高いです。

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