貼り箱

貼り箱とは

貼り箱

貼り箱とは一般に、厚みのある芯ボールに印刷紙を貼り付けた化粧箱です。高級感があるため、ギフトなどによく使用されます。

貼り箱と組み箱の違い

商品を梱包する化粧箱としては、貼り箱のほかに、トムソン箱などの組み箱があります。

組み箱であるトムソン箱は、箱を形成する素材、例えば1枚の紙などを箱の展開図に合わせた形状でくりぬき、これを折って立体である箱にします。

すなわち、デザインを施すには、組み立てる前の紙の所定の位置に印刷を施す手法が一般的で、デザインの自由度はあまり高くありません。

一方、貼り箱は、箱を形成する部材をいくつかに分解し、それぞれを厚みのある芯紙で作製し、これを組み立てて箱にしたのちに、デザインに合わせた紙や布などを貼りつけた物です。

このため、箱表面となる素材の自由度や、箱表面への印刷などの自由度が非常に高くなり、デザインの自由度が高くなります。すなわち、貼り箱であれば、デザイン性が高く高級感のある箱を実現可能です。

貼り箱の用途

貼り箱は、デザイン性が高く高級感があるため、化粧品や美容機器など、比較的高額な商品を梱包する化粧箱として使用されています。

貼り箱がこのような商品の梱包に使用されるのは、貼り箱が構造的に高い強度を持つ上、手にした時の安定感や重厚感を演出出来るためです。また、前述のように、デザイン性が高いことから、中に入れる商品に合わせて、多様なデザインを施し、商品価値をより高めることが出来ます。

さらに、貼り箱は、商品や企業のブランディングにも役立っています。「この箱は○○の洋菓子」という風に消費者が認識する、貼り箱がもたらすイメージでブランドをイメージするなど多くの役割を果たしています。

貼り箱の形状の種類

貼り箱には様々な形状があります。一般的な形状としては以下の5種類が挙げられます。

1. 身箱・蓋タイプ(本体・蓋別構造)

身箱と蓋が別々になっており、本体の上に蓋をかぶせることで梱包するタイプです。様々な商品に使用されます。

2. ワンピースタイプ

身箱と蓋が繋がっており、蓋を開けることで一つの箱になっている仕組みを持つタイプです。DVDボックスなどに使用されます。

3. 表紙付きタイプ

上製表紙に身箱が付いているタイプで、SLIP in BOXと呼ばれています。マグネットなしタイプも製造可能です。

4. 引き出しタイプ

ブックケースを横向きにして、身箱を入れるタイプの貼り箱です。二段箱も製造することができます。

これらの他に、メーカーによっては、箱の上面と側面の接合部に加工を施し、エッジ部分が際立つよう工夫しているものもあります。
また、多面体の貼り箱や、貼り箱でありながら畳めるような構造としている貼り箱を提供しているメーカーもあります。

貼り箱の装飾の種類

貼り箱の装飾方法について述べます。貼り箱の装飾方法としては、以下の6種類が挙げられます。

1. 紙や布の素材

前述のように芯ボールに印刷紙や布を貼って装飾するため、芯ボールに貼る素材により様々な装飾が可能です。

2. 箔押し

芯ボールに貼る紙に、金や銀、パールなどの素材を熱圧着する装飾方法です。熱圧着により金や銀などは少しエンボスされるのも特長で、箔の色とエンボスによってさらに高級感が演出できます。

3.リキッドメタル

シルク印刷の上に、金箔や銀箔をシール転写のように印字する装飾方法です。シルクスクリーン印刷なので、メタリックな部分を細かく表現できるほか、印刷により少しエンボスになるのが特徴的です。

4. 浮き上げ(エンボス加工)

これは、芯ボールに貼る紙を、加工したい模様を形成する凸版と凹版の型の間に紙を挟んで紙に、絵柄やロゴなどの形を浮き上がらせる加工です。金や銀の箔押しと組み合わせることも可能で、箔部分をより効果的に表現できます。

5. 空押し(デボス加工)

エンボス加工の逆の方法で、紙に絵柄やロゴなどの凸型版をプレスすることで、紙にへこみをつける方法です。こちらも箔押しと組み合わせることが可能で、箔部分をより効果的に表現できます。

6. ラミネート

芯ボールに貼る素材にPP(ポリプロピレン)やPET(ポリエチレン)のフィルムを貼り、光沢調やマット調(艶消し)に仕上げる方法です。装飾面だけでなく、表面保護や、貼り箱を手にした時の独特の手触り感を実現します。

 

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