2相ステッピングモーター

2相ステッピングモーターとは

2相ステッピングモーターとは、A相B相の2相から構成されるステッピングモーターです。

ステッピングモーターとは、パルス信号によって回転軸角度や回転速度を正確に制御できるモーターです。時計の秒針のように、一定の角度で回転します。この角度は、基本ステップ角度と呼びます。

向かい合った磁極で1つの相を形成する形状です。相の数に応じて、制御方法及び1パルスでの動作角度が変化します。

2相ステッピングモーターの使用用途

2相ステッピングモーターの使用例として、時計、産業用装置 (搬送機、ロボット) 、プリンタ、スロット、カメラレンズの動きなどが挙げられます。正確性が求められる軽負荷の分野に有用です。

外部のパルス信号に同期して動作角度及び動作速度を決めることが可能なため、決められた時間と距離 (回転角度) で動作させるものに多く使用されます。また、スイッチ信号を検知して即時停止させることも可能です。ただし、大きな負荷がかかる分野では使用できません。

2相ステッピングモーターの原理

ステッピングモーターは、その回転速度を時間に応じて設定することでその特性を最大限に発揮します。回転速度を時間に応じて設定することを、運転パターンと呼ぶのが一般的です。運転パターンには2通りあります。

1. 自動運転パターン

自起動運転パターンは、モーターの回転速度を最初から最後まで同じ速度で動かす運転パターンです。速度と時間をグラフにすると四角形になるため、矩形駆動と呼ばれます。 

2. 手動運転パターン

モーターの回転速度を最初は遅くして徐々に高速にする手法であり、最大の速度で一定期間回転したあとに徐々に低速にもどして、停止する運転パターンです。

速度と時間をグラフにすると台形になる制御方法であり、台形駆動と呼ばれます。モーターの回転速度はモーター特性や対象物の質量、モーターへの電力や配線方法で決まります。特に、急激に動かし、急激に止めたい用途で使用するときは、選んだモーターの特性が重要です。

2相ステッピングモーターの種類

1. VRモータ型

ローターは鉄でできています。また、ローターとステーターには複数の凸型の歯があります。現在はあまり使用されていません。

2. PMモータ型

ローターは永久磁石からなります。ステーターは90度ごとに配置された巻線を使用しており、対局にある位置のステーターに電流を流します。ローター側の磁化ピッチを細かくすることで極数を増やることはできますが、着磁間隔の関係で20極程度が限界です。

3. HBモータ型

回転軸には円筒形磁石があり、歯が1/2ピッチ分ずれている2枚のローターで磁石を挟んでいます。ステーターは90度ごとに配置された巻線を使用しており、複数の凸型の歯からなります。対局にある位置のステーターに電流を流します。

2相ステッピングモーターのその他情報

2相ステッピングモーターは配線方法

2相ステッピングモーターは配線方法で特性が変化します。機器の設計時には、配線方法の意識で、その機器に適したコストと性能のバランスを得ることが可能です。

1. バイポーラ結線
バイポーラ結線は、モーターの巻線に対して、双方向で電流を流す方式です。モーター内部の構造はシンプルですが、駆動回路は複雑になる点はデメリットです。特性としては、出力トルクはユニポーラ結線よりも、高くなります。また、トルク特性がユニポーラ結線と異なります。

2. ユニポーラ結線
ユニポーラ結線は、巻線に常に一定方向の電流を加える方式です。巻線は2本になるため、モーター内部の構造はその分複雑になります。しかし、モーターを動かすための駆動回路は単純になります。

特性としては、モーター内部の限られた空間に2本の巻線が入り、1本の巻線は常にお休みの状態になるため、バイポーラ結線に比べると半分程度の出力トルクになるのが基本的な考え方です。ただし、前述したようにバイポーラ結線とトルク特性が異なります。

参考文献
http://www.mekatoro.net/digianaecatalog/orien-sougou/book/orien-sougou-P0021.pdf

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