タイマーICとは
タイマーICは回路上において発振回路として使用されたり、一定周期のパルスを供給できることからたとえばLEDの表示に使用したりします。
最もメジャーなタイマーICとしてXX555があります。XXの部分はメーカーによって変わってきますが一般的にタイマーIC 555と言えば、デジタル回路を設計する人なら誰でも知っているほど有名なICです。
歴史もかなり古く1971年に初めて作られ、以降、様々な半導体メーカーでも作られ現在では、最も有名な半導体といっても過言ではありません。
タイマーICの使用用途
タイマーICの用途の1つである発振回路はデジタル回路において、システムを駆動させるための大元の同期信号として使われます。また、システムを制御するためのマイコンやシステムコントローラなども、発振回路により生成された一定周期の信号を自らが動作するための大元の同期信号として使用します。
LEDの表示回路においては、その表示の周期を比較的自由に設定することができるため用途は広いです。
その他、デジタル回路を設計する場合に、任意の周波数を有する一定周期の信号が必要となるケースが良くあります。このような場合にタイマーICはとても便利で手軽に利用されます。
タイマーICの原理
タイマーIC XX555は、大きく3種類の回路から構成されています。ウィンドウコンパレータとRS-フリップフロップ(RS-FF)およびCとRによる充放電回路です。基本的な構成は、ウィンドウコンパレータの出力をRS-フリップフロップのRとSの入力につなぎ、この出力(NOT(Q))をオープンコレクタのトランジスタバッファ等を通してCとRの充放電回路につなぎ、更に充放電回路の先をウィンドウコンパレータの入力につなぐという構成です。
CとRによる充放電回路において電圧を印可しCへの充電が始まり、ある一定の電圧に達すると
接続されているウィンドウコンパレータの出力(RS-FFのR端子に接続されている側)が[H]に切り替わります。これを受けてRS-FFのNOT(Q)出力も[H]に切り替わるため、トランジスタバッファはONとなり、その結果、その先につながっているCR充放電回路にて放電が開始されます。すると、放電によって、ウィンドウコンパレータの出力(RS-FFのS端子に接続されている側)が[H]に切り替わるため、RS-FFのNOT(Q)出力が[L]に切り替わります。すると、今まで、放電していたCR充放電回路では、トランジスタバッファのOFFにより、充電を再開する。
以上の動作の繰り返しにより、RS-FFのNOT(Q)の出力は一定周期で反転します。同様に、XX555の出力であるQはNOT(Q)の反転出力を継続します。
参考文献
https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/166.html